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【見直しの高倍率ズーム 】Sony FE 24-240mm F3.5-6.3  雨模様の高幡不動


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (92mm F6.3)


僕は写真は結果が全てだと思っているので、撮影機材に関しては「所有する喜び」だとか、「撮る過程の精神性」みたいなものにはこだわらない。もちろん、「所有する喜び」や「撮る過程の精神性」はよく分かる。それを楽しみたいという心もあるし、シリアスな写真撮影を離れた所ではカメラオタクな部分もある。ただ、なんというか、例えばライカM3やニコンFのモノとしての素晴らしさ、道具としての優秀性は理解しつつも、それが「写真」という結果に結びつかない場合には、どんなに素晴らしいカメラやレンズであっても使用機材の選択肢には入らない。古臭い「銀塩 VS デジタル」という議論もどうでもいい。僕はどっちも撮るし、今はもっぱら白黒写真はフィルムで撮ってデジタル出力するハイブリッドな手法を取っているくらいだ。写真・カメラに限らず、何でも「〇〇は素晴らしい」「〇〇はダメだ」と一言でズバリと言えばキャッチーで分かりやすいのだろうが、真実は複雑で分かりにくいものなのだ。

ただ、唯一の例外が「高倍率ズーム」だった。「高倍率ズームはダメだ」と断言し続け、これまで一度も自分の金で買ったことがなかった。どこかから流れてきたり、家族が買ったものを試してはきたが、どれも満足できる画質ではなかったし、「あえて」を狙った味も感じられなかったからだ。

しかし、先日写真歴30年で初めてその禁を破った。この夏、僕はデジタル機材を長年続いたキャノン一眼レフとの併用からソニーフルサイズミラーレスに一本化したのだが、それに伴って小旅行やちょっとした外出用に高倍率ズームを追加した。その「FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS(SEL24240)」の重厚でソリッドな作りは、従来の高倍率ズームの「安かろう悪かろう」感とは明らかに違った。人の作例を見ても、これまでの高倍率ズーム特有の軽さや雑さが目立たないように感じたので、購入に踏み切った。

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今回は、この24-240で初めてまとまったショット数を撮影した。この日は東京の多摩地区で2、3時間空き時間があり、当初は郊外住宅地の街頭スナップを白黒フィルムと複数の単焦点レンズで撮ろうと予定していたのだが、雨模様となり急遽機材セットをデジタルの高倍率ズームに変更。京王線の高幡不動で途中下車して高幡不動そのものを軽く観光スナップすることにした。条件が悪い中で軽い観光スナップをするのに、高倍率ズームはうってつけだ。ただし、僕は欲張りなので、補助として小型軽量の明るい単焦点(FE55mm/1.8)を組み合わせた。ボディはα9。

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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (191mm F6.3)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (230mm F6.3)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (160mm F6.3)


例えば写真撮影がメインではない家族や友人との観光や散歩で、ガチャガチャとレンズ交換をするのは野暮だ。かといって画角に制約をかけたくない。そんな時に高倍率ズームはうってつけだ。今回の場合は、「雨時々曇り」というはっきりしない天気の中でレンズ交換をしたり、ボディを2台持ちをするのは嫌だった。高倍率ズームを選んだもう一点の理由は、高幡不動は全く初めてでどういう場所か想像がつかず、焦点距離を限定するのが難しかったからだ。

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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (24mm F5.6)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (28mm F5.6)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (187mm F6.3)


さて、本レンズで実写してのファースト・インプレッションは、一言「十分に使える画質」。これまでの高倍率ズームは、ピントが合っている部分の描写にも何とも言えないもやもやとした安っぽさがあったが、この24-240は、ピントが合った部分の描写には文句のつけようがない。そこだけ切り出して大口径ショートズームや単焦点の画像と並べても、僕ならどっちがどっちかにわかに当てられないと思う。

一方、ボケ味はやはり、単焦点やショートズームに比べればはっきりと落ちる。F値が暗く被写界深度が深いということを含めての話になるが、ボケ味はすっきりしない。ただ、うまく言葉で説明できないが、荒れているなりに頑張って真面目にまとめている感じがあって、決して単焦点のような透明感はないが、好感の持てるボケにはなっている。周辺光量不足と歪曲収差も比較的目立つが、そこは僕は味として歓迎してしまう方だし、どうしても気になる場合は補正する方法はいくらでもある。F値が暗いためにどうしても開放付近での撮影が多くなるが、それでも周辺部画質の印象は良好だと思う。

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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (191mm F6.3)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (240mm F6.3)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (178mm F6.3)


ボディ側の話になるが、もう一つ、今回初めて使ったのが、ISO AUTOだ。感度を自動化すれば撮影の幅が広がるだろうなあ、とは思いながらも、今だに「高感度=低画質」という古い感覚から抜け出せず、感度が上がりすぎるのを嫌ってオートは使って来なかった。でも、今回初めてデジタルで開放F値が変わる暗いズームを使ってみると、感度を細々と変えながら撮らないと扱いが難しいことに気づいた。さすがにそれをいちいちマニュアルでやるのは煩わしく、途中からオートにしてしまったというわけだ。暗い林の中でも撮ったが、自動的に設定された最高感度はISO6400。ボディの良さと手ぶれ補正の優秀さにも助けられ、こういう観光写真であれば十分な画質に収まったと思う。今後、明るい条件下であってもこのレンズを使う時はオートにした方が良いだろう。

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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (30mm F6.3)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (62mm F7.1)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (35mm F11)


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Sony α9 Sonnar FE 55mm F1.8 ZA( F1.8)


僕は中古を安く手に入れたが、FE 24-240mm F3.5-6.3 OSSは、実売10万円前後の高価なレンズだ。高倍率ズームは一般的には入門用レンズという位置づけで、新品価格は2〜5万円台、型落ちの中古なら数千円から手に入る。つまり、この24-240は「高級高倍率ズーム」という新しいジャンルのレンズだと言っていいだろう。よく写って当たり前、大きくて重くて高いのは仕方がないという結論は乱暴すぎるか。

いくら「高級」だといっても、高倍率ズームの宿命として、大きくボカしたい時にはどうにもならない。そこを補うために今回は55mm1.8をサブで持っていった。実際の使い方は、24-240で撮ったが物足りず、55mmで絞りを開けて撮り直すという流れだった。被写界深度やボケのコントロールは絞りだけでなく焦点距離でも行うもので、その点では高倍率ズームは調整幅が逆に広いのだが、単にボケの量の問題でもない時がある。例えば、なんでもない光景から「空気感」を切り取りたい時などには、単焦点の繊細な描写に頼りたくなる。僕はたくさんレンズを持ち歩くタイプなのだが、これまでは画角をカバーすることばかり考えていた。F値でバリエーションをつけるために複数のレンズを持ち歩くのもアリだということも、今回学んだことの一つだ。

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Sony α9 Sonnar FE 55mm F1.8 ZA( F2.5)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (169mm F8)


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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (240mm F6.3)


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Sony α9 Sonnar FE 55mm F1.8 ZA( F2.5)


いくらいいレンズだとは言っても、せっかくのレンズ交換式カメラに高倍率ズームを「つけっぱなし」はもったいない。シーンや被写体による使い分けがとても大事だ。だから、高倍率ズームは初心者用どころか扱いがとても難しい玄人向けのレンズだという持論は今も変わらない。FE 24-240mm F3.5-6.3 OSSは、ベテランユーザーが分かっていて使う、「一周回って良いレンズ」だと僕は思う。

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Sony α9 FE 24-240mm F3.5-6.3 OSS (115mm F6.3)



by hoq2 | 2018-09-04 01:52 | カメラ | Trackback | Comments(0)

Chinon Bellami / Lomo LC-A / Rollei A26 目測ピントの35mm単焦点コンパクトカメラの使い方を考える


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7月20から祐天寺・Paperpoolで開催される目測カメラによるスナップ写真展Rule the Distanceに参加する。一眼レフやレンジファインダーといったピント確認構造を持たない、目測でピントを合わせるカメラで撮った写真の合同展である。

僕が実用している該当するカメラは、チノン・ベラミ、ロモLC-A、ローライA26の3機種。ベラミはCinonex 35mm2.8、LC-AはMinitar 32mm2.8、A26はSonnar40mm3.5という、画角的には35mm近辺の同じようなスペックのレンズがついている。いずれもピント合わせは目測の手動で露出は全自動のプログラムAEのみ。レンズが格納式なのも共通している。サイズもほぼ同じだ。このうち、ローライA26は前回合同展の「35mmスクエア展」に参加したので、今回はベラミとLC-Aで参加する予定だ。

『35SQ group exhibition " 24x24, small square is; "』出品作品



立て続けに「カメラ縛り」の写真展に参加させてもらっているわけだが(実は目測カメラ展の前のニコンF縛りの展示にも参加する予定)、僕はカメラはあくまで「手段」であり、「こういう写真を撮るために、このカメラを使おう」と、「写真」という結果から逆算して機材を選ぶタイプである。もちろん、「このカメラが欲しい!」「このカメラで写真を撮りたい!」ということが先に立つ、写真芸術ならぬカメラ趣味を否定する気はさらさらない。僕自身、カメラオタク的な側面を同時に持ち合わせているし、だいいち人それぞれのアプローチや楽しみ方に口を出すほど偏狭ではないつもりだ。逆に自分のポリシーを否定される謂われもなく、色々なアプローチの人とお互いを認め合いながら写真芸術を楽しみたいと思っている。僕の立ち位置をあえて数字で表せば、「写真7:3カメラ」というところだろうか。

上記の前提をふまえ、今度の目測展に向けて、僕なりの目測カメラの使い方をあらためて考察したいと考えた。写真において「選び」は最も難しいステージだ。これは、それをクリアするためにも必要なプロセスなのだ。

もとい、「目測カメラ」ではなく「単焦点レンズ付きコンパクトカメラ」と言った方が自分的にはしっくりくる。「目測」であろうと「AF」だろうと、それはピントを合わせる「手段」の違いに過ぎず、どのやり方にせよ基本的なピント合わせの技術が身についていれば直接的には写真表現そのものには影響しない。だから、僕個人としては、実はその部分はあまり重要ではないのだ。もちろん、微妙なピント合わせができるかできないかといったカメラの機構に左右される部分は、被写体との向き合い方や被写体選びに影響してくるのは間違いない。その意味ではカメラが「目測ピント」であるということの意味も、ちゃんと意識すべきであろう。

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さて、僕がなぜこの手のカメラを使っているかというと、自分が求める最低限の画質をクリアしつつ、小さくて手軽、なおかつ本格的なカメラに比べて「いい意味で汚い」(要はロモグラフィ的な)独特の絵が作り出せるという期待からだ。インスタマチックカメラであるA26の場合はスクエアフォーマット(しかも135フィルム使用により上にだけパーフォレーションの穴が画面に重なる)という、一目瞭然の個性があるので、より分かりやすい狙いを持って使用している。

発売当時(ベラミ1981、LC-A1983、A26 1963)のターゲットは、いずれもファミリーユースであり、したがって、3機種ともライトユーザーが家族スナップや旅先の記念写真を気楽に撮るのにふさわしいカメラを追求して開発されている。僕がこれらのカメラを持ち出す第一のシチュエーションも、そのまんまファミリースナップ用としてである。ちなみに、カラーに関してはあらゆるフォーマットでデジタルに分があるというのが僕の持論なので、フィルムカメラでは99%白黒ネガしか撮らない。だから、ベラミやLC-Aで撮る家族写真は、白黒である。

