【Nagano Snapshot】 上田 東信の中心都市を歩く 2018 1/23


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Rollei A26


長野県には、北から北信、中信、東信、南信という区分けがあって、北信地方の中心都市は県庁所在地の長野市、中信地方の中心は長野のライバルの松本市、南信地方には私が住民票を置いている諏訪地域が含まれる。そして、東信地方には今おもに生活の拠点にしている軽井沢地域が含まれ、その中心都市と言えるのが真田幸村で知られる上田市だ。

東信に来てからまだ日が浅いので、上田城を観光したくらいで、まだ上田の街でスナップしたことがなかった。雪が市街地にも積もった翌日、雪がある信州の都会も悪くないだろうと、コンタックスのフィルムカメラを持って上田に車を走らせた。

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Contax RTS Distagon 25mm F2.8

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Contax Aria Planar 50mm F1.4

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Contax RTS Sonnar 180mm F2.8

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Contax RTS Sonnar 180mm F2.8

それなりに長く地方に暮らしていると、「田舎慣れ」してくる。東京っ子だった頃は、就職して最初に赴任した名古屋ですら、街が「疎」な感じで人通りが少なく、夜が暗くてひどく寂しく感じたものだ。でも、街に人が歩いていないのが当たり前の昨今の地方の現状に慣れると、上田あたりでもむしろ大都会に見えてくる。自分の内面の問題で言えば、地方を知って視野が広がったということだろう。

写真集『ナガノスナップショット』(
このブログの長野県内のスナップをまとめた自主制作写真集)内にも書いたのだが、長野県内でストリートスナップするにあたって、当初最も困ったのが「人がいない」ということであった。今は、人がいない「カントリーサイド・スナップ」ともいうべき新ジャンルにも慣れて、それを日々楽しんでいるのだが、やはり人がいる街角はいいものだ。雪が降り坂道が多い長野県では出会うことが少ない自転車のヒトも、この上田の中心部では巡り合うことができた。いずれも、以前撮った川上村の数少ない通行人の過半数を占めていた農業(工業?)実習生らしき外国人の皆さんだったが。




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Contax Aria Planar 50mm F1.4

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Contax Aria Planar 50mm F1.4

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Contax RTS Distagon 18mm F4

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Contax Aria Planar 50mm F1.4

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Contax RTS Makro Planar 100mm F2.8

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Contax RTS Distagon 18mm F4

昼間の飲み屋街を歩くのは結構好きで、ちょっとした街に行くとたいてい立ち寄る。僕は付き合い以上のお酒は全く飲まないので、夜の生きた飲み屋街にはほとんど縁がない。でも、だからこそ、その眠っている時間帯にこっそり自分が本来いてはいけない世界を覗き込むようなスリルが好きだ。

一方、飲み屋街に自ら住人として飛び込むのは無理だ。ストリート系やアート系の学生写真や若い写真家の定番のテーマに新宿ゴールデン街や歌舞伎町の人間模様のようなものがあったが、自分には無縁の世界だとしか感じない。自分にないものに魅力を感じることは多々あるが、酔っ払うことを美化するような感覚には全く共感できない。要は、酔っぱらいが大嫌いなのだ。だから、酔っぱらいのいない時間帯にしか、飲み屋街には近づきたくないとも言える。いや、もちろん、野蛮ではない人達と楽しくお酒を飲むのは決して嫌いではないのだが。

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Contax RTS Sonnar 180mm F2.8

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Contax Aria Planar 50mm F1.4

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Contax RTS Sonnar 180mm F2.8

この日の気温は氷点下5度くらいだったろうか。普段はもっと寒い所に暮らしているので人間の方は特別に寒いとは感じなかったのだが、終盤でカメラが寒さにやられてしまった。アリアのシャッターが時々下りなくなるのは、寒さのせいだけではなく経年の接触不良だと思うのだが、RTS(初代)の電池も何度か電力供給ができない瞬間があった。これまで、もっと寒い所で銀塩デジタル問わず写真を撮ってきたが、寒さで動作不良を起こしたのは、今回のコンタックス2機種とオリンパスのOM-10、ソニーのデジタルミラーレス(NEX-7、α7II)だけである。同じコンタックスでも、RTSIIIとG2は真冬のベルリンで何の問題もなく動いたし、デジタルならキャノン・ニコンの一眼レフ(D1・D2系、1D系・5D系)は真冬の雪山でも特に問題を感じなかった。

