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2010年 11月 29日 ( 1 )

ストリート・スナップ

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Greifswalder Straße, Berlin/ 2005 Contax RTS III Vario-Sonnar 28-85/3.3-4

僕にとって、写真はビジネスではない。「どうやったら金になるか」という入り口から写真と付き合いたくはない。純粋に写真が好きだからだ。結果的に「お金になっている」写真もあるが、特に最近は商品を作っているというスタンスに陥らないようにしている。以前は、営業カメラマンの「売れる写真」の撮り方を真似てみたりもした。だが、あせるとろくなことはない。人生が急激につまらなくなる。とはいえ、最初から「仕事」で撮るならば、出口では商品になっていないと困る。その場合、僕の才能と実力、社会的地位では、読者なりお客さんの目を無視するわけにはいかず、最低限の分かりやすさは担保しつつ・・・ということになってしまう。そういう写真は自分の中では純粋さを欠いている。

一方で、おそらく90年代以降の「写真家」といわれる人たちの写真(商品ではなく、作品と呼ばれるもの)のほとんどが、「ワタクシ写真」になっている。目の前の光景を撮っているのではなく、現実の何かに向かってシャッターを切っているが、実際に撮っているのは自分=ワタクシの心の内面、といった写真だ。もっと軽いところでは、友だちとか今日食べた食事とか、セルフポートレートとか、きわめて個人的な日常を素人っぽいタッチで撮る写真が乱造された時期もあった。今は本当の素人がケータイでそういう写真を撮り、ネット上に機関銃弾のように雨アラレと浴びせているので、「素人っぽい日常写真」が「アーティスト」の特権ではなくなっている。いずれにせよ、僕は、これら「ワタクシ写真」は個人的に興味がない。批判しているわけではなく、単に嗜好の問題で見るのも撮るのもあまり好きではない。もちろん、「この人のワタクシ写真は大好き」という例外はある。
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東京・谷中/2006 Contax RTSIII, Flektogon 20mm 2.8

万人受けする売れる写真でもなく、ワタクシ写真でもなく。

僕が好きなのは、「目の前で客観的に展開されている光景を、ワタクシの心を交えて撮る」ことだ。なんともビミョーな隙間を見ているのかもしれない。そして、キャプションなど言葉では説明しようのない、状況説明ではない、写真でしか表現できない「絵」(言葉で表現することができないものを、ここで言葉で説明することはできない・・・)。自分で撮るのは、その中でもストリート・スナップとか街頭スナップというもので、つまり町を歩きまわって出会った光景を撮った写真。散歩のついでに、ではなく、やはり写真を撮るために歩くので、流行りの「散歩写真」とは違う。

人を絡めたストリート・スナップにはブレッソンとか木村伊兵衛とかそういう巨匠がいる。今の日本では、撮っている人はかなり少ないのではないか。個人情報の意味が取り違えられて一人歩きしているのも、その理由の一つかもしれない。ともあれ、僕は10代の頃からシツコク撮り続けている。「仕事」「金」「商品」とはまったく結びつけずに、心のままに。このカテゴリでも、気の向くまま、ちょくちょく吐き出していきたい。

by hoq2 | 2010-11-29 08:24 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)