写像的空間
2021-11-19T23:12:35+09:00
hoq2
(フォトジャーナリスト・内村コースケ)写真と犬を愛するフォトジャーナリストによる写真と犬の話。写真は真実の写し鏡ではなく、写像である。だからこそ面白い。
Excite Blog
コース紹介#2 「少し不思議なSF空間」西台コース
http://hoq2.exblog.jp/31895117/
2020-12-16T01:46:00+09:00
2021-11-19T23:10:56+09:00
2020-12-16T01:46:45+09:00
hoq2
ND2 Studioフォトウォーク
Sony α7C / Canon New FD 135mm F2.8
藤子・F・不二雄は、自身のSFテイストの漫画はScience Fictionではなく、ありふれた日常の中に混在する非日常な世界=「Sukoshi Fushigi(少し不思議)」を描いていると語っていた。その少し不思議なSF空間は、僕が大好きな大人向けの『SF短編集』だけでなく、おなじみの『ドラえもん』や『パーマン』でも存分に描かれていた。
ND2 studioの隣には、高度経済成長期に開発された大団地群がある。敷地内に残された武蔵野の森の面影と未来的な超高層住宅が両立し、人工的な竹林、池や噴水、スーパー、幼稚園などもあって、それこそ少し不思議な人工都市である。ただし、ここで感じる未来は、現代基準の未来ではなくて、ちょうど藤子漫画が絶頂期にあった1970年代の“未来”である。そのなんとも説明し難い未来観も、これまた「少し不思議」なのだ。昭和45年生まれの僕がここで感じるのは、のび太のひ孫のセワシ君が住む「トーキョーシティー ネリマブロック ススキガハラストリート」の高層団地のイメージであり、『機動戦士ガンダム』のスペースコロニーの地球環境を模した都市空間である。
Sony α7C / FE 28-60mm F4-5.6
Sony α7C / Voigtländer Color Skopar 21mm F4 P
Sony α7C / Canon New FD 135mm F2.8
Sony α7C / Canon New FD 135mm F2.8
Sony α7C / Tamron SP 17mm F3.5
このSF団地を抜けて環八を越えると、隣町の西台である。ND2 studioがある中台と同じく「谷戸地形」の台地を形成するが、西台はスピリチュアルな雰囲気に満ちている。要所要所にパワースポット的なお寺・神社があったり、丘のてっぺんの開放的な空気感とは対照的な谷底の不思議な空気を感じたり、超狭小な路地の先に廃屋群があったりで、なかなかの曲者である。霊感が強い人は、きっとこの地に「何か」を感じるはずである。そう、西台にもまた、先の団地とは違った形の「SF」があるのだ。
Sony α7C / Leica Summicron 50mm F2 (4th)
Sony α7C / Voigtländer Color Skopar 21mm F4 P
Sony α7C / Leica Summilux 35mm F1.4 (2nd)
コース最大のパワースポットは、その名も「西台不動尊」である。谷戸地形特有のすり鉢状の谷を見下ろすような位置にあり、谷底の淀んだ空気を浄化するパワーを感じる。あるいは東京全体の中で、何か結界的な役割を果たしているのかもしれない。周辺には、江戸時代以前の街道筋の雰囲気もあり、古くから人が住んでいた地域なのであろう。この場の独特な空気は、巨石信仰や自然崇拝などの日本古来の宗教観とも結びついているような気がしてならない。
Sony α7C / Voigtländer Color Skopar 21mm F4 P
Sony α7C / FE 28-60mm F4-5.6
Sony α7C / Canon New FD 135mm F2.8
夕方の公園に響く子どもたちの歓声を背に、西台の丘の頂に立つ。そこから見下ろす環八の渋滞はちっとも不思議ではない現実世界のもののはずなのに、一帯にはまだSF=少し不思議な空気が漂っていた。
Sony α7C / FE 28-60mm F4-5.6
Sony α7C / FE 28-60mm F4-5.6
Sony α7C / Canon New FD 135mm F2.8
ND2 studioのフォトウォークでは、「中台コース」「上板橋コース」「西台コース」の3コースを設定しています。この「西台コース」は、大規模な高層団地群を抜け、ミステリアスな西台の丘を探検する全行程1時間30分〜2時間のコースです。
Nikon F3P / Ai Nikkor 28mm F2.8 S
Sony α7C / FE 28-60mm F4-5.6
Sony α7C / FE 28-60mm F4-5.6
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コース紹介#3 「継続する昭和」上板橋コース
http://hoq2.exblog.jp/31894950/
2020-12-15T22:59:00+09:00
2021-11-19T23:10:21+09:00
2020-12-15T22:59:54+09:00
hoq2
ND2 Studioフォトウォーク
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
昭和生まれのストリート・スナッパーは、どうしても古き良き「昭和の風情」を求めてしまう。後ろばかり見ている「ノスタル爺」ほど寂しい存在はない。しかし、スナップ・フォトでシャッターを切る動機となる「風情」は、眼前の光景に刺激を受けて開いた写真家の「記憶の引き出し」と連動している場合が多い。小さな感動で幸せを感じられる人ほど、そして、その幸せの記憶の数とバリエーションが多い人ほど、スナップシューティング向きの写真家だと僕は思う。