もちろん、スマホやミラーレス一眼でカラーで普通に家族スナップも撮る。それでもあえて白黒フィルム「でも」記念写真を撮りたいのは、そこに単なる記念写真にちょとだけ+@した淡い芸術性を求めているからだ。その点で、僕の場合、どうもいわゆる「高級コンパクト」は合わない(きれいに確実に撮るんだったら、ライカや一眼レフで撮ったほうがよりいいではないか!)。その代表格であるGR1sは発売時から持っていたのだが、結局ピンと来なくて10年ほど前に手放している。その後にいつのまにか集まってきたのが、よく言えば味のある、悪く言えば甘い、「高級ではないけれど真面目なコンパクト」であるこの3機種だったのだ。

【家族写真の作例】

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

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Rollei A26

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

家族スナップ用途で、A26のパーフォレーションと正方形のフォーマットが「思い出」「時間の流れ」といったイメージを想起させ、効果的なのは、一目瞭然だ。



なので、これを「家族の10年」をテーマにしたフォトエッセイの仕事にも活用している。ただし、仕事では失敗が許されないので、露出とピントの制御ができる同じローライのSL26という一眼レフタイプのインスタマチックカメラを使っている。



さて、手のひらサイズのカメラをポケットから出して、パッとだいたいの距離にピントを合わせ、露出を気にせずにシャッターを押す。このスタイルは「ハイ、チーズ」な記念写真よりも、何気ない日常のワンシーンをスナップ的に切り取るのに向いていると思う。「ハイ、チーズ」も結構撮っているのだが、今回あらためて見てみると、あまり良い写真がない。

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Rollei A26

それと、普通の135フィルムを使うベラミとLC-Aを比べると、やはり日本製だけあってベラミの方が優等生タイプである。特にパンフォーカス気味の絵は、白黒で撮っている限りは、言わなければ普及型コンパクトだと分からないほどのソツのない描写である。一眼やレンジファインダーカメラのちゃんとしたレンズで撮った写真に比べて特に差が出るのはボケ味であろうが、これはさすがのゾナー(A26)のようにはいかず、チープ感が出る。

一方のLC-Aも被写界深度が浅くなる条件で撮ると、ボケの破綻がすごい。でも、これはベラミのチープ感を飛び越えて、なんだがすごい色気をかもしだす、素敵な破綻具合である。このあたりが、90年代末ごろから急にカルト的ファッション感覚でもてはやされるようになった所以であろう。

よって、この分野ではパンフォーカス気味に周りの状況もしっかり入れつつ撮るならベラミ、主題の人物などに集中してフォーカスして被写界深度浅めに撮るならLC-Aに軍配が上がると僕は思う。言い換えれば、「誰か」を撮るならLC-Aで、「状況」を撮るならベラミという使い分けが理想かもしれない。もちろん、そこに縛られてはつまらないので、頭の隅でそう思っていれば、より良い写真を撮るチャンスが増える、といった程度の認識に止めておくべきであろう。なにしろ、下の写真(我が家の畑になった小松菜の単なる記念写真である)のように、LC-Aのパンフォーカスでも、条件が揃えば息を飲むような情感のある描写となることもあるので油断ならない。この場合はピントを中距離=3mくらいに置き、F11くらいの露出になるイメージで撮っているが、「目測ピント」という部分に着目すれば、たとえパンフォーカスになる条件でも、こういう不完全なカメラ(レンズ)の場合はピントを置く位置が最終的な写真の印象を左右する場合があるのではないだろうか。

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Lomo LC-A

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Rollei A26

次に僕が実践しているのは、街頭スナップのアクセントとして、一眼やライカで撮った一連の写真の中に混ぜるという使い方だ。

特にA26の写真は違いが一目瞭然なので、本ブログの投稿にもしばしば「混ぜ撮り」作品を発表している。



問題は、フォーマットの違いがなく、写りの雰囲気だけでLC-Aとベラミで撮った写真をアクセントとして差別化できるかどうか。それを今まさに検証中で、街頭スナップのテスト撮影をしている。

【街頭スナップの作例】

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

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Chinon Bellami

ここまでベラミ。うーん、どうなんでしょう。とても味があるのだが、半面ソツなく撮れてもいるので、ライカや一眼で撮った写真に混ぜてもアクセントにはなりにくいかもしれない。もっと心象風景的なものにレンズを向ける必要がありそうだ。一方で、分かりやすさに妥協しすぎて作品の質を落とすのも問題だ。自己満足を積み重ねていくことも時には大事である。なにはともあれ、まずは、次回の「茅野でチノン」で、デジタルカラーとの混ぜ撮りでもしてみるか。



最後に、LC-Aでの街頭スナップの作例

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

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Lomo LC-A

こちらは一目瞭然。ある程度目の肥えた観客には確実に違いが伝わると思われる。実際、この時は一眼レフも併用しているので、そちらのフィルムの現像・スキャンが済んだら組み合わせてみたい。いずれも強く出ている周辺光量落ち、周辺部の画像の流れ、歪曲収差が、汚らしくない形で絵に溶け込めば、撮り手の心象や町角の生気を表現するアクセントになりそうだ。ただし、印象が強いだけに、LC-Aで撮った作品だけで一つのテーマを構成するのは照れる。カメラ(レンズ)の個性ばかりに頼った薄っぺらい表現はしたくない。「LOMOはほどほどに」が座右の銘になりそうだ。

最後に「目測ピント」という作品展のテーマに沿って。1mと1.5mと3mの距離感くらいは、それなりに長く写真を撮っている人ならば肌感覚になっていると思う。だからそうそう外すものではないと思う。僕は保険も兼ねてISO400のフィルムを使っている(200に減感も)が、フィルム1本につきピンぼけは1〜2枚程度だ。それもほとんどがピントの合わせ忘れ(ピント位置を確認せずにあわてて先にシャッターを押してしまったというケース)で、特に屋外スナップの場合は、「ちゃんと合わせたつもりなのに外した」というミスは非常に起きにくいと思う。あえて言えば、動きのある被写体には向かないのは確かなので、その点でもこういうカメラは心象風景向きだと思う。

by hoq2 | 2017-06-19 00:43 | カメラ | Trackback | Comments(0)

デジタル化の波に流されてきたもの ライカM6とSummilux 35mm F1.4 (2nd)

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写真のデジタル化の波は、当初考えていたよりもずっと大きなうねりだったと思う。銀塩写真がすっかり過去のものとなった今、振り返るとデジタル化の波に乗れなかった(乗らなかった)仲間がゴマンといる。自分は、1990年代末期の過渡期を真っ先にデジタル化を進めた新聞社の写真部で過ごしたので、ほとんど抵抗なくデジタル写真を受け入れることができた。でも、僕は高校1年生だった1985年ごろに本格的に写真を始めたのだが、同世代の仲間の多くは30歳前後でデジタル化の洗礼を受けている。つまり、デジタル化という写真の一大変革期が訪れた時に社会人として最も忙しい時期に入っていた。学生時代に写真にのめり込み、その後もまだフィルムが主流だった頃は写真趣味を細々とでも続けていた人たちもかなりいたのだが、デジタル化を境に写真そのものから疎遠になったというケースが非常に多いのだ。最近はフィルム未経験者がかえって新鮮に感じてフィルム写真を始めるという一周回ったような状況で、僕のような出戻り組の受け入れ先もあるのだが、出戻るタイミングすらも逸してしまった完全に波に取り残されたロスト・ジェネレーションは確実に存在する。

もっと上の世代の場合は、銀塩写真のノウハウが完全に確立してからの(彼らにとっては)突然のデジタル化だっただけに、どうしてもデジタル写真に対してシンパシーを持てなかったり、今もって頭の切り替えが追いつかないというケースが結構あるようだ。特に写真を仕事にしている人の場合は、デジタルネイティブの若い編集者らと写真そのものに対する向き合い方という根本の部分から話が噛み合わなかったりして、かなり苦労しているという話も聞く。

上の写真のM6とズミルックスは、先日大先輩の写真家からお借りしたものだ。その人も、写真家としてすごい実績がありながらデジタル写真の普及と歩調を合わせるように徐々に写真に対する情熱を失っていき、現在は絵と語りに表現の軸足を移している。このM6は、氏の愛機としてこれまで数々の名作を生み出していて、長年の付き合いがある僕にも馴染み深いカメラだったのだが、先日久しぶりにアトリエにお邪魔した際には無造作に本棚の片隅に置かれ、厚い埃をかぶっていた。僕が埃を払っていじっていると、ご本人も愛着あるカメラがこのまま埃に埋もれていくのは忍びないと思ったのではなかろうか。「好きそうだね。貸してあげるよ」と言ってくれた。それが、この年季の入ったブラックのM6とライカのオールドレンズの中でも特に高値で取引されるズミルックス35mmが今、僕の手元にあるいきさつである。

なにはともあれ、この機会がなければ一生手にすることはなかったであろうこの銘レンズで撮ってみよう。まずはすぐに結果が見たいのでデジタルで。ボディはα7II。フォクトレンダーのVME-Closefocus アダプターで最短撮影距離が1mという本レンズ最大の弱点をカバーしながら、室内や街頭で撮ってみた。

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↑ヘリコイドアダプターの力を借りて0.7mくらいまで寄って開放付近で撮影。後処理で周辺光量落ちを補正し、少しシャープネスも足している。そうした“近代化“を施しても尚残るドリーミーな描写は、かえって味として歓迎できる品のいい収差だと思う(実際、巷ではこれを良しとするか欠点とするかで本レンズの評価ははっきりと分かれるようだ)。1961年の発売以来、1995年の生産中止まで基本設計は変わっていない。この個体は1988年製だが、クラシックレンズとまではいかなくても、オールドレンズのカテゴリに入るのは間違いない。

300年以上前に作られ、数億円の価値があるバイオリンの圧倒的な最高峰と言われるストラディバリウスと、現代の高級バイオリンの音色をブラインドテストで専門家を含む聴衆に聞かせたところ、現代のバイオリンの方が音色がいいと答えた人が多かったというニュースがあった。クラシックレンズ・オールドレンズの世界も同じようなものだ。目の肥えた写真愛好家らにこのズミルックスと現行の同様のスペックのレンズで撮った写真を見せて「どちらが画質がいいか」と聞けば、現行に軍配を上げる人の方が多いと思う。科学的な数値で比較しても、ズミルックス2ndに勝ち目はないであろう。それでも、新品のコシナ製のウルトロンやノクトンよりも中古のズミルックスの方がずっと価格が高い。「ライカ」のブランド力だけではない。数値的な追求ではどうにもならない、下町の中華屋のオヤジが何十年も積み上げてきたラーメンスープのような、時間をかけて自ずと出来上がってきた文字通りの「味」に価値があるからだ。クラシック音楽の世界ほどではないにしても、写真芸術もまた、デジタルな判断だけでは「良し悪し」を決められない。ライカレンズやストラディバリウスの価値には、商業的な仕掛けによる部分も大きいのだが、それを差し引いても、僕は前述のような非科学的な価値観は大切だと思う。

次に、野外の街頭スナップで、F5.6〜11のスイートスポットで撮影してみる。

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多くの場合、ある程度絞るとまともなレンズならば文句のつけようのない描写になるが、このズミルックスは、なんとも言えない立体感に満ちている。ガラスを通した感があるオールドレンズの味を残しつつも、それと矛盾するようなモダンで実に明瞭な描写が共存している。非凡であり、素直に凄みを感じる。後処理の調整ではまかなえない、芯の部分で絶妙に上品なカラーバランスも、国産レンズに対するアドバンテージだと思う。