寒冷地に住んでいる以上、バッテリー周りの耐寒性は非常に気になるところで、ソニーのミラーレスを信用しきれない最大の理由がそれだ。今回はフィルム写真の回なので多くは語らないが、ソニーのサポートとはその件では何度もやり取りしている。銀塩カメラについては、耐寒性能がF5やEOS1といったフラッグシップ機を使う理由になるのだろうが、今あえて銀塩で大艦巨砲主義をやる動機としては弱い(今は、銀塩の電気カメラならせいぜいF3、RX、T-90といった大きすぎない機種を使っている)。なので、この少し後から真冬のNagano Snapshotでは、コンタックスS2、ニコンFM2、ライカM6といったメカニカル機をメインにしている。銀塩を再開して集め直す時に、修理のことも考えて各マウントに必ず1台はメカニカル機を混ぜていたのが、そんな形で役立っている。

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Contax RTS Distagon 18mm F4


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Contax RTS Sonnar 180mm F2.8


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Contax RTS Distagon 25mm F2.8


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Contax RTS Distagon 18mm F4

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Contax Aria Planar 50mm F1.4


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Contax Aria Planar 50mm F1.4


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by hoq2 | 2018-04-27 23:40 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot man】横浜みなとみらい夜景 2018 1/16 


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM (三脚使用)


学生時代の一時期、三脚担いでの夜間スナップに凝っていた。モノクロフィルムで夢の島などの埋立地の人工的な緑地風景や、住宅地の路地なんかを撮っていた。その後も手持ちの夜間スナップは続けているが、しっかり三脚に据えてのスナップはしばし撮っていなかった。でも、このところは新ジャンルの星景や王道の風景写真を通じて三脚撮影の再勉強をしていて、その流れで今回は久々に街頭に三脚を持ち出してみた。

行き先はみなとみらい。つい、フィルム時代の意識の名残りで、夜でも光が多い場所を選んでしまった。今のデジタルカメラなら、下の1枚目や2枚目のように、三脚を使わなくてもしっかり写ってしまうのだから、昔とは勝手が違う。これだけ明るければ、今のカメラならたいていは手持ちで撮れてしまう。

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α7RIII FE 85mm F1.4 GM (手持ち)


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM (手持ち)


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EOS 5D MarkIV Sigma 35mm F1.4 ART (三脚使用)


それでもやっぱり三脚を使う意味は、画質や被写界深度を稼ぐためという技術的な理由もさることながら、スローシャッターによって醸し出される異世界に魅力を感じるからだ。昔の一般人の常識は「夜は写真が撮れない」だった。それだけに、スローシャッターで鮮明な夜景を撮ることを覚えた時には、相当な感激があったのを覚えている。「瞬間を切り取る」のが写真だと思っていたところに、数十秒とか数分といった「時間の流れ」を写し取る写真との出会いは、当時の自分の写真観に対してエポックメイキングな出来事だった。

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α7RIII FE 85mm F1.4 GM (手持ち)


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α7RIII FE 28mm F2 (三脚使用)


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM (APS-C Crop) 三脚使用


今回はいつもの2台持ちだったので、アルカスイスプレートによるクイックリリースも活用しながら、臨機応変に手持ちと三脚使用を使い分けてみた。高感度性能が格段に上がった今のデジタルカメラであれば、伝統的なスローシャッターによる夜景撮影と手持ち撮影を同時に使い分けるのも楽しい。三脚はジッツオ・エクスプローラー2型のアルミを使用。比較的コンパクトな三脚だが、今主流のカーボンではない一世代前のものなのでそれなりに重い。でも、今回のような風の強い海辺ではこのくらいの重量感があった方が安心だ。ストラップをつけて肩に担げばそれほど負担にはならない。

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真ん中が今回使用したGitzo explorer 2型


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EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 ART (手持ち)


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α7RIII FE 28mm F2 (三脚使用)



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by hoq2 | 2018-04-17 22:53 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【Nagano snapshot】 小諸 風情町点描