つまり、ストリート・スナップは、必然的に「追憶のフォトウォーク」となり、昭和の思い出を豊富に持つ中高年が町に昭和の残滓を探してしまうのは、ごく自然な成り行きなのである。そして、私鉄の駅前商店街とそこに至る住宅地を通るこの「上板橋コース」には、私たち「ノスタル爺」のアンテナに響いてくる「生きた昭和」が点在し、町全体の空気感を形成している。
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
実は、僕はND2 studioがある板橋区とは、これまでほとんど縁がなかった。幼少時は目黒区・品川区で育ち、高校生以降で縁が深いのは葛飾区・台東区・江東区だ。20代で地方に出て、30代で平成の東京に帰って来た時には、一人暮らしの身軽さで再び下町に自ら好んで住んだ。幼少時の東京で体験したリアルな「昭和」がまだ残っている町を本能的に求めたのかもしれない。だが、こと「昭和感」で言えば、令和の下町は既に一周回ってしまっている。今の下町の昭和は、残滓というか遺跡というか、リアルの生活の中では消えかけていて、形骸的な過去のイメージに落ちてしまっているように思うのだ。
一方、ND2周辺の志村・上板橋地区の印象は「昭和が継続する町」である。下町では一周回って、自分が生きた昭和40〜60年代の生活が断絶しているように感じられるのに対し、ここではその時代の人々の暮らしがまだ継続しているように見えるのだ。人口統計データなどには依らない、いちストリート・スナッパーとしての感性(妄想)にすぎないのだが、ともかく中台や上板橋を歩いていると、僕の昭和の記憶の引き出しがバカスカ開いていく。
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
とはいえ、昭和に思い入れがない人には、そのあたりはどうでもいいわけで、正直、昭和の思い出の引き出しを大量に持っている僕には、若い人たちがこの「上板橋コース」にどんな風情を感じるのか分からない。世代に関係なく通じる映画や漫画で描かれるような美化されたノスタルジーを感じるには、多分、ここの生活感はリアルすぎるのではないか。だから、たとえば浅草観光のようなつもりで歩くコースではないと僕は思う。だからこそ、ぜひ若い人たちにも撮り歩いてもらって、全く違う捉え方の写真を見てみたい。
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
ND2 studioのフォトウォークでは、「中台コース」「上板橋コース」「西台コース」の3コースを設定しています。この「上板橋コース」は、最寄り駅の上板橋駅に向かい、途中の庶民的な住宅地や駅前商店街を巡る全行程1時間30分〜2時間のコースです。
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
Sony α7C / Tamron 28-200mm F2.8-5.6 Di III RXD
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「モデルウォーク」始めました
http://hoq2.exblog.jp/31893358/
2020-12-15T00:14:00+09:00
2021-11-19T23:12:35+09:00
2020-12-15T00:26:07+09:00
hoq2
ND2 Studioフォトウォーク
ND2 studioでは、ストリート・スナップをはじめとするスナップフォトこそ写真の王道と考えています。そのため、「写真はスナップに始まり、スナップに終わる」というモットーを伝え、共感していただけるイベントとして、スタジオ周辺の3コースで「フォトウォーク」イベントを定期的に開催します。
もちろん、所属カメラマンはスナップフォト以外の写真撮影にも精通し、商品撮影、建築撮影、風景撮影などさまざまなジャンルのご依頼を受けています。その中でも、コーポレートサイトや学校案内などに使用する人物撮影は、特にご依頼の多いジャンルです。そこで、スナップフォトを大切にするND2らしい人物撮影の提案として、スタジオ周辺での「モデルウォーク」というお客様向けの撮影コースをご用意しました。
<ND2の「モデルウォーク」とは>
・ND2スタジオを拠点に、周辺の「フォトウォーク」のコースにあるユニークなスポット(公園・路地・階段・歩道橋・トンネル・商店街など)を、カメラマン(お客様)・モデル・案内役兼アシスタント(ND2カメラマン)の3人で歩き、モデル撮影をします。
・原則として、カメラマン(お客様)とモデルの1対1の撮影となります。1人のモデルを複数のカメラマンが撮影する撮影会スタイルではございません。
・ND2のプロカメラマンが1名、案内役兼アシスタントとしてつきます。撮影スポットへのご案内、ストロボ・レフ板などの機材の運搬、撮影補助、セッティングのお手伝い、お荷物の管理、周辺環境への配慮等をさせていただきます。初心者の方など希望者には、撮影のアドバイスも致します。
・撮影スポットは、原則として歩道・公園などの公共空間です。事前にご相談いただけば、撮影許可が必要な施設内などでの撮影もアレンジします。
・拠点となるND2 studioは、マンションの一室の写真事務所です。事務所機能がメインで本格的なフォトスタジオではございませんが、背景紙と照明機材を使ったバストアップ程度のポートレート撮影が可能です。また、モデルさんとの事前打ち合わせ、着替え、大画面モニターでの撮影画像の確認にもスタジオをご利用