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フレンチ・ブルドッグとプアマンズ・ライカと歩く金沢

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1月中旬、出張ついでに金沢観光をした。とはいっても、仕事優先の日程なうえ犬連れ(フレンチ・ブルドッグの「マメ」)なので、観光というよりはいつもやっている「カメラを片手に散策」の延長である。初日の夕方に長町武家屋敷界隈を小1時間、金沢港のペットと泊まれる宿に一泊した翌朝に、醤油製造や海運で栄えた大野の海辺の街並みを散策した。

カメラは、デジタル街頭スナップで最近お気に入りの「プアマンズライカ」。要は、α7IIにライカMマウントアダプターをつけて、ライカ用レンズ(僕の場合はツァイス・ビオゴン28mmF2.8ZM、ライツ・ズマロン35mmF3.5、ライカ・エルマーM50mmF2.8、ミノルタ・Mロッコール90mmF4)で撮影する。これを最初に試みたリンク先の「信州・和田宿」での撮影の後、マウントアダプターは中華製の激安品から、コシナ・フォクトレンダーのVM-E Closefocusアダプターに更新した。「プアマンズライカ」を主力機材の一つとして使っていこうと決めた以上、その要となるマウントアダプターはしっかりとした品質のものにしなければなるまいし、レンジファインダーカメラ・レンズの欠点である最短距離の長さをカバーできるというヘリコイド付きアダプターのメリットは非常に大きいと考えたからだ。今回も、下の3枚のようにマメのアップや旅先のグルメを撮るのに重宝した。最短が1mのズマロン(1枚目と2枚目)でも、一眼用35mmレンズ並みの最短45cm程度、ビオゴン28mm(3枚めのカニの写真)では21.2cm(元レンズは50cm、なおかつM型ライカボディでは距離計は70cmまでしか連動しない)まで寄れる。

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金沢には何度か立ち寄ったことはあるが、しっかり目指して行くのは初めてだ。長野県の軽井沢近くの実家から上信越道・北陸道と乗り継いでゆく。このルートの冬は、新潟県境手前からかなり雪深い。この日もしっかりと雪が降り積もっていて、車の選択をジムニーにしたのは大正解であった。

雪の高速の運転は緊張するが、無事積雪エリアを過ぎて海沿いの北陸道へ。富山県の魚津で一旦高速を降りて、港で海鮮丼を食べた。

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冬の金沢の風物詩と言えば、庭木を雪の重みから守るための「雪吊り」が有名だが、武家屋敷街の土壁を雪や雨から守るための「菰掛け(こもかけ)」というのは、今回初めて知った。土蔵を藁のムシロのようなもので覆うのだが、「雪吊り」と共に、水分を多く含んだ重い雪が降る北陸ならではの工夫だ。同じ積雪地でも、気温が低く、粉雪が多い信州では、少なくとも僕の生活基盤がある蓼科・諏訪地方や軽井沢方面では見られない。

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15年ほど犬と暮らしているが、「ペットと泊まれる宿」は初めてである。その代わり、テント泊2回、車中泊は5、6回はあるだろうか。そもそも今回も出張ついでであるように、純粋なレジャー目的の家族旅行をする余裕がない。でもその分、フリーランスの自由を生かして人がレジャーに来るような清涼な山の中に暮らしている。旅先から帰ってくると、いつも「でも、結局うちのあたりが一番いいよね」となるのも事実なのだ。そうは言っても、「みんなで宿に泊まる」という経験はやはり一生の思い出になった。部屋も完全なプライベート空間だったので、マメも全くストレスなく一晩を過ごせたようだ。

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宿は金沢港の一角の醤油製造が盛んな「大野」という港町にあった。鄙びた漁村かと思いきや、武家屋敷街に劣らない立派な古い木造の日本家屋が並ぶ。近年あまりお目にかかったことのない、豊かさを感じる港町であった。

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マメにとって良かったのは、この日の金沢は信州に比べて圧倒的に温かかったことだ。雪が降るというだけで北陸は寒いというイメージがあるかもしれないが、寒冷地では「雪が降ると温かい」と言うくらいだ。冬にしてはしっとりとした湿度もあり、ビル風吹きすさぶコンクリートジャングルの東京よりも、体感はかえって温かいかもしれない。

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物事の普遍性こそが、善きものだと考えている僕は、どこへ行っても同じような写真を撮りたい方だ。もちろん、その土地土地の特徴的な風物や空気感を写し取ることにもやぶさかではないが、同じようなものを撮ったとしても、それは自然に写し込まれるものである。土地の固有の歴史とか、空気の臭いとか、日差しの違いとか、そういう「目に見えないもの」だと思われているものも、実はちゃんと目に見えるし、レンズという冷たい機械の目を通してでも、フィルムやセンサーにしっかりと焼き込まれるのだ。だから、僕は写真という表現を肯定的に信じているし、「本当に大事なものは目には見えない。写真にも写らない」というのは、カッコつけの芸術家気取りの戯言だと思っている。

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高台にある神社と公園に登った。僕は可能な限り、その日歩いた町を少し高いところから俯瞰するようにしている。そうすることで、何かその町を自分の中に温かく抱え込めるような気がする。

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最後にもう一度海辺を少し歩いてこの町と別れた。これまであまり撮ってこなかった「海辺の街頭スナップ」にもっと足を踏み入れたくなった。その相棒はまた、このプアマンズライカになるだろう。

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【使用機材】
・Sony α7Ⅱ
・Voigtlander VM-E Close focus adapter
・Biogon 28mmF2.8 ZM
・Summaron 35mmF3.5
・Elmar-M 50mmF2.8
・M-Rokkor 90mmF4


        

by hoq2 | 2017-02-27 18:15 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)