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


1年ほど前から生活の拠点の中心を蓼科の山荘から同じ長野県内の御代田(みよた)町に移している。御代田と言ってもほとんど知られていないので、対外的には「軽井沢の近く」とか「浅間山のふもと」と言っている。もう少し詳しく言えば、東信と呼ばれる長野県東部地域にあり、浅間山に沿って軽井沢町と小諸市に挟まれた平成の大合併を免れた町だ。新幹線が停まる佐久市とも隣接していて、ちょっとした買い物では佐久に出ることが多い。

今回のNagano Snapshotの撮影地はそんな隣町の一つの小諸。蓼科にいた時はあまり縁がなく、長野県でスナップを始めてからかれこれ5年以上経つが、町を歩いたのは今回が初めてだ。おもな街歩きスポットは駅の西側の懐古園(小諸城址)と東側の北国街道筋の宿場町だが、今回は宿場町の方を歩いた。

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α7RIII FE Sonnar 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7II FE 28mm F2


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α7II FE 28mm F2


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


ご覧のようになかなか風情あふれる家並みが続くのだが、観光客はおろか、ほとんど人影がない。真冬のオフシーズンだとはいえ、もったいない。僕は新聞記者時代に岐阜県高山市(飛騨高山)の支局に勤務していたことがあるが、隣県の同じ山間地で共通項が多い一方で、信州人は飛騨人よりもだいぶ奥ゆかしい印象を受ける。逆に言えば、飛騨の人の方が方言もそうだが、西日本的な要素が入っていて、外交的で明るい。観光地のアピールの仕方にその差が出ていて、信州は、都会の登山家やメディアが勝手に宣伝してくれる北アルプスや上高地などの山の自然は別として、町並みや山里の押し出しが弱いのではないかと思う。

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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7II FE 28mm F2


飛騨高山は、ミシュラン・ガイドで3つ星の世界的な観光地だ。白川郷が世界遺産登録された時に現地で記者をやっていたから分かるが、高山や白川郷は決して黙っているだけで観光客が自然と集まってきたわけでも、観光行政に特段強力な牽引力があったわけではない。市井に行動力に満ち、かつ国際的な人材が多くいて、都会や海外からUターン・Iターンしてきた人と伝統的な地元民が同じ方向を向いて外向きのアピールをしてきた積み重ねが今日の地位を築いてきた。

もちろん、信州にもそういう人たちが大勢いてさまざまな努力をしているとは思うが、真面目で奥ゆかしい人が多い分、良く言えば押しの強さ、悪く言えばハッタリに欠ける面があるのではないかと思う。また、東京から近い分、移住者が東京に片足を突っ込んだまま地域社会に溶け込まずに暮らせてしまう点も、地元の人が気づかない魅力を引き出せない要因かもしれない(自分がまさにそういう層である)。信州人のハッタリのない誠実さはとても素敵だと思うし心から共感もするのだが、人通りのない寂しい町並みを歩いていると、少子高齢化社会の中でこのままひっそりと貴重な風景が朽ちていってしまうのではないかと本気で心配になってくる。

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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7II FE 28mm F2


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α7II FE 28mm F2


ただ、個人的な都合で言えば、信州の街角はこのままひっそりとしていてくれた方が嬉しい。このNagano Snapshotのカテゴリの一連の投稿や、それをまとめた写真集『ナガノスナップショット』を見ていただければ分かると思うが、観光地や名所をそれらしく撮った写真はほとんどない。もちろん、御柱祭などの一大イベントを全く無視しているわけではないが、僕のライフワークの一つである街頭スナップの主眼は、特別な場所や特別な瞬間ではなく、いつもそこにひっそりと存在する日常の奥にある普遍的な真実である。前回の日記にも書いたが、僕にとって写真は真実の追求=哲学にほかならない。

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α7RIII FE 85mm F1.4 GM (APS-C Crop)


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α7RIII FE Sonnar 55mm F1.8 ZA


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α7II FE 28mm F2


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α7II FE 28mm F2


今回は、 ソニーα7系ボディ2台(7RIII&7II)に分けて、所有するソニーFEマウントの単焦点4本を全て使用。僕は「複眼の視点」をモットーにしているので、50mm一本勝負のようなことはあまりしない。そのためどうしても持ち歩くレンズの数が多くなってしまうのだが、その点で比較的コンパクトにまとまるフルサイズミラーレス一眼と純正・専用レンズはありがたい。APS-Cやフォーサーズならもっと軽量化できるのだが、フィルム時代から35mm判に慣れてしまっているので、選択の余地がある限りはフルサイズにこだわりたい。