そして、夕暮れ時に向かって開放からF4でスナップ。

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目をこらしてデジタルな目で見ると甘い部分もあるが、これは「撮り手の腕とセンスが高ければ」という条件つきで「このレンズと心中してもいい」という類いの道具かもしれない。逆に、僕のようにマウントアダプターでソニーのデジタルミラーレスカメラにつけるというなんちゃってな使い方であれば、それを想定して今の時代に作られたウルトロンASPHあたりにしておいた方が良いと思う。つまり、デジタルで使うのならば、やはりライカのボディでないと説得力が出せないのではなかろうか。それくらい、特別感のあるレンズだと感じた。

というわけで、本来的な使い方はやはりモノクロフィルムであろうと、1本撮ってみた。

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ちなみに、ズミルックス35mmはフィルターネジがなく、フィルターは二分割できる専用の12504フードに組み込む方式である。借りた時にはそのフードの先端部がボコボコに変形していて、ネジ山が固着して分割できない状態であった(2枚めのα7IIに装着した写真)。それを解消するために、先端部を気兼ねなくぶつけられる社外品に交換させてもらった(1枚めの写真)。同時に、このフードに組み込めるシリーズVIIのND8フィルターをケンコーに特注した。フィルムのM型ライカは最高速が1/1000で、晴天屋外で開放付近を使うにはNDフィルターが必須。だから、僕はいつもライカでフィルム撮影する際にはNDフィルターを持ち歩く(ただし、今回は曇っていたので使っていない)。

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いやあ、やはりフィルムで撮ってこそである。一言で言えば、ものすごくシャープなのにしっとり感がある。僕は実は長年ライカ嫌いのツァイス派だったのだが、これにはさすがに舌を巻いた。若い頃はこのしっとり感が鼻についたのだが、ツァイス的な頂点ギリギリを目指す危うさがかっこいいと思う年齢を過ぎると、このズミルックスの描写のすごさが分かるようになる。僕は、このブログのタイトルにしているように、字面のごとく真実をそのまま写し取ったもの=「写真」なのではなく、写真とは、現実とは似て非なる「写像」だと思っている。目の前の現実は写像となった瞬間に異世界に変質する。あまりあからさまに変質させた異世界も品がないし、あまりに「写真」的であるのもまたつまらない。このレンズはその点、絶妙な写像を映し出し、心地よい「異世界」を見せてくれる。

もちろん、使う人間あっての道具であり、道具が良いだけではどうにもならない。ゆえに、こういう道具を使える撮り手でありたいと思わせるレンズである。そして、長年このレンズを使ってきた持ち主の力を再認識した。

  

by hoq2 | 2017-05-10 00:41 | カメラ | Trackback | Comments(4)

【ましかく写真】Rolleiflex SL26 ― レンズ交換式インスタマチックカメラを再生


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スクエア・フォーマットに凝っている。135フィルムによる「ましかく写真」を、一般的な35mm判の作品に混ぜ込んでいくということを最近始めた。いったん銀塩写真をやめた際にハッセル一式を売ってしまい、本格的にブローニーを再開するのは色々と大変なので、35mm判のモノクロフィルム作品やデジタルのカラー作品の中に、小さな正方形の写真を混ぜていくことにしたのだ。

それはつまり、どういうことかというと、かつて存在した126フィルムを使う「インスタマチック」という規格のカメラを復活させるということであった。その第一弾として、防湿庫に眠っていた『ローライA26』というコンパクトカメラを現行の135フィルムを126カートリッジへ詰め替えることによって、今の世でも継続的に撮れるように試行錯誤した。それが、前回のこの「カメラ」カテゴリーにエントリーした記事である。

そして、今回は、より本格的なレンズ交換式のインスタマチックカメラ、『ローライフレックスSL26』の復活顛末記である。126フィルムや詰替え利用の基本的なことについては、前回のA26の記事に詳しく書いてあるので、興味がある方はまずは下記のリンクからそちらの記事に目を通していただきたい。

【126フィルム インスタマチックでスクエアフォーマット】 ローライ A26復活への道

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さて、このローライフレックスSL26は、同じローライのA26よりも、さらに高級路線の126カメラである。カートリッジ式の簡単セットの126フィルムを使うカメラは、1960-70年代におもに女性やファミリー層などのライトユーザー向けに作られた。今で言うコンデジの路線である。最も力を入れていたコダックはトイカメラに近いモデルが多かったが、ローライの2機種、特にSL26はツァイス・イコンのContaflex126と並んでクラス最高級機種と言っていいだろう。ほとんどの126カメラが目測ピントのコンパクトカメラだったのに対し、SL25はレンズシャッター式一眼レフで、28mm、40mm、80mmとレンズ交換ができる。レンズの後群はボディに固定、前群のみ交換する方式で、贅沢なことにいずれもツァイス製のテッサー(Tessar 40mm/2.8 と「前群」を意味するPro-Tessar 28mm/3.2 & 80mm/4)である。だから、小さな手のひらサイズのカメラとはいえ、写りは折り紙つきだ。

追針式露出計内蔵のマニュアル露出で、最速シャッタースピードは1/500。A26に加えてSL26も使いたくなった理由は、レンズ交換式であることと、マニュアル露出であることにより、より正確な露出制御ができるためだ(A26はプログラムAEのみで露出補正もきかない)。コンパクトなA26は、サブカメラとして使ったり、プライベートな記念写真撮りにはとてもいのだが、「ましかく写真」を中心に撮りたいと思った時に、メイン機に求めるものとして、この2つの要素は絶対であった。

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それにも増して、インスタマチックカメラのことを調べているうちに初めて知ったこのカメラの流麗なデザインに、一目惚れしてしまった。こんな美しいカメラは見たことがない。デンマークから取り寄せたこの交換レンズ3本セットの個体は、機能万全、外観もほぼ無傷の良品であった。早速空シャッターを切ると、小さなボディから「バコン!」とハッセルばりの全力のシャッター音。実に心地よい。

そして、テスト用の135フィルムを空の126カートリッジに詰めてテストしてみると・・・シャッターが降りない。巻き上げはできるが、シャッターボタンが物理的に押せないのだ。どうやら、ボディ側のフィルム送り用のポッチがパーフォレーションにしっかりはまらないと、シャッターチャージができない仕組みになっているようだ。説明書には、コマダブリや多重露出のトラブルが起きない機構になっていると書いてあるのだが、その親切機能が、詰め替え利用ではアダになってしまった。実は事前に海外サイトをチェックして、「フィルムは送れるがシャッターがチャージできない」という問題の概要は掴んでいた。SL26を詰め替えで再生している例はネット上にはほとんどない。

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巻き上げレバーを巻き上げると、上の写真の赤丸で囲ってある突起物がパーフォレーションに引っかかり、フィルムを送るわけだが、これがしっかりパーフォレーションにはまらないと次のシャッターがチャージされない仕組みなのだ。下の写真のカラーネガが本来の126フィルムなのだが、このように等間隔で1コマにつき1つ大きめの穴が空いていると、前記の機構が働くのだが、135フィルム(下の写真のモノクロフィルム)だと穴の間隔も大きさも違うので、適当に引っかかってフィルム送りはできるものの、シャッターチャージまではされないということのようだ。

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ならば、理屈としては、135フィルムのパーフォレーションを6コマごとに間を切り欠いて穴を広げればうまくいきそうだ。しかし、それを暗室で手探りでやるには、精巧な治具を自作しなければなるまい。そして、その僕にはその技術はない。ならば、全てのパーフォレーションの間にカッターで切り込みを入れれば良いのでは?それならフリーハンドの手探りでもできそうだ。早速実験すると、シャッターは切れた!だが、これは結局、上側のパーフォレーションの部分をほぼ切り離すということであり、ラボの機械現像ならば問題ないかもしれないが、僕の場合はモノクロフィルムの小型タンク現像(自家現像)が主である。パーフォレーションの片側が切れたり切れかかっているようなフィルムでは、タンクリールに巻くことができない。

その解決策として考えたのが、「パーフォレーションの間に、1コマ置きにカッターで切れ込みを入れる」という方法。「パーフォレーション部分がフィルムから分離しない範囲で、突起がハマる確率を最大限に上げる」という理屈だ。まずは、ジャンクフィルムを使って目で見ながらやってみると、うまく行った。ちゃんと巻き上げてシャッターも切れるし、リールにも巻ける。じゃあ、これを手探りでダークバッグ(チェンジバッグ)の中でできるかというと、練習すればできそうな感じ。パーフォレーションにカッターの刃を沿わしていくとカタカタという手応えがあるので、一コマおきに力を入れて切り欠いていけばいいのだ。適当な定規を作って何度か練習してから、本番フィルムを1本作ってみた(135フィルムの126カートリッジへの詰め替え方は【126フィルム インスタマチックでスクエアフォーマット】 ローライ A26復活への道 を参照)。

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↑ダークバッグの中で自作の定規状のものにフィルムを挟んで手の感触でパーフォレーションの間にカッターで切り込みを入れていく。こういうかなり適当な治具でもどうにかなるので、器用な方は是非、126フィルムと同じ間隔で大きい穴を作る治具を作ってみてはいかがだろうか?成功したら、ぜひ、ご報告願います。

で、「1コマおきの切れ込み」によって、初めてSL26で撮れた写真がこんな感じ。135フィルムを詰め替えると、パーフォレーションが上下にあるために、上のパーフォレーションは絵に重なる。これも良くて、僕はインスタマチックにこだわるのだ。↓

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford HP5 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 80mm F4 Ilford HP5 Plus(135→126)

下がこの最初のネガ。コマ飛び、コマダブリが激しいのは切れ込みが甘いのと、巻き上げの力加減などカメラの操作に慣れていなかったせいだ。これもLomography的な味と見れば、これでOKだし、もし確実にコマダブリを避けたければ、僕がA26でそうしているように、1コマ飛ばし(1枚撮るごとにレンズキャップをつけて空シャッターを切って、フィルムを送り、次のコマを撮る)をすればいい。下の2枚目の写真のネガが、1コマ飛ばしで撮ったものだ。それ用のレンズキャップセットも作った。3本のレンズがいずれも口径が違うのがちょっと不便ではある。

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僕のこのラフなやり方は、「カッターで傷をつけてしまってもPhotoshopできれいにするからいいや」という、フィルム現像の後がデジタル暗室であり、なおかつある程度後処理の技術を持っていることを前提としている。また、126フィルムは後期のものは24枚撮りが多いが、詰め替えの場合はかなりキツキツ巻かないとカートリッジに収まらない。僕は巻き上げトラブル防止と、切れ込みを入れる作業を楽にするために12枚撮りオンリーにしている。だから、1コマ飛ばしにすると6枚撮りになってしまう。広い暗室と精巧な治具があればきれいに24枚撮りのネガを作ることも理屈としては可能だが、カートリッジも10個ほど確保したし、僕は今のやり方でしばらく続けていくつもりだ。1枚ずつ大事に、「バコン!」と撮っていくのは、とても楽しい。

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

僕が、今スクエア・フォーマット、しかも6x6ではなくて126にこだわるもう一つの理由は、Instagramである。まだ始めて間もないのだが、とても現代的なSNSで、写真を1枚パッと世界中の人に見せたい時には重宝する。外部アプリを併用すれば横位置も縦位置も投稿できるのだが、デフォルトはスクエアである。これは、前世紀の「お手軽写真」であるポラロイドとインスタマチックへのオマージュだとのこと。Instagramは、スマートフォンでの閲覧が前提なので、フィルムに当てはめれば小型サイズのスクエアになるという感覚は、なるほど、と思う。126の正当な後継者がInstagramだということを知ったのは、A26とSL26を再生した後のことではあるのだが、Instagram方面から引力が働いたのは間違いない。

