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2010年 11月 22日 ( 2 )

Dog Snapshot<4> 地雷探知犬

地雷探知犬
Bagram, Afghanistan /2002
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 かつては葡萄畑が広がる緑豊かな田園地帯だった。「この世の楽園」とも言われた美しい光景が絵画にも残されている。だが、今目の前に広がるのは旧ソ連製の戦車や装甲車の残骸が転がる荒野。その下には、おそらく、かなりの数の地雷が埋まっている。2002年の冬、アフガニスタンの首都カブールに向かう幹線道路で、地雷探知犬に出会った。

 「絶対にアスファルトの外には出ないで」。通訳のムスタファの注意を背に受けながら、車を降りた。この近くの廃墟で英国人ジャーナリストが地雷を踏んで亡くなった事件を知っていたから、それは十分承知していた。探知犬と処理班の兵士たちのすぐそばには、地雷で破壊されたと思われる装甲車の残骸もある。

 兵士たちが立っている場所は犬の後ろ。つまり、捜索済みの「安全地帯」だ。が、正面から写真を撮るには犬の前に行かなければならない。僕は兵士たちに聞いた。
「犬の正面から写真を撮りたいんだけど、入っても大丈夫?」
「犬が捜索を済ませた部分なら大丈夫だろう。責任は負わないが」
 
 結局、捜索済エリアのぎりぎりの淵に立って、この写真を撮った。つまり、僕はNGOが連れて来たというこの犬に命を預けたのだ。だが、今にして思えば危険を冒したのは僕ではなく、この犬である。犬の体重では対人地雷も爆発しないとのことだったが、この場に居合わせた者の中で、本当の意味で命をかけていたのは誰だろうか。

『WAN』2006.9月号掲載

by hoq2 | 2010-11-22 13:20 | 写真(Dog Snapshot) | Trackback | Comments(0)

模型遍歴

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 子供の頃から断続的に凝っているものの一つに「プラモデル」がある。10年おきに集中して作ってはやめ、の繰り返しだ。模型マニア用語で言う「出戻り」というのを繰り返しいる。ただし、僕は元来手先が器用でも造形的・絵画的素養がある訳でもなく、「モデラー」を名乗るほどのものではない。「下手の横好き」というやつだ。

 でも、「模型」というものがどうしようもなく好きである。その理由は写真が好きなのと一緒だ。現実に目の前にあるものを二次元にスケールダウンした写真同様、模型は実物の乗り物やアニメのキャラクターをスケールダウンして立体的に模したものだ。だから、写真と同じように写像である。

 写真は2D、模型は3Dの違いはあれど、絵や彫刻のように一から自分で作り上げるのではなく、カメラ/キットが道半ばまでやってくれる。決して画家や彫刻家への負け惜しみではなく、僕は自分の内面を一から形にしていくタイプではなく、「そこに既にあるもの」を感じて解釈して仕上げたり提示することが好きだ。「僕を見て」という欲求は案外薄くて、淡々としかし集中して「そこにある」ものを感じることに快感を覚える。

 一方で、「そこにあるもの」に自分・カメラ・キットというフィルターを通さねば気が済まないという面もある。フィルターを通して「現実とは似て非なるもの」になった模型や写真のほうが、現実よりも美しいと思ってしまう。だから、素晴らしい景色そのものよりも、それを素晴らしく切り取った写真の方が好きだし、実物の戦車や車にはあまり興味がなくて、上手な人が作った模型を眺めている方がずっと興奮する。

<40年の模型遍歴>
◯幼児(日本)・・・近所の模型屋に一人で行って、真っ青になって探しにきた親にロボダッチを買ってとせがむこと数回。幼稚園くらいでマッハゴーゴーのキットを作った記憶が。
◯小1〜小3(カナダ)・・・兄がヘリコプターをパクトラタミヤで塗っていたのを横で見ていた記憶。やがてモノグラム?のパットン戦車(米軍・ベトナム戦争)を作りはじめた兄に「ボクも作りたい」と言うと、「お前はドイツ軍だ」と言われるも、結局何も作らず?
◯小4〜小6(日本)・・・第一次ブーム。「お前はドイツ軍だ」の兄とは別の兄に手伝ってもらい、初めてのスケールモデル、タミヤのキングタイガー(リモコン)を作る。迷彩塗装のみ、色を塗る。その後、戦艦武蔵とか宇宙戦艦の方のヤマトを作った記憶。やがてガンプラブームにどっぷりはまり、「リアルタイプ」が出るころまでほとんど全MS/MAを作った。ガンプラでプラモ作りの基礎を身につける。このころにはプラモ仲間もできて、やがてスケールモデルの世界にも本格進出。タミヤMM中心に、やはり自分はドイツ軍、友人はアメリカ軍。HJ、PANZERなど購読。イタレリの1号戦車やモノグラムの1/32四号H型も作ったと言えば、分かる人にはどんな小学生か分かるでしょう。
◯中学(ロンドン)・・・模型友だちと離れたことと、日本よりも模型関連が入手難ということもあって、落ち着く。エアフィックスのスピットとかイギリスらしいキットなどちょぼちょぼ。塗装はもちろん、ハンブロールの筆塗り。そういえば、ボブキャットという全然乾かない水性塗料もあった。
◯高校(以後日本)・・・ほとんどやらず。写真を始めた。ポケ戦のガンプラでポリキャップを知ったくらい。
◯大学・・・まったくやらず
◯20代・・・地方勤務をしていた一時期、2年くらい集中してAFV製作。ドラゴン、エッチングパーツ、モデルカステンなどが出てきて活気づいたころ。ドイツ軍中心に結構な台数作った。WWIIドイツ軍ものの新作が出ると模型屋に予約を入れるくらい。おかげで半「積んどくモデラー状態」。ジオラマも2、3。作らなかったキットは転勤時に模型屋に引きとってもらい、その後しばらく休作。
◯30代・・・2年くらい、ガンプラの進化にびっくりしてはまる。MG初期〜中期を中心に作る。
◯最近・・・ガンプラのさらなる進化にびっくり。何体か出戻り的習作をガンプラで作り、現在AFV復帰1作目に取り組んでいる。

以上

by hoq2 | 2010-11-22 03:18 | 模型 | Trackback | Comments(0)