持ち出したのは、85mm/1.4GM、55mm/1.8ZA、28mm/2、FiRIN20mm/2の4本だが、今回は特に85mmを多用した。最近は85mm・90mmの中望遠の画角が心地よい。ポートレート撮影でよく言う85mmの被写体との絶妙な距離感は、スナップでも的を射ていると思う。混み合った都会では中望遠は長すぎる嫌いがあるが、空間が広い田舎では、標準レンズ感覚となるのだ。そして、この85mm/1.4GMは、伝説の名玉コンタックス・プラナー85mm/1.4の現代版とも言うべき、シャープかつボケ味の美しい究極の85mmだと思う。

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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7RIII FE Sonnar 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE Sonnar 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE Sonnar 55mm F1.8 ZA


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7RIII FE 85mm F1.4 GM


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α7RIII FE Sonnar 55mm F1.8 ZA


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α7II FE 28mm F2



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by hoq2 | 2018-04-12 00:07 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

【21st Century snapshot man】広尾 アトムレンズと抽象化する思考 2018 1/4


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Olympus OM-4 G.Zuiko 50mm F1.4 Ilford FP4 Plus


2018年最初の街頭スナップは、たまたま所用で訪れた東京の広尾あたり。もともと都心部のスナップは得意としているが、高級住宅でもあるこういう街は案外人通りが少なく、古くも新しくもなく撮りにくいかもしれない。

ただ、今回の撮影では、「どこを(何を)」撮るかよりも「何で」撮るかが重要だった。近く「アトムレンズ」による作例を集めたグループ展に参加することになっていて、出品作の候補を少し足したかったからだ。写真家としては当然のことだが、「展示のための展示」や「機材に撮らされている写真」はつまらない。だからふだんはあまりこういう撮り方はしないのだが、今回は無機質な都心の住宅地と「アトムレンズ」という響きに繋がりを感じた。

アトムレンズとは、1970年代前半ごろまで作られていた“放射能レンズ”である。画質向上のため放射性物質を含むトリウムガラスを使っており、ガイガーカウンターを近づけると反応する。今生き残っているアトムレンズは、トリウムガラスの特性でほとんどが経年変化により黄変している。カラーだとそのままイエローかぶりするが、白黒では影響がない(あるいはイエローフィルター的な効果がある)。今回は手持ちのアトムレンズ、オリンパスOMのズイコー50mmとキャノンFD35mmF2S.S.C(初期型凹レンズバージョン)の2本で撮った。

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Olympus OM-4 G.Zuiko 50mm F1.4 Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


淡々とした街を35mm・50mmという限られた焦点距離で見つめていると、思考がだんだんと無機的になっていく。今、時間を空けてこの時の写真を見ていると、街を歩いていた時のリアルタイムよりも、イメージが抽象的に見えてくる。リアルな街角を抽象的に切り取るのは自分の作風の一つなのだが、久しぶりに自分のこの側面を出せたような気がする。これとは正反対の荒木的な「撮影者と被写体の魂と魂がぶつかるような写真」が当然受けが良いのだが、僕は良くも悪くも日本的で業の深い写真には、嫌なベタつきを感じてしまう。自分に完全に欠如している才能を心からリスペクトするし、すごいと思うが生理的に好きではない。

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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Olympus OM-4 G.Zuiko 50mm F1.4 Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Olympus OM-4 G.Zuiko 50mm F1.4 Ilford FP4 Plus


写真には無限の表現があるので、どのような表現が正解か、より優れているかということはない。とはいえ、表現者は誰しも自分にとっての正解を秘めているべきで、「見る人に判断を委ねる」というような無責任な態度ではいけない。ただ、自分の志向と違うからといって、それだけで否定したり貶したりしてはならない。