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 80mm F4 Ilford HP5 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 80mm F4 Ilford HP5 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

まさにミニ・ハッセルという形容がぴったりのSL26だが、小型軽量な点を生かして、田舎の村や地方都市を散歩しながら「人のいない風景」をゆっくりスナップするのに、うってつけのカメラだ。A26とうまく使い分けて、こちらも自分の個性を主張する道具として熟成させていきたい。

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 80mm F4 Ilford HP5 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 28mm F3.2 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Tessar 40mm F2.8 Ilford FP4 Plus(135→126)

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Rolleiflex SL26 Pro-Tessar 80mm F4 Ilford HP5 Plus(135→126)

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by hoq2 | 2016-08-11 15:08 | カメラ | Trackback | Comments(9)

【126フィルム インスタマチックでスクエアフォーマット】 ローライ A26復活への道


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Rollei A26 Sonnar 40mm f3.5 Ilford FP4(Reloaded 126 cartridge)

インスタマチックカメラをご存知だろうか?あるいは、126フィルムを知っている人は今、どれくらいいるだろうか?40代半ばの私も、自分の手で扱うのは後追いで興味を持ったごく最近である。APSフィルムならば、記憶に新しい人も多いだろう。APSは1990年代に登場し、デジタル化の波に飲まれた「カセットポン」の簡単フィルムだが、これに先立つ1960-70年代に一時代を築いたカセットフィルムの一つが、126フィルムだ。フィルム自体は35mm判だが、26x26mmの正方形フォーマットである。コダックが簡便さを売りに「インスタマチック」として1963年に発表し、アメリカではファミリー向けのカメラとして結構普及したようだ。だが、汎用性の高い従来からの135フィルムと併存することはできず、1970年代以降急速に姿を消した。

今、僕はこのフォーマットにハマっている。スクエアを撮りたいのなら、「いろはす」な女子カメで流行っているマミヤスケッチなんかどう?いや、正統派は6x6だろう。スマホで十分じゃね?そもそも、トリミングすりゃあいいじゃん・・・そんな声をはねのけてまで、僕が「126」にこだわるきかっけは、かつてベルリンに通って写真を撮っていた時に、何の気なしに、見た目のデザインだけでこの「Rollei A26」というカメラを土産に買ったことだった。それがちょうど126フィルムが完全に生産中止となった2007年のことで、当時はギリギリ最後まで作っていたイタリア・フェラーニア社製の「Solaris」ブランドの126フィルムが手に入った。でも、その当時買った、たった1本のカラーネガフィルムは、今日まで防湿庫に眠っている。

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このA26は、今風に言えば高級コンパクトカメラと言えるだろう。今もファンが多いローライ35に対し、よりライトユーザーを狙った製品だが、コダック製の普及機が固定ピント・固定絞りのプラスチックレンズだったのに対し、A26は目測ピントながらクリアで見やすいファインダーに、しっかりとゾナーレンズを搭載している。露出制御は1/250〜1/30・F3.5〜F22のプログラムAEのみ。ピントは目測手動、露出は全自動と、まさにアナログ時代の「かんたんカメラ」なのだが、実用の際にはこのマニュアル制御できない露出制御で結構苦労した。その話は後で書くとして、このカメラのメカとしての一番面白い部分は、ボディを左右に引っ張ることにより、巻き上げとレンズの沈胴の動作を同時に行う点である。この「横に引っ張る」という巻き上げは、70年代に日本でも普及した横長のポケットカメラ(110フィルム機)に踏襲されている。



上の写真2枚と動画でA26の沈胴・巻き上げ機構は理解してもらえたと思う。さて、問題はフィルムである。プラスチック製の126カートリッジの中には、ブローニーフィルムのように裏紙が巻かれた35mm判のフィルムが入っている。単純に考えれば、カートリッジを分解して暗室で135フィルムを詰め替えれば良さそうなものである。ただし、126フィルムと135フィルムはパーフォレーションが違うのだ。126フィルムは、下にしかパーフォレーションがなく、1コマあたりの大きさが135よりも一回り大きいものが1カットに1つずつついている。これによって、等間隔のコマ間でフィルムを巻き上げていくわけだが、135フィルムを詰めるとパーフォレーションが違うのでうまく巻き上げられなかったり、コマダブリを起こしたりする。しかも、カメラによって巻き上げとシャッターチャージの機構が違うので、対処法は一概には言えないのだ。しかし、海外サイトにいくつか先人の成功例が出ていたので、まずは期限切れの126フィルムを入手して、カートリッジを入手することにした。

これが、ちょうどヤフオクに出ていて入手した1970年に期限切れとなったVerichrome Pan(ISO125・モノクロ・12枚撮り)。Ebayにはちょこちょこ出ているが、国内ではかなり貴重。

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これをA26に詰めて、まずは撮影。犬を連れて高原の別荘地にある我が家の裏の車山湿原へ。A26は小さくてレンズが引っ込むので、山に持って行って記念写真を撮るのにちょうどいい。A26フィルムは12枚撮りと24枚撮りが一般的だが、こういう時は1回のイベントで撮りきれる12枚撮りがベターだ。46年前に期限切れになっているので、感度は確実に落ちているだろう。全自動露出なため撮影時の調整はできないので、現像時の増感(D76 1:1で指定の20℃・9分+1分30秒)で対処する。

その結果上がったネガがこちら。全体に眠い印象なのはうっすらと平均的に被っているからか。しかし、半世紀近く前のフィルムでここまで撮れているということに、むしろ驚いた。

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そして、それをフィルムスキャナーでスキャンしたのがこちら。僕は、上級機のミノルタ・Dimage Scan Elite 5400と、中級機ながらブローニーや4x5もスキャンできるエプソンF3200を使っているが、135専用のDimage Scan Elite 5400では上に寄ったスクエアフォーマットの126判をノートリで取り込むことができない。そこで、F3200の片側ガラスタイプのブローニー用ホルダーにネガをテープで貼るやり方で取り込んだ。

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さて、ご覧のように1コマダブってしまったのだが、撮影時の状況としては、一連の巻き上げ動作をしたにも関わらずシャッターが下りず、何回かガチャガチャやってたら暴発的に一枚取れてしまったような状況であった。一言で言えば、ジャムってしまったわけだ。あとで見てみると、下の写真の巻き上げ動作に関係するボディ側のプラスチック製の歯車の歯が一つ欠けていた。今となっては最初から欠けていたのか、ジャムった時に壊してしまったのかは分からないが、2500円でジャンクが出ていたので部品取りして交換修理した(写真はは交換後の状態)。

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そして、いよいよ現代の135フィルムへの詰めかえに挑戦である。現像時にカートリッジの分解には成功。両手で持って何度かひねるようにすると半分に割れる。コダック製のカートリッジは丈夫にできていてほぼ必ずヒビが入ってしまうが、プラモデル用の接着剤や瞬間接着剤で補修すればOKだ。中のフィルムを生かさないのであれば、明るい所でカッターナイフなどを使ってじっくりと分解すれば失敗はないだろう。

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カートリッジの分解から詰め替えは、この動画を参考に、ほぼその通りにやらせてもらった。このやり方では裏紙を使うが、裏紙なしでフィルムをじかに詰めている人もいる。裏紙ありのメリットは「撮影枚数・フィルムの終わりが分かる」「フィルムのみよりは平面性が確保できる」「感光のリスク低減」など。裏紙なしのメリットは、詰替え作業の簡便さとフィルムを有効に使えるコスパの良さだろう。裏紙は繰り返し使っていると破けたりするが、テープで補修しながら使えば結構長持ちするというのが、これまでの実感。最悪、ブローニー用の裏紙をカットして再生できるはずだ。だから、僕は「裏紙あり」でやっている。



暗室(僕の場合はダークバッグ内)での手探りでの作業になるので、慣れるまでは結構難しいかもしれない。僕はジャンクフィルムを使って明るい所で練習を繰り返した。僕の場合は巻き上げトラブルなどのリスクを極力減らすために12枚撮りオンリーだが、器用な人、あるいは裏紙なしなら20枚撮り・24枚撮りも行けるだろう。カートリッジのサイズ的に36枚撮りは難しいと思う。

詰替えがうまくいけば、いよいよ撮影だ。ここでまた一工夫必要になる。

そうそう、その前に大事なことがひとつ。先述のように、本来の126フィルムは上にはパーフォレーションがない。ネガの写真を見てもらえば分かるが、スクエア画面はフィルムの上に寄った形となる。つまり、135フィルムの詰め替えだと、上のパーフォレーションが絵にかかってしまう。僕は、逆にこれが良いと思って、ブローニーでもトリミングでもスマホでもなく、「詰め替え126フィルム」にこだわっているというわけだ。逆に言えば、パーフォレーションがかかるのが受け入れられない人は、インスタマチックカメラで撮るのはやめたほうがいいだろう。

さて、話を戻して撮影時の一工夫とは、「一コマ飛ばしで撮る」ということだ。135フィルムのパーフィレーションは126フィルムよりも間隔が狭いので、普通に撮ったらたいていコマがダブってしまう。A26の場合は1コマ飛ばすことで、それを避けることができる(何コマ飛ばせばいいかはカメラによるようだ)。具体的には「1枚撮ったら巻き上げ、さらにレンズにキャップかカバーを被せて空シャッターを切ってもう1回巻き上げる」ということを繰り返す。A26の場合は、これで12枚撮りが10枚撮りになるが、コマ間が広めになることで、スキャン時にテープでキャリアに貼り付ける(このやり方でないと上のパーフォレーションを活かしたノートリでの取り込みができない)のが容易になるというメリットもある。

沈胴式のA26のゾナーレンズにはキャップがついていないが、ペットボトルのキャップがちょうど良いサイズだ。光を遮るには黒でなければならないが、そうなるとコーラゼロのキャップ一択となる。

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そうやって撮るとこんな感じのコマ間のネガになる。

それと、もう一つ問題が発生した。インスタマチックの場合、カメラ側にはISO感度の設定がなく、フィルム側のケースにつけられた「切り欠き」によって感度の情報がアナログ的にボディに伝えられる。これも機種によってISO感度の設定自体がなかったり、「Hi」と「Low」のざっくりした切り替えしかなかったりする。A26の場合は「ISO64-400」に対応と謳っているが、どうやら「Hi」「Low」の2段切り替えらしい。

で、それを理解したうえで、ISO100相当のベリクーローム・パンのカートリッジにISO125のフィルム(イルフォードFP4プラス)を入れて普通に撮ったわけだが、僕が求めるネガ濃度を基準にすると+3くらい露出オーバー(濃い=写真が明るすぎる)ネガになってしまった。cds露出計の劣化や高速シャッターの精度が出ていないなどのカメラの経年劣化も考えられるが、僕は次のように3つの要素が3段オーバーに結びついていると考えた。ちなみに、上のネガは、試行錯誤の過程の1〜2段オーバーのものだ。

1. 「Hi」と「Low」の2段式だとすれば、「Hi」がISO200相当、「Low」がISO64相当。つまり、ベリクロームのISO100のカートリッジを入れるとISO64基準の露出になる。そこにISO125のフィルムを入れたので、+1

2. プログラムAEの味付けがオーバー目。人物の記念写真がメイン用途のこの手のカメラは、空バックや逆光で人の顔がつぶれないよう、オーバー目に振った味付けになっていると思われる。また、ネガカラーの使用がメインに考えられていたはず。ネガカラーのラチチュードは+3・-1なので、それも+側に振る理由になる(写ルンですもこういう設定)。これで+1