その前提に立って言わせてもらえば、せっかくカメラ(レンズ)という機械の目を通しているのだから、写真家は人間の生々しさよりも、淡々として厳かな神の目に寄り添うべきだ。だから僕は、カメラを手に世俗に飛び込んで行くようなことには気が進まない。もちろん、私も人間くささが臭い立つような作家の作品には、いち観客として魂を揺さぶられる。でも、撮り手の立場からの素直な気持ちとしては、写真よりも絵画や音楽の方が人間臭さを発揮するのに合っていると思う。

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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Olympus OM-4 G.Zuiko 50mm F1.4 Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


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Canon A-1 FD 35mm F2 S.S.C Ilford FP4 Plus


今回は、撮った写真がいい意味で独り歩きしてくれたと思う。撮った時の手応えと、3ヶ月ほど寝かせた今の印象が全く違う。でも、「アトム展」には結局、この中からは出品しなかった。観客を意識してしまうと、ポリシーに忠実になれない甘さがあるのかもしれない。

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Olympus OM-4 G.Zuiko 50mm F1.4 Ilford FP4 Plus


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by hoq2 | 2018-04-09 21:31 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot man】砂町銀座 我が心横たわる下町 2017 12/17


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α7RIII Canon EF 85mm F1.8 Sigma mount converter MC-11


2017年最後の街頭スナップは、夕闇の砂町銀座になった。砂町そのものには強い縁はないが、東京の下町は思い入れが強い地域の一つだ。僕は海外を含めてあっちこちへフラフラこっちへフラフラ、幼い頃から文字通りの風来坊だったので、地元を持たない。いや、あちこちに地元があると言ってもいいかもしれない。その中で、東京の下町は転勤などではなく好き好んで住んだ街なので、東京を離れた今も楽しく散策することが多い。

だから、下町方面で仕事があると嬉しい。帰りに下町撮影行ができるからだ。クリスマス1週間前のこの日は、浅草橋でインタビューと撮影を終えて、一時期事務所を構えていた町に近い砂町銀座に向かった。

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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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α7RIII FE 24-70mm F2.8 GM


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α7RIII FE 24-70mm F2.8 GM


日本語の下町は英語のDowntownの直訳から派生した言葉なのだろうか。でも、両者の意味は違う。英語のDowntownは市街の中心部を指し、「下町」よりも「都心部」の方が意味としては近いだろう。日本語の「下町」も決して郊外を指すわけではないが、市街の中心部というよりは「庶民的な街」の意味合いが強い。かといって、「旧市街」かと言うと、特にスクラップ&ビルドが激しい東京などではちょっとイメージが違う。寅さんの「労働者諸君!」という定番のセリフではないが、「労働者の街」が実態に近いと個人的には思っている。あるいは、東京の下町の場合は、山の手に対する海側の低地という地形的なニュアンスもあるのかもしれないが、僕の中ではどうしても、下町という呼称と東京23区東部の庶民的なエリアのイメージがぴたりとはまらない。

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α7RIII Canon EF 85mm F1.8 Sigma mount converter MC-11


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α7RIII FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE 55mm F1.8 ZA


近年は東京の下町に数えられるエリアでも、豊洲などの湾岸部にはタワーマンションが立ち並び、庶民とは正反対の住民が急増している。砂町あたりは今、ブルーカラーとホワイトカラーの境界線の一つになっていると言えよう。その境界線より下町側にある砂町銀座はやはりとても心地よく、散歩していて気持ちが休まる。地元民ではないのに、なぜだろう。たぶん、街を包む人々のメンタリティに奥底で共感するからだと思う。本当の故郷には「同化」できる安心感があるのだろうが、それとは違う意味で、根本的な価値観が共有できる町とでも言おうか。

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α7RIII Canon EF 85mm F1.8 Sigma mount converter MC-11


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7RIII FE 55mm F1.8 ZA


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


特に「歳末」のノスタルジアと下町は僕の心の中で強く結びついている。下町に住んでいなかった時期も含め、年末年始はたいてい、アメ横や浅草寺、柴又帝釈天あたりに行っていたからだろうか。そう言えば、明治神宮など山の手の大きな神社仏閣に初詣に行ったことがないことに、今気がついた。

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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7RIII FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE 28mm F2


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2





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by hoq2 | 2018-04-07 12:34 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(1)

【21st Century Snapshot man】甲府 2017 11/30 シグマ Art ラインを一通り


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α7RIII Sigma Mount Converter MC-11 Sigma 12-24mm F4 Art


甲府はよく通過する街だが、中心部を歩いたことはほとんどなかった。この日は夜までに東京へ行けば良かったので、寄ってみることにした。翌日の撮影仕事に備えて、まだ来たばかりのα7RIIIの習熟訓練の意味もあった。シグマのマウントアダプターMC-11(キャノンEF-ソニーE)がどれくらい使えるのか、母艦がα7IIの場合と違いはあるのかというテストもしてみた。仕事撮影と同じく、EOS5D MarkIVとの2台持ち。MC-11には特にRIIIで使う機会が多くなりそうなキャノンEFマウントのシグマ12-24artを組み合わせた。

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EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 Art


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EOS 5D MarkIV Sigma 35mm F1.4 Art


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Canon EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 Art


5D MarkIVには、シグマArtラインの35mm/1.4と50mm/1.4を使用。12-24と合わせてこの3本のArtラインを一軍で使っている。僕はレンズメーカー製レンズに対して全くマイナスイメージは持っておらず、純正信者でもない。高いものにはそれだけの価値はある、その逆もまた真実なりとは思っている。でも、商業写真家の端くれとしての必然だが、撮影機材に関しては「所有する喜び」みたいなものよりもコストパフォーマンスが第一である。国産レンズメーカー御三家のシグマ、タムロン、トキナーは、まさにリーズナブルな製品を揃えてきているので、自然、所有率は高くなる。

過去にはタムロンも使っていた(フィルム用は持っている)が、今現役で使っているのは前述のシグマ3本とトキナー1本(EマウントのFiRIN20mm)だ。特に中国・韓国メーカーが価格破壊ぎみに台頭してきている最近は、日本の御三家は質で勝負しようと以前よりも高級路線にシフトしている。Artラインはその戦略を最初に打ち出したシグマの新しいシリーズで、タムロン、トキナーも追随してきている。今やかつてのレンズメーカーに対する「安かろう悪かろう」のイメージは当てはまらなくなってきていると思う。それでも、Artラインと同等のスペックのキャノンLレンズは約2倍の価格差がある。逆に普及帯のレンズは純正品との価格差がなくなってきている。

キャノン・ニコンの純正で20万円前後、シグマなら10万円程度の大口径レンズが、最も性能と価格のバランスがおいしいところだと思う。実際、僕が所有する3本はまさにそれで、コスパだけでなく純粋な性能も素晴らしい。シグマの回し者でもなんでもないのだが、「やっぱり純正が欲しいな」と思ったことは一度もない。今のキャノンやニコン、ソニーの高級レンズももちろん、非の打ち所がないのだが、価格とのバランスには疑問符がつく。

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EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 Art


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 Art


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 Art


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Canon EOS 5D MarkIV Sigma 50mm F1.4 Art


甲府という街は、甲府盆地全体に結構市街地の広がりがあるようで、中心部以外でも色々と街歩きが楽しめそうな雰囲気がある。特に個人的に最近は、郊外や田舎のスナップが楽しくなっているので、甲府盆地をゆっくりと広範囲に探索してみれば色々とドキッとするような光景に出会えるのではないかと思う。

それと、今回のような薄曇りの日はやはり白黒向きだな、と改めて思う。曇りの日のカラーのスナップは、実際に目で見た印象よりも退屈な仕上がりになってしまう。


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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EOS 5D MarkIV Sigma 35mm F1.4 Art


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EOS 5D MarkIV Sigma 35mm F1.4 Art


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EOS 5D MarkIV Sigma 35mm F1.4 Art


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS



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by hoq2 | 2018-04-05 19:06 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot man】八王子 2017 11/28 α7RIIIで夜間スナップ


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS

この5年ほど、東京と蓼科の家の往復で八王子をよく通過する。それまでほとんど縁のない街だったが、何度かスナップしたこともあって結構親しみのある街になっている。高速代をケチって甲州街道(国道20号)をひたすら真っ直ぐ、下道で帰ることが多い。秋の八王子あたりのイチョウの黃葉はなかなか見事である。いつか写真に撮ろうと思っていたが、このあたりは出張の帰路に暗くなってから通ることがほとんどで、ずっと機会がなかった。