3. 僕が自家現像で目指すモノクロネガの濃度は、ラボの機械焼きよりも1段ほど薄い。これを考慮して+1

ということで、3段オーバーになってしまったと思われる。1段オーバーなら許容範囲なのだが、3段はモノクロネガ(カラーネガよりラチチュードが狭い)メインの僕には困るわけで、2段もしくは3段分を吸収する方法を考えなければならない。マニュアル露出のカメラなら何も困らないのだが、この点、フルオートというのは困ったものである。

というわけで、最終的には次のような形で解決した。

1. ISO200のカートリッジを新たに入手(部品取りのジャンクボディに運良く入っていた)。これにISO100(125)のフィルムを入れる。−1

2. A26のような古い電気式カメラは、本来は環境汚染対策で生産中止となっている130Vの水銀電池を使用する。現代の135Vのアルカリ電池等でも作動するが、その場合は露出計の反応が強くなりすぎる(暗く写る)。そのため、クラシックカメラには電圧降下アダプターを使うのが王道だが、これを逆手に取ってあえて135Vで劣化による電圧降下が少ないSR44型電池をそのまま使う。-1

3. 現像時間の短縮(ISO50相当)。-1

ネガカラーの場合は3はなしでちょうど良いくらいだろうから、減感指定せずに普通にラボに出して問題ないだろう。

そういうわけで、テスト撮影で以下のような写真が撮れた。今後は、A26の本来的な使い方の記念写真に加えて、普通の135判のモノクロ街頭スナップに自分が撮ったという烙印的に126写真を混ぜるという使い方をしていこうと思っている。パーフォレーションつきのスクエアが、僕のトレードマークみたいになればいいな、という感じだ。

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以下は山歩きの記念写真。コンパクトに収まるこのカメラの本来の使い方は、こういう純粋で伝統的な記念撮影であろう。

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そして、スクエア病はさらに悪化して、この後、レンズ交換ができるローライSL26なんていうカメラも復活させたのだが、それはまた長くなるのであらためて書かせてもらいたい。

     


by hoq2 | 2016-07-23 23:31 | カメラ | Trackback | Comments(0)

【EOS 5D Mark III】 最終評価・レンズ編(1) Tokina AT-X 16-28mm 2.8 FX PRO

EOS5DMK3を導入してから1年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

【EOS レンズ編】
以下の所有レンズについて不定期で評価していきます。基準ボディは当然5DMK3です。

Tokina AT-X 16-28mm 2.8 FX PRO
Canon EF 24-70mm 2.8 L
Canon EF 70-200mm 2.8 L IS Ⅱ
Carl Zeiss Distagon 28mm 2 ZE
Carl Zeiss Planar 50mm 1.4 ZE
Canon EF 85mm 1.8
Sigma 105mm 2.8 DG Macro
Canon EF 300mm 4 L IS


【ボディ編】
5DMK3
5DMK2

同時進行でNEX-7編もやっています。


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非純正ですが、EOS用で今一番お気に入りかもしれない。わざわざ純正の16-35mm 2.8L(Ⅰ型)から買い換えたのです。ブランド志向の人からすれば、信じられない買い替えだと思いますが、仕上がりの絵は明らかにトキナーが上です。

僕の仕事上の主力は、2.8のショートズーム3本。報道出身のキャノンユーザーとしてはごく普通です。タムロンやシグマを使う人もいますが、主力には妥協はしないのが普通なので、多くのプロは多少無理してでも3本とも純正Lレンズを選びます。

ところが、キャノンは望遠のAFレンズが素晴らしい反面、広角が弱い。分かってはいたことですが、ボディが5DMK3になってフルサイズで超高画質化した分、これがちょっと我慢の限界を越えてしまいました。長年使った16-35mm 2.8Lは、歪曲収差が大きい。数値的にどうこうというより、その感覚的な気持ち悪さ(歪み方が悪い)に耐えられなくなってしまった。そこで単焦点を含め代替レンズを探してたどり着いたのがこのトキナーだったのです。

16-35には、現行の改良型のⅡ型がありますが、それと比べても描写はトキナーが上でしょう。レンズメーカー製を「純正品の後追い、劣化版」という冷めた見方をする人もいますが、便宜上そういう見方をするならば、本レンズはニコンの名玉AF-S14-24 2.8をお手本にしていると言っていいでしょう。

ATX16-28とAF-S14-24の共通点は、前玉が突出していて固定式フードになっており、フィルターがつかないこと、そしてズーム域を欲張っていないこと。便利さを割りきる反面、歪曲収差補正やシャープネスなど仕上がりの絵の質に徹底的にこだわっている。便利さと画質のバランスが適度に取れた所で落としているEF16-35とは、そもそもの設計思想が違うのです。僕がこのクラスの、さらには5DMK3用の広角ズームに求めるのは画質重視のモデル。キャノンEFマウントではこのトキナーしか選択肢がありません。


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25mm相当 F11

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21mm相当 F8


最近は住宅の竣工写真を撮る機会が多くなっていますが、歪みをできるだけ抑えたいこのジャンルにも、本レンズは十分に使えます。僕の場合、シフトレンズを使った伝統的な建築写真は、かえって不自然に見えることが多いので志向していません。なので、「広角ズームとしては」極限まで歪みが押さえられた本レンズがちょうどいい。どうしても気になる場合はPhotoshopのレンズ補正でカバーします。後処理をするなら16-35でいいじゃないかということになりそうですが、補正の幅はできるだけ小さい方が良い。歪曲収差に関しては、トキナーの方が圧倒的に上です(周辺光量落ちはキャノンやや優勢)。


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17mm相当 F11

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         20mm相当 F5.6


難点はやはりフィルターがつかないことですが、私はこれをアメリカから取り寄せてPLとGradualND、NDを使えるようにしています(正規の値段は高いですが、ここはしょっちゅう80%offとかの投げ売りをしている)。大きいのでお手軽というわけにはいきませんが、僕はこの3つ以外は物理フィルターは使わないので問題ありません。


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26mm相当 / Gradual ND + C-PL 使用

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22mm相当 / C-PL 使用


【基本画質 ★★★★★】
シャープネス、色乗り、解像感、歪みの少なさなどあらゆる面で下手な単焦点レンズを上回るのではないでしょうか。個人的には下手などころか、全ての焦点距離でかなりいいお値段がする単焦点よりもいいと思います。2.8Lズームと比べても、16-35mm、24-70mmのワイド端との比較でも本レンズが上回ります(ともにⅠ型との比較だが、Ⅱ型でも同じ結果と予想)。

【色味 ★★★★☆】
EFレンズに準じたシャープで繊細な表現と思います。カラーバランスはイエロー寄り(他社ボディとの組み合わせでは変わるかも)。キャノンのボディがもともとややその傾向があるが、純正レンズとの組み合わせよりももう一段階イエローが強く出ることが多いです。そのクセを把握していれば後処理できれいに合わせられる範囲なので、自分はそれほど気にしません。

【フレア・ゴースト ★★★☆☆】
盛大に出ます。前玉が突出した設計のため、コーティングでよく抑えている部分を割り引いても現代のレンズとしては逆光に弱いレンズと言えます。しっかりハレ切りをすればある程度は防げますが、光源の左右に出る虹色のフレアなど防ぎきれないものもあります。僕は写真は現実のコピーではなく、現実とは異なるレンズを通した世界だと思っているので、こうした"レンズのノイズ”も写真の一部と考えます。なので、かえって個性として歓迎する面もあります。しかし、仕事用の写真となると一般的な意向に沿う部分も必要ですから、正直困る面の方が強いかもしれません。まあ、個人的には★3つ、一般論では★2つというところです。個性としてうまく付き合えれば勝ちですね。

【AF ★★★☆☆】
16-35 2.8Lと比べれば遅いですが、広角ズームとしては十分に速く、静か。動体撮影にも十分対応可能です。問題は、フルタイムマニュアルではないこと。ピントリングを前後にカチカチと動かすことでAF/MFの切り替えをします。シームレスにAF/MFを使い分けている自分には特に、これはいただけない。ただ、切り替え方式のレンズとしては使いやすいほうだと思います。

【ピントリング・ズーミング ★★★☆☆】
ピントリングはキャノン用はキャノン回り、ニコン用はニコン回りに合わせられているのでいいのですが、ズームリングはニコン回り(キャノンと逆)のまま。これは使いづらい!いっそピントもズームも逆の方がましです。トルクはともに重め。自分にとってはピントリングはちょうどいいが、ズームリングは重すぎる。とはいえ、トータルな使用感はMFレンズっぽくしっかりしていて非常にいいと思います。

【デザイン・造り ★★★★★】
ニコン寄りのデザインですが、僕は好きです。高級ではないが、チープでもない、剛性感のある西ドイツっぽさも感じます。個人的にはとても好きな感じ。とにかく、造りはしっかりしていると思います。

【コストパフォーマンス ★★★★★】
かなり使い込んだ16-35を売ったお金で新品を買ってお釣りが来ました。それで仕上がりの満足度はこちらが上なのですから、純正との比較では満点でしょう。

【総合評価 ★★★★★】
個別評価では大きなものも含めいくつか欠点があります。にもかかわらず満点なのは、それらの欠点が長所と表裏一体だから。フィルターがつかなかったりフレアが出やすかったりするのは画質追求の副産物だし、フルタイムMFではないのは純正の半額以下なので仕方ないです。長所が飛び抜けていいだけに、個人的評価として満点です。

ちなみに、16-28というズーム域は僕にとっては16-35よりも歓迎なのです。ボディ2台持ち、ショートズーム3本のトータルで考えるからです。つまり、16-28、24-70、70-200ときれいにつながるこちらのほうが、24-70とかなりの部分が被る16-35より使いやすいと言えるのです。





※上のリンクのWonder Panaはニコン14-24用です。

by hoq2 | 2013-08-01 04:17 | カメラ | Trackback | Comments(0)

【EOS 5D Mark III】 最終評価=ボディ編

EOS5DMK3を導入してから1年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

今回のボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。

同時進行でNEX-7編もやっています。


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まず、最初に言って置かなければいけないのは、これは自分にとっては歴代最高のEOS DIGITALだということです。2013年7月現在で、仕事用のメイン機として、また個人的(趣味的)な作品作りにおいてもNEX-7と共に使っています。仕事では2台持ちが基本になりますが、その際のサブ機は1世代前の5DMK2です。

ツッコミが多そうなので最初にエクスキューズしておきますが、ニコンのストラップをつけているのは、単純にこのプロストラップ(ニコンプロサービスで配布しているもの。これはF5時代のモデル)が自分にとって一番使いやすいからで、それ以外に他意はありません。たまたま未使用品が手元にあったので、メーカー違いを気にせずに5D3につけているだけです。

自分は、新聞社の社員カメラマンからフリーになりました。新聞社時代の機材は会社所有の支給品で、ニコンかキャノンが選択できました。自分は当時、ニコンユーザーでしたので、デジタル一眼の歴史はニコンのD1から始まりました。D1HからD2に切り替わる頃にフリーになり、その際にすっぱりとキャノンにシステムごと乗り換えました。その当時は、デジタル一眼の仕上がり画像がキャノンの方が一歩進んでいたからです(今はシステム全体を俯瞰すればニコンの方が良いと思ったりしますが)。また、フリーになれば自分の味で勝負できるので、EFレンズの繊細な描写の方がこれから撮りたい自分の写真に合っているという思いがありました。

EOSにしてからのボディの歴史はこんな感じです。2台いっぺんに買い換えることはなく、1台ずつ入れ替える方式をとっています。メイン・サブの分け方は、特定の条件下以外でその当時自分がどっちを優先的に使っていたかということを示します。