この日もまた、夜になってから八王子に差し掛かったわけだが、今回はちゃんと車を駐車場に入れてひと歩きすることにした。というのも、手元には数日前に届いたばかりの新製品のα7RIIIがあったからだ。ほぼぶっつけ本番でポートレート撮影の仕事に使った(EOS 5D IVとの併用)帰りで、疲れてはいたけれど早速街頭スナップでも使いたいという気持ちが勝っていた。

レンズはゾナー55mm1.8とFE70-200F4G、サブカメラは2軍落ちした7IIと前回のブログでも使ったトキナーFiRIN20mmF2である。

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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA (APS-C crop)


フィルム時代やデジタルカメラ黎明期は、手持ちの夜間スナップではISO800まで上げるのがせいぜいだったが、今回は800と3200の間で撮っている。昔は撮影地も新宿・渋谷・銀座といった明るい不夜城的な街を選んで行ったものだが、八王子のような郊外都市でも十分手持ち撮影ができるのは嬉しい。ブログサイズはもちろん、A3程度までのプリントでも、ストリートスナップフォトでは十分な画質であろう。7IIと7RIIIの高感度性能の比較では、RIIIの方が1〜2段分画質が良いという印象だ。いずれより高感度性能が高い7SIIIも出るだろうが、自分の要求には高感度性能においてもRIIIは十二分である。

なにしろ、常用ISOの上限がせいぜい800だった時代からは、隔世の感がある。これ以上何を求めようか。写真をグラフィックアートの一つだと考えれば、少しは機械的なアラがあるくらいでないと、人間の感性が入り込む余地がなくなってしまう。

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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


スマホでも夜景が撮れる今となっては、「夜」であることそのものに、写真としての価値はないのかもしれない。それでも夜景そのものに突破口を見出すのなら、三脚に据えてしっかりと「夜」を写し込む必要があるだろう。シリアスな夜景写真には、まだそれ自体に価値があると僕は見る。翻って、こうした手持ちの夜景スナップは、単に昼間のスナップの延長だと位置づけた方が良さそうだ。だから、次に夜の街を歩く時は、三脚を持っていこうと思いながら、短い撮影を終えた。

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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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α7RIII FE 70-200mm F4 G OSS


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7RIII Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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α7II Tokina FiRIN 20mm F2


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by hoq2 | 2018-04-02 22:52 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot man】谷保ー新宿 2017 11/19 Tokina FiRIN 20mm


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


このブログは事実上、街頭スナップ作品の習作発表の場となっている。最近は他にやることが多く、更新のペースがだいぶ落ちている。4月になろうとしているのに、まだ去年の秋の作品を掲載している。でも、このままマイペースで淡々と、原則撮った順に載せていきたい。あくまで写真集にまとめるのがゴールであり、ここはいわば、スナップ行のよりプリミティブな未編集記録である。

さて、この2017年11月19日は、午後のインタビュー仕事帰りに国立から谷保駅まで歩き、新宿に出て夜間スナップを少々撮った。予約していたα7RIIIが間もなく届くかという時期で、デジタル・カラーの街頭スナップの主力にしていたα7IIを今後2軍としてどう使っていくかということを考えていた。そして、それを想定して買ったトキナーのEマウントレンズ、FiRIN20mmF2をスナップに持ち出した。

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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN20mm F2


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN20mm F2


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2 (APS-C Crop)


これまで持っていなかったα用の超広角にトキナーの20mmを選んだのには、以下のような理由がある。

まず、僕はキャノンEOS5D系とソニーα7系を同時に併用している。撮影仕事ではEOSとαの2台持ちである。超広角はずっとキャノンに任せており、最初に使っていたEF16-35/2.8Lの歪みがどうしても好きになれず、機能は落ちるが歪みが少ないトキナー16-28/2.8FXに買い替えた経緯がある。ただ、キャノンから11-24/4が出た時に11mmという画角の可能性に魅力を感じ、続いてシグマから12-24/4が出るのを待ってトキナーを売却してシグマに飛びついた(要はキャノンの11-24は高くて買えなかったのだ)。そういうわけで、僕の超広角は開放F値では2.8から4にスペックダウンしていた。とはいえ今更16mmクラスの2.8ズームに戻る気にもなれず、Eマウントネイティブの超広角を買うとなれば、(オールドレンズは別として)ソニーでもキャノンでも持っていない20mmクラスの単焦点、それもなるべく明るい玉が良いと思っていた。

この条件にぴったり当てはまったのがトキナーFiRIN20mmF2だったわけだ。最近発売されたレンズでありながらMF専用なのだが、20mmレンズはMFの方がかえって使いやすい面もあり、あまり気にしなかった。ただ、この日記を書くにあたってトキナーのHPを久しぶりに開いたら、このレンズのAFモデルが発表されていた。現時点で価格未定とのことで、価格差しだいではあるが、AFはないよりはあった方がいいので、今だったらAFモデルにしていたと思う。

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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


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Sony α7II FE 70-200 F4 G OSS


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


トキナー20mmは歪みがなく、極めてシャープなレンズで、品のいい発色や線の細い描写は自分好みだ。だから買って正解だったと思う。また、今はAFモデルに買い換えることは全く考えていない。というのも、このレンズを主に使う場はこのような街頭スナップを想定していて、僕は街頭スナップでは2台持ちをすることが多いのだが、α7RIIIと7IIがデジタルカラーの街頭スナップの主力となった今は、7IIにこの20mmを固定で使うことが多くなっている。この場合、ボディのデジタルズーム機能を使って20-30mmのズームレンズ的な使い方をするのだが、デジタルズーム使用時はMFの方が都合がいいのだ。デジタルズームを使うと、AFエリアの設定が無効になってかなりアバウトなAFになり、どっちみち事実上AFは使えないからだ。

APS-Cサイズにクロップするやりかたでズーミングする場合は、AFエリアの制約はないので、本当はこっちの方は良いのだが、残念ながらα7IIではAPS-Cサイズへの切り替えをカスタムキーに割り当てることができない。なので、今回は一回一回メニューを開いてAPS-Cに切り替えて20mmと30mmの画角を使い分けたが、速写性が求められる街頭スナップでメニューを辿るというのは非常にまどろっこしい。一方、デジタルズームならば7IIでもカスタムキーに割り当てられるので、今はC-2ボタンをデジタルズームにして、FiRIN20mm使用時に1.5倍程度まで多用している(α7RIIIではAPS-Cへの切り替えをC-2に割り当てられるので、逆にデジタルズームは使っていない)。

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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


フィルム時代は、1.4〜2.8クラスの中望遠までの単焦点でISO800・1/15〜1/60 ・F2〜F4で手持ちの夜間スナップを撮っていたものだが、今はISO1600、3200でも満足いく画質で撮れるし、手ぶれ補正もあるのでF4クラスの望遠ズームでも十分に夜間スナップができる。デジタルカメラの発達により表現の幅が広がったのは大変良いことだ。今の若い人は、「夜は写真が撮れない」というのが一般人の認識だったことを知らないのではないだろうか。ただ、白黒写真はフィルムには敵わない(ライカモノクロームは別かもしれないが・・・)ので、最近は久々にフィルムでも夜間スナップをしてみたいと思っている。

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Sony α7II FE 70-200 F4 G OSS


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Sony α7II FE 70-200 F4 G OSS


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Sony α7II FE 70-200 F4 G OSS


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2 (APS-C Crop)


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2 (APS-C Crop)


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


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Sony α7II Sonnar Tokina FiRIN 20mm F2


今回は、「デジタルズーム」とか「手ブレ補正」とか、銀塩爺が毛嫌いしそうな単語を書いてきたが、僕は頭の固い銀塩爺が、ものを知らなさすぎるデジタル坊やよりもずっと嫌いである。銀塩爺の方が、上から目線なだけにタチが悪い。彼らは今を否定することを文化的に程度が高い者がすることで、革新的だとすら思っているフシがある。しかし、実際には、新しいものを脊髄反射的に拒否しているだけの超が3つくらいつく保守的な人種だ。今と20世紀の昔では、保守と革新が逆転していることにも気づいていないのだろう。

第一に、銀塩に凝り固まっている爺はほぼ例外なく、「写真」に興味がないただの「カメラオタク」である。

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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA


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Sony α7II Sonnar FE 55mm F1.8 ZA



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by hoq2 | 2018-04-01 01:42 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(2)