・メイン=1DMK2、サブ=20D
・メイン=5D、サブ=1DMK2
・メイン=1DMK3、サブ=5D
・メイン=5DMK2、サブ=1DMK3
・メイン=5DMK3、サブ=5DMK2

ここに来て、1Dを使っていないことにお気づきでしょう。それだけ今の私は5DMK3に信頼を寄せています。現行の1Dは、フルサイズ・高速の1DXで、自分が求めるスペック的には申し分ないのですが、全て自腹で仕事をしなければいけないフリーランスとしては、費用対効果も考えなければいけません。その中で、5DMK3が一台あれば1DXは不要という判断をしています。

1DXの5DMK3に対するアドバンテージはコマ速(12コマ/秒 vs 6コマ/秒)とAF性能(同じAFユニットだが、バッテリー等の関係で1DXの方がやや高性能と言われる)ですが、画総数的な画質では5DMK3の方が勝ります。それを鑑みて、自分が使うべきメイン機はどちらか。5DMK3に軍配を上げました。

(理由その1・激しい動体撮影をする機会が減った) 以前はサッカーやモータースポーツなど高速で移動する被写体も仕事の中にありましたが、仕事の内容が時代と共に変わってきて、今は走る犬くらいです。「走る犬」を撮るには、確かに1DXがベストです。しかし、現在はある程度自分の裁量で被写体を選べるようになってきているので、そういった「動きを止める」質の写真よりも「絵として美しい写真」を志向できるようになった。だから、激しく動く被写体を撮る機会は年に数回程度。また、5DMK3の連写・AF性能でも十分に「走る犬」を撮ることができます。単純計算で1DXの方が倍のカットを撮れ、AFの外しも少ないのは予想できますが、そのためだけに55万〜のボディを持つのは仕事として採算が合いません。

(理由その2・5DMK3は1D系の絵作り) これは、しばらく使っていて思い直した部分ですが、5D、5DMK2に対して、5DMK3は色の出し方等が従来の1D系に寄っています。どういうことかというと、5DMK2まではアマチュア向けの「パッと見の鮮やかさ」を志向しており、それはそれで好きだったのですが、Photoshopでの後処理の幅を狭めるものでもありました。それに対し、プロ機の1D系は「パッと見の鮮やかさ」よりも「じっくり見た時のトーンの豊かさ」のようなものを志向しています。見る方の質も要求する絵作りで、これはまた後処理のしやすさにもつながる。5DMK2と5DMK3の仕上がりの一番の違いはここにあります。そういう意味では、"ハイアマチュア機”だった5D系が、MK3からプロ機になったと捉えることができるのではないでしょうか?また、画素数で1DXを上回り、大きさ的にも取り回しが楽なのでたとえ1DXを持っていたとしても、自分の場合は5DMK3を使う機会の方が多くなるのかな、と思います。

(理由その3・汎用性の高さ) 予算が有り余っていれば、用途ごとにボディを用意するのがいいに決まっています。しかし、5DMK3は1台で色々な使い方ができる。私の場合、撮影専門の仕事をする時には、大振りな2.8Lズームを使うことが多いですが、その場合はバッテリーグリップをつけた方がバランスがよくなります。また、縦位置シャッターもホールディングの安定にはあった方が良い。つまり、バッテリーグリップで1D的な使い方ができる。逆に外すとコンパクトサイズになるので、単焦点レンズをつけて歩きまわって撮るような際にはそうします。この「小さくまとめる」というのは1D系では得られないアドバンテージで、ライター業を兼ねた撮影や趣味の街頭スナップを撮ることも多い自分には大変に有難い。6コマ/秒というのも、じっくり撮る・連射してガンガン撮る、その両方いけるちょうどよい速さ(自分は、連射モード固定で単写・連射を指の動きで制御する撮り方をしています。10コマ/秒クラスでは単写が難しくなる)です。例えが良くないかもしれませんが、ベンツのステーションワゴンがあればポルシェは必要ない、そんな感覚ですかね。


では、★5つ満点の評価です。動画機能やオートHDRなどの付加機能については、自分はほとんど使わないので評価しません。スチルカメラとしてのベーシックな性能のみを評価します。


【画質全般 ★★★★★】 

絵の仕上がりの点で完全に満足する条件として、フルサイズであることが大前提になります。その点のみで、入れ替え対象になった1DMK3を凌駕します。APS-CやAPS-Hと同じ条件で撮ったとしても、絵の立体感やトーンの豊かさが違います。それをかつての1Dsよりもはるかに安い価格で実現しているのですから、僕はこのカメラは決して高くない、リーズナブルとさえ思います。前モデルの5DMK2との違いは上に書いたプロ機的な色出し以外の部分では、一見それほど変わりません。それは、ポジティブに捉えれば5Dシリーズのポテンシャルが高いということ。1DXは実際に使っていないので分かりませんが、おそらく仕上がりの美しさはやや5DMK3に分があるのではないでしょうか。


【色味 ★★★★☆】 

5D系のカラーバランスは、イエローに寄る傾向があります。初代5Dはひどかった。それがMK2で大幅に改善されましたが、MK2はその分タングステン光下などでややレッド寄りのシーンも見られます。そのレッド寄りがなくなったのが、MK3と言えると思います。アマチュア機的ないわゆる「人肌をきれいに見せる」という設定の悪しき部分がなくなったからでしょう。つまり、MK3は概ねニュートラルだが、シーンやレンズの組み合わせによっては5D系あるいはキャノン全般のクセと言えるものも残っていて、ややイエロー被りが見られるということです。しかし、そのクセさえつかんでいれば、ほぼ全ての条件下でAWB・ピクチャースタイル「スタンダード」で十分。後処理の微調整できっちりニュートラルな発色に持っていくことも、撮ったままの絵を基準に個性を強調したトーンを作ることもできます。もちろん、RAW撮影で後処理の幅を広げることも絵作りの選択肢に入れています。素性が良いだけにカメラ側でWBやピクチャースタイルをいじる必要性を私は感じません。


【AF性能 ★★★★☆】 

MK2から大きく進歩しています。AFシステム全体が10D系から1D系に一新されました。スペック上は1DXと同等です。ただ、その割には追随性が世界最高峰レベルではないな、という実感はあります。1DXよりは少し遅いでしょう。おそらくバッテリーや映像エンジンの違い(同じDIGIC5+だが、5DMK3は1基、1DXは2基搭載されている)の影響はあると思います。とは言っても、トップクラスでの微妙な比較ですから、絶対的な性能としてデジ一のトップレベルには変わらないでしょう。私がこの点で1DXが欲しくなったのは、トップスピードで走るイタリアン・グレーハウンドを追った時のみです。


【コマ速 ★★★☆☆】  

もう次期モデルに投資したくないので、しばらくMK3が現行であって欲しいくらいこのカメラに惚れ込んでいますが、唯一、次期モデルに期待したいのがコマ速のアップ。6コマ/秒でもそれほど困ることはない(最終的に撮れなかったということにはならない)のですが、犬の一瞬の動きや表情など、1Dで難なく撮れていたものが、結構気合を入れないと撮れないこともあります。その点で、8コマ/秒あればもう何も望まないというレベルに昇華する。現状では、1DXまでは必要ないにしても、サブに7Dが欲しくなることもあったりするのが本音なわけです。スポーツ等がメインの被写体の人にはギリギリオススメできない、そんな感じです。


【光学ファインダー ★★★★☆】 

視野率がMK2の98%から100%になりました。視野率100%は仕事のメイン機としてはやはり欲しい条件。この点も、1D系を必要としない理由の一つと言えます。ただ、フォーカシングスクリーンが固定式になってしまったのは、MK2からの退化。私はMFカメラの時代から方眼マットをデフォルトで使っていますが、これに関してはデジタル的に方眼を入れることができるので問題はない(だから固定式にしたと思われる)。しかし、MFレンズを使う時に明るいスクリーンに換えるなど、そういうことができないわけです。まあ、自分の場合はMFレンズを多用するもののライブビューとの併用でうまくやってますので、方眼が入れられればAF用の暗めのスクリーン固定でもOKです。でも、スクリーン交換というオプションはやはり残して欲しかったですね。


【モニター・ライブビュー ★★★★☆】 

大きく見やすいし、画質もいいです。初代5Dは、実際の仕上がりとモニター表示の明るさや色の差が大きく、大きな不満があったのですが、完全に実用レベルに進化しています。撮影画像の確認はもとより、モニター画像を頼りにしたライブビュー撮影でも何ら問題はありません。唯一の不満点は、表示画像を拡大した際に、2段階の拡大率を経ないと等倍に戻らないことです。これは、ライブビューで手持ちのピント合わせに拡大機能を用いた時に、弊害になります(ボタンを2回押している間にピントがずれることがある)。シャッター半押しなどワンアクションで復帰できれば良いのですが・・・


【大きさ・操作感・質感など ★★★★★】 

大きさ・重さの感じ方は個人差があるので、なんとも言えませんが、ずっとF5やD1、1Dを使ってきた自分には小さくて軽い部類に入ります。しかし、kissでも大きいと思う人には巨大で重いカメラということになるでしょう。

基本的なレイアウトは5DMK2と変わりません。撮影モードの切り替えがクラッシックなダイヤル操作でできるのは、銀塩世代には嬉しい。僕はこの点で、5D系のレイアウトの方が1D系よりも好きです。

MK2との大きな違いは、ON/OFFスイッチがボディ背面下部から上部ダイヤルの脇に移動していること。これは、カメラバッグに入れたまま操作できるので、良い変更だと思います(MK2はバッグから出さないとON/OFFができない)。また、バッテリーグリップにマルチコントローラーがついたのは非常に嬉しい。縦位置シャッター使用時のAFエリア切り替え(自分は「マルチコントローラーダイレクト」に設定している)が楽になりました。

仕事用なのでモノとしての質感やデザインにはそれほどこだわりませんが、防塵・防滴性は実用上十分だし、剛性感や質感もMK2よりもプロ仕様に向上していると思います。


【総評 ★★★★★】 

コマ速など微妙な不満点はあるにしても、これ1台で自分の望む範囲のことは全てカバーしている。個人的にはベストEOS、満点です。



by hoq2 | 2013-07-16 20:20 | カメラ | Trackback | Comments(0)

【NEX-7】 最終評価 レンズ編 4  Minolta MC W.Rokkor-HH 35mm1.8

NEX-7を導入してから半年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

ボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。同時進行でEOS編もやっていきます。


NEXレンズ編の対象は2013年5月末時点で所有している以下のレンズです。

・Sony E 16mm 2.8 (ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1)
SIGMA 19mm 2.8 EX DN
Carl Zeiss Sonnar E 24mm 1.8
・HOLGA HL(W)-SN 25mm 8
・Minolta MC W.Rokkor 35mm 1.8 H-H (ミノルタMC=MDマウント)
・Contax Tessar 45mm 2.8 (ヤシカ/コンタックスマウント)
Sony E 50mm 1.8 OSS
・Contax G Carl Zeiss Sonnar 90mm 2.8 (コンタックスGマウント)
・Canon FD 400mm 3.5 S.S.C (キャノンFDマウント)
・Sony E 18-55mm 3.5-5.6 OSS

(以下EOSと共用 M42マウント)
・Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm 3.5
・Chinon 28mm 2.8 MC
・Auto Chinon 35mm 2.8
・Chinon 55mm 1.7 MC
・Auto Chinon 135mm 2.8
・РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mm 8


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これもお気に入りレンズの一つです。ミノルタMFカメラは使ったことがありません。NEX-7の標準レンズとしてこのレンズを選び、初めてロッコールを手にしました。マウントアダプター「遊び」用ではなく、大真面目にNEX-7の標準レンズを検討し、ロッコール35mm1.8に行き着いたのです。

これを手にする前に純正のE50mm1.8は持っていましたが、やっぱりフルサイズに換算した50mm相当(35mm前後)の標準レンズは確保しておきたかった。入手を検討した時には純正のE35mm1.8(SEL35F18) が発売されたばかりでしたが、あんまり食指が動かなかったんですね。Eマウントの純正レンズとNEX-7の組み合わせで「赤味」が強く出ることに辟易していたのと、当時のSEL35の実売価格が4万円くらいと、ソニーEマウントの標準レンズとしてはやや割高感があった。それに、EOS用でコシナツァイスのPlanar 50mm1.4 を持っているので、NEXの標準には金をかけたくなかったという個人的事情があります。僕はAFレンズをマウントアダプターで使う気はしないので、必然的にMFレンズを中古で探すことになりました。

だから、SEL35F18よりも高いレンズはNG、3万円台もNG(それなら値下がりを待ってSEL35F18に行く)。開放値はF1.4かF2。この条件に合う中で最も実用性が高そうだったのがこのレンズでした。問題は実用品として状態がいい個体がどうやら少なそうだということ。コレクション品級は3万超えてしまいますし、そもそも実用上影響がある部分しか私は気にしません。そして折よくヤフオクでマウント指標の赤ポッチが欠けているということ以外は、状態が極めてよさそうなものがリーズナブルな価格で出ていました。私の場合は、赤ポッチなんて全く必要ありません。他にMC/MDマウントを使うことはまずなく、一度マウントアダプターをつけたらそのままなので。

この選択が正しかったことは初回の使用で確信しました。その時の日記はこちらです。レンズそのものの描写は予想以上で、シャープネスや逆光性能などはオールドレンズであることを感じさせない。一方で、開放付近のボケは今のAFレンズにはない文字通り「ほやけている」という味のあるボケ。最近のいいレンズはこのボケがシャープさを秘めた「トロ味」のような感じがするのですが、せっかくなのでやっぱりオールドレンズの味があった方がいいですよね。現代レベルで遜色がないことと、古き良き味のバランスが3:1くらいで前者寄りな所が、自分的にはストライクです。

また、例の「赤味」は予想通りまったくなし。旧ミノルタレンズはクールトーン寄りというイメージを持っていたのですが、このレンズはまさにそうだったようです。NEX-7ボディの暖色寄りの色出しと相殺されて気持ちのいいニュートラルな結果が得られます。「α」つながりは偶然でしょうが、相性はバッチリです。


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上の3枚のように普通に撮って普通に後処理してもいい感じの絵が得られるのですが、下の写真のようにオールドレンズであることを生かして、あえて銀塩的なあいまいさを出す後処理(この場合は彩度調整やモノクロ化、粒子の追加など)をする時にも非常に重宝しそうです。こういう時、現代のレンズだと「後処理しましたよー」みたいな嫌らしさがにじみ出てしまいがちだと思うのです。その部分では、今後このレンズにも仕事での出番があるのではと思います。

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【描写】 ★★★★★ 線のしっかり感なんかは結構ニコンっぽいのかなあと思いますが、繊細なボケ方などキャノンぽさもあって、色乗りなんかはライカっぽい。それがロッコールなのでしょうが、プロパーなミノルタユーザーではない自分が迂闊なことは言えないですね。ツァイスとキャノンEFを好んで使っている自分にも気持ちよく受け入れられる素晴らしい描写だと思います。古いレンズの場合心配される逆光性能や開放付近の描写も、最新レンズには及びませんが、十分現代レベルで通用します。先に書いたクールトーン寄りの色味など、NEX-7の標準レンズとしての相性も抜群。満点!

※このレンズには後期型のMDマウントタイプもあります。小型軽量化などの変化があるようですが、描写の差は分かりません。

【マウントアダプター関連】 ★★★★☆ 八仙堂のマウントアダプターをつけています。安いので恐らく中国製ですが、作りはしっかりしています。買った状態でそのまま装着して固すぎず緩すぎず。無限遠もしっかり出ます。一度ガードレールにぶつけてレンズとアダプターの接続にガタが出たのですが、説明書にガタがある場合やキツすぎる場合の調整法が書いてあり、その通りにしたら直りました(私はつけっぱなのでその時にキツ目にしました)。

ミラーレス一眼のフランジバックは短いので、厚みのあるマウントアダプターがほとんどです。このMC/MD用も例外ではありません。中空の単なる「筒」なので重さはたいして変わりませんが、全長は1.5倍くらいになってしまいます。仕方ないことですが、小さくまとめたい人にとっては、ここがマウントアダプターを使う際のネックの一つになります。個人的にもアダプターのせいで標準レンズとしては大振りになってしまっている点で★一つ減としておきます(実はそんなに気にしてませんが)。

【操作感・デザインなど】 ★★★★☆ プラスチック鏡胴などなかった時代のレンズなので、当然オール金属です。日本の工業力が最も高かった時代のものでもあるので、非常に工作精度が高い。間違いのない素晴らしい造りです。「本物の」MFレンズなのでヘリコイドの操作感は抜群。私はこの点ではAi-sニッコールが最高だと思っていますが、匹敵します。中古でしか手に入らないレンズなのでこのあたりは個体差があるでしょうが、私のレンズはアタリのようです。オーソドックスなデザインなので、NEX-7につけても違和感なくかっこいい。フードはこのレンズ専用の純正品を本体と別に入手しました。内側に起毛のあるラッパ型のメタルフードです。minoltaの旧ロゴもかわいい。やっぱりいいよなあ、MF時代のものは。

唯一引っかかる点は絞り環の開放F1.8の次が2ではなく2.8なことです。もちろん手動で機械的に絞りを動かす昔のレンズですから無断階で絞りを設定でき、F2がないわけではありません。が、1.8と2.8の間のみ中間絞りのクリックストップがないので、実写で間を使うことは事実上ありません。開放1.8という中途半端なスペックですが、F1.4ではなくF2感覚で使うこととなります。

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【サイズ】 ★★★☆☆ マウントアダプター抜きでは一般的なMF35mmF2の大きさ・重さです。だから何の違和感も問題もないのですが、純正のSEL35F18を基準にすればでかすぎるということになります。実際に使っていて大きさ・重さに辟易したことはないですが、もちろん「わあかる~い」とも思いません。★3つくらいにしておきましょうか。

【総評】★★★★★ 
客観的に評価すれば、マウントアダプターを使うことやMFだということなど「そもそも論」で引っかかってしまいます。ここはそういう評価をするブログではありませんので、個人的評価で満点です。予算を度外視すればZeiss Touitの32mmをはじめ、もっといい選択肢はいくつかあるでしょう。でも、ツァイス信者の私ですが、Touit32mmに置き換えたり買い足す気にまったくならないほどこのレンズが気に入っています。


【関連記事】

<ファイナルインプレッション>
【NEX-7】 最終評価 ボディ編
【NEX-7】 最終評価 レンズ編 1  SIGMA 19mm 2.8 EX DN
【NEX-7】 最終評価 レンズ編 2  Carl Zeiss Sonnar 24mm 1.8 ( SEL24F18Z )
【NEX-7】最終評価 レンズ編3  Sony E 50mm 1.8 OSS ( SEL50F18 )

<ファーストインプレッション>
【NEX-7】真打ち登場 Carl Zeiss Sonnar 24mm 1.8 & Jena Sonnar 135 3.5
NEX-7 買った!【街頭スナップ実践編】 
 NEX 16mm用 ウルトラワイドコンバーター
【NEX-7】 SEL50-F18は「神レンズ」か!?
【NEX-7】真打ち登場 Carl Zeiss Sonnar 24mm 1.8 & Jena Sonnar 135 3.5
【NEX-7】 標準レンズの選択  スカイツリー・押上〜京島 実写編
発掘テッサーで一本勝負
РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mmF8 ミラーレンズ
【NEX】 HOLGAをデジタル化
【Nagano Snapshot】 蓼科1 白樺湖 (NEX-7のホワイトバランスに物申す)

おもな作例
写真(Naganao snapshot)  
写真(Street Snap)





Minolta MC、MDレンズ→SONY NEX Eマウント用 マウントアダプター

Minolta MC、MDレンズ→SONY NEX Eマウント用 マウントアダプター


   

by hoq2 | 2013-06-15 06:22 | カメラ | Trackback | Comments(1)

【NEX-7】最終評価 レンズ編3  Sony E 50mm 1.8 OSS ( SEL50F18 )

NEX-7を導入してから半年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

ボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。同時進行でEOS編もやっていきます。


NEXレンズ編の対象は2013年5月末時点で所有している以下のレンズです。

・Sony E 16mm 2.8 (ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1)
SIGMA 19mm 2.8 EX DN
Carl Zeiss Sonnar E 24mm 1.8
・HOLGA HL(W)-SN 25mm 8
Minolta MC W.Rokkor 35mm 1.8 H-H (ミノルタMC=MDマウント)
・Contax Tessar 45mm 2.8 (ヤシカ/コンタックスマウント)
・Sony E 50mm 1.8 OSS
・Contax G Carl Zeiss Sonnar 90mm 2.8 (コンタックスGマウント)
・Canon FD 400mm 3.5 S.S.C (キャノンFDマウント)
・Sony E 18-55mm 3.5-5.6 OSS

(以下EOSと共用 M42マウント)
・Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm 3.5
・Chinon 28mm 2.8 MC
・Auto Chinon 35mm 2.8
・Chinon 55mm 1.7 MC
・Auto Chinon 135mm 2.8
・РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mm 8


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NEXレンズ編第三弾はお待ちかね(?)の純正50mmです。NEXシリーズ開始初期からあったレンズで、NEX-7購入後2本目に買い足したのがこれです。標準50mmですが、APS-CのNEXボディ専用ということで、メーカー的には「中望遠のポートレートレンズ」という扱いですね。長めの外観も中望遠的です。私はNEXでは人物ポートレートはまず撮らないのですが、主用途の街頭スナップでも70〜85mmという画角は外せないものです。特に空間が広い田舎や海外では東京などの狭い都会と距離感が変わるので、中望遠が標準レンズ的になる場合も多いのです。

その観点から、NEXの50mmが画角的に使いやすいかというと、使いやすいです。画角的には75mm相当ですが、50mmなので「広めの空間での標準レンズ」としてピッタリなわけです。逆にフルサイズの85mmみたいな感覚では望遠っぽい遠近感や被写界深度の面で物足りなさを感じます。そういうわけで、EOSとの2台持ちでNEX-7を使うことが多い私は、「広めの空間での標準レンズ」が欲しい時はこのレンズ、「中望遠単焦点」が欲しい時はキャノンEFの85mm1.8を使います(同時に持ち出すことはなく、撮影に出かける前にどちらかに決める)。

そしてこれは、非常によく写るレンズです。ゾナー的なシャープさとヌケの良さが特徴で、もしツァイスがゾナーでNEX用の50mmを出しても決定的な差は出ないのではないでしょうか。開放ではややグルグボケが出ますが、僕は好きなので気になりませんし、多くの大口径標準〜中望遠のオールドレンズほど強いものではありません。ピントその他どの絞りでも不満がないどころか要求以上の描写をします。とにかくシャープで色乗りもよく、国産レンズ離れした好みの描写です。それが実売2万円台前半ですよ!恐ろしくコストパフォーマンスが高い。間違いなくこれは「買い」でしょう。

欠点は既に最終レビューをしているシグマの19mmと同じ。NEX-7独特の赤味が強く出るレンズの一つです。というか、私が持っているEマウントレンズは、ツァイス24mm 1.8を除いて皆そうです。純正レンズ全体の傾向であるということは、ソニーはこの赤味を積極的に肯定しているということなので、NEX-7のシステム全体に対する不満と言った方が正確でしょう。「赤味」についてはそれがかえって好きだという人もいると思います。ですが、これは「好み」を超えた客観的に偏った色カブリだと個人的には評価せざるを得ません。ですので、素晴らしいレンズなだけにその点が非常に残念です。


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このブログで載せている写真はすべてPhotoshopで調整済みなので、私がことあるごとに言う「NEX-7の赤味」には気づきにくいかもしれません。なので、今回はNEX-7+SEL50で「撮ったまま」だとこんな感じというのをお見せしたいと思います。曇天の空という特にAWBが赤を強く出そうとし、また赤味が目立ち気になりやすい条件です。上がAWB・jpegで撮ったまま、下がPhotoshopで調整後です。

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【描写】 ★★★★☆ 

赤味は大きな欠点ですが、本質的にはNEX-7のボディあるいはソニーの写真に対する考え方のの問題であること、今までPhotoshop調整で許容範囲に収めることができていることを考慮して★一つ減に止めます。それ以外は満点。このレンズをゾナーのつもりで使っているほど、シャープでヌケの良い描写は自分の好みにもピッタリ合ってます。特にシャープさや滑らかなボケが演出する立体感が素晴らしい。開放での描写も申し分ない。開放F2だと物足りなさを感じるかもしれませんが、逆にF1.4じゃなくて残念とも感じません。

【AF性能】★★★★★

自分はNEXでは動体をAF-Cで追うという使い方をしませんので、その限りではなんのストレスも感じません。

【OSS】★★★★★

あまり意味がないと思うので、検証実験みたいなことはしていません。ですので、実際にどのカットでどの程度効いているのかあまり実感できないでいますが、撮影結果を見ればブレ補正はよく効いていると思います。手ブレでスポイルされたカットはほとんどない。OSSであることを忘れさせるくらい撮影中の作動感がないのは高性能な証拠と思います。また、OSSがついていることによって画質が低下しているという感じもしません。私にとってブレ補正機能の有無はレンズ選びの条件として優先度は低いですが、このレンズのOSSは歓迎すべきものと思います。

【操作感・デザインなど】 ★★★★★

描写はゾナー級ですが、ツァイスのSEL24F18と違ってこちらはプラスチック製。しかし、シルバーの仕上げが大変によく、それを感じさせない。モノとしての魅力も十分と思います。ピントリングのトルク感もしっかりあります。NEX-7のブラックボディとの組み合わせもかなりかっこいいと思います。フードはLIM'S製の専用メタルフードに交換しています。メタルフードにこだわる個人的な趣味なので、ほとんど形状が同じな付属のプラスチックフードでも十分良いと思います。

ちなみにLIM'Sの各種メタルフードは非常に出来が良く、各レンズとのマッチングもよく考えられていてお気に入りです(EF85mm用も使っています)。韓国メーカーなので、国内では入手経路に限りがあります。私はebayで買いました。今日び、ネットで韓国のものを褒めると叱られそうですが、相手が誰であろうと間違いや非道を批判する勇気と同時に、良い物は良いと認める勇気、良くも悪くもないことには普通に接する度量がなければいけないと私は思っています。公平なスタンスに立って初めて、理不尽に対して毅然とした態度を取れるのです。

【サイズ】 ★★★★★

ミラーレス一眼の標準レンズとして見ればやや大ぶりかもしれませんが、中望遠として見ればコンパクト。NEX-7にコンパクトカメラ級の手軽さを求める人はいないでしょうから、満点。

【コストパフォーマンス】 ★★★★★

★10個あげたいくらいです。これまでに新品2万円ちょっとでこんなに良く写るレンズがあったでしょうか?しかも最新技術が詰め込まれた純正の現行型。こういうレンズが存在し得るのがミラーレス一眼の強みかもしれませんね。



【総評】★★★★☆

満点をあげたいところですが、NEX-7で使っているクールトーン好きの自分としては赤味はどうしても見過ごせません。ボディが変わって赤味が抜ければ満点です。



【関連記事】

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【NEX-7】 最終評価 レンズ編 4  Minolta MC W.Rokkor-HH 35mm1.8

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РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mmF8 ミラーレンズ
【NEX】 HOLGAをデジタル化
【Nagano Snapshot】 蓼科1 白樺湖 (NEX-7のホワイトバランスに物申す)

おもな作例
写真(Naganao snapshot)  
写真(Street Snap)



  

by hoq2 | 2013-06-13 04:29 | カメラ | Trackback | Comments(2)

【NEX-7】 最終評価 レンズ編 2  Carl Zeiss Sonnar 24mm 1.8 ( SEL24F18Z )

NEX-7を導入してから半年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

ボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。同時進行でEOS編もやっていきます。


NEXレンズ編の対象は2013年5月末時点で所有している以下のレンズです。

・Sony E 16mm 2.8 (ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1)
SIGMA 19mm 2.8 EX DN
・Carl Zeiss Sonnar E 24mm 1.8
・HOLGA HL(W)-SN 25mm 8
Minolta MC W.Rokkor 35mm 1.8 H-H (ミノルタMC=MDマウント)
・Contax Tessar 45mm 2.8 (ヤシカ/コンタックスマウント)
Sony E 50mm 1.8 OSS
・Contax G Carl Zeiss Sonnar 90mm 2.8 (コンタックスGマウント)
・Canon FD 400mm 3.5 S.S.C (キャノンFDマウント)
・Sony E 18-55mm 3.5-5.6 OSS

(以下EOSと共用 M42マウント)
・Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm 3.5
・Chinon 28mm 2.8 MC
・Auto Chinon 35mm 2.8
・Chinon 55mm 1.7 MC
・Auto Chinon 135mm 2.8
・РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mm 8


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このレンズとNEX-7の組み合わせは、私の主戦力の1つです。このレンズがあるからNEX-7を使っていると言ってもいいくらいです。私は根っからのツァイス信者なので、過大評価しているかもしれませんが・・・。ともかく、ソニーの最大のアドバンテージは「純正のツァイスレンズがあるから」と言い切ってしまいましょう。

先ごろ発売になったTouitの2本(12mm&32mm)は、ソニーEマウントとフジXマウントの2種類で出している「ツァイスの」レンズです。この24mmのように「ソニーの」ツァイスレンズというわけではないので、Touitはソニーのカタログには載っていません( もちろん、そこはこだわるポイントではなく、特に12mmはいつかは欲しい! )。つまり、この24mmはNEXのためだけに作られた唯一の純正Zeissというスペシャルなレンズなのです。

ツァイスに特に思い入れがない人にとっても、純正対応の35mm相当のレンズはこれ以外に選択肢はありません。実売8万円弱(新品)というのは高いですが、写真を真剣にやっている者には出せない額ではない。しかも、NEXをライカ的な使い方をするのであれば、一番使い勝手のいい画角ですから、ここに(ツァイスレンズとしては)リーズナブルな価格で一切妥協のないレンズが鎮座しているというのは絶妙だと思います。僕はこれを買うのに全く迷わなかったです。だだ、3、5、6シリーズにはオーバースペックな嫌いはありますね。逆に7ユーザーならば多少無理してでも欲しいレンズです。

肝心な写りは、文句のつけようがないものです。開放からどの絞りでもシャープ。深みのある色合い。立体感を感じる素晴らしい抜けの良さ。ブレ補正機能を画質低下を招くとしてあえて入れなかったのも、「さすが分かっている」。現代的な写りとはこういうものだ!という、光学的に最先端をいく前衛的なレンズです。

もし、文句をつけるとすれば、欠点がなさすぎることでしょう。ライカ信者ほどではないにしろ、ツァイスにもクラシックな「味」を期待する人もいます。コシナのツァイスはそういったニーズを見越して現代的な描写よりも、伝統的な「味」を優先している嫌いがあります。要は、オリジナルの「プラナー」であったり「ゾナー」の忠実リメイクというやつですね。たとえば、プラナーの50mmはヤシコンの50mmと瓜二つの開放付近のグルグルボケと開放でのピントの甘さがそのまま残っているし、ディスタゴンの28mmはアンバー寄りの独特の色味こそ今っぽくなっているが、ド級の周辺光量落ちはヤシコン28mm/2そのままです。それはそれで良いと思いますし、僕もその欠点を味と見て積極的に使っています。

一方、この24mmはこうした「先例」がないスペックのレンズということもあって、リメイクではなく、まったく新しいレンズです。それを嫌うというのであれば、マウントアダプターを用意して他を当った方が良いでしょう。私の場合はなぜ、ライカよりもツァイスかと言うと、堅実路線で最高の結果を出すライカに対し、常に前衛であろうとして妥協をしないツァイスの方が性に合っているから。画像の見た目としても、同じように深みのある画像ではあるけれど、何か人間的な「ぬくもり」を感じさせるライカに対し、ツァイスは「神の目」に挑戦しているようないい意味での冷たさを感じます。その悪魔的危うさが僕は好きですね。


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【描写】 ★★★★★ 

先に書いた通りです。文句のつけようがありません。広角でゾナーというのはおそらくこのレンズだけだと思いますが、コクがあるディスタゴンよりもビオゴン系のカミソリのような描写に近いかもしれません。つまりはゾナーそのものです。コクのある色味ながら極端な押し出しの強さはなく、「ツァイス」=「個性」と思う人にはやや物足りないかもしれませんが、優等生的かと言うとそうではない。僕的にはすごく良い落とし所で品よく押し出してきている絵だと思います。NEX-7特有の「赤味」はこのレンズでも出ますが、他の純正系レンズと比べると弱く、好みの範囲に収まる程度です。

【AF性能】★★★★★

純Sonyのレンズとなんら変わりません。静かで速い。

【操作感・デザインなど】 ★★★★☆

まず、このレンズにブレ補正はあってはいけません。どんなに便利であっても、光学性能を落とす選択肢をしないのがツァイスの思想なはず(そっち方面の技術は日本メーカーにしかないという真実も)。便利機能優先な人にとっては、割高なレンズかもしれませんね。しかし、僕はこれに関しては減点なし、むしろ加点対象です。

造りも完璧。しっかりと金属です。デザインもZeissのロゴが目立ちますがそれほど嫌らしくなく、全体にシックで良いのではないでしょうか。

付属のフードはプラスチックの大型の花型フードです。内側に植毛された高級感のあるもので、機能的には完璧なのでしょう。「小ささ」を一切考慮しないのがツァイスらしいですが、これに関しては常用するにはやはり大きいことと、SIGMA 19mm 2.8 EX DN の記事で書きましたが、僕は金属フードフェチなので、安物ながら写真の穴あき金属フードに替えています。コシナのように最初から金属フードが付属していれば言うことなしなので、ここはすごく主観的な判断ですが★1つ減。

【サイズ】 ★★★★★

ソニーやシグマのプラスチックレンズほどではないですが、NEX専用なのでツァイスにしては全然軽いし小さいです。個人的にはこれくらいがちょうどいい。

【総評】★★★★★

これはNEX界の「神の目」でいいと思います。あいまいさから来る「ぬくもり」が欲しい人は、やめた方がいいです。それくらい Close to the edge に立つレンズです。


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おもな作例
写真(Naganao snapshot)  
写真(Street Snap)



    

by hoq2 | 2013-06-09 04:39 | カメラ | Trackback | Comments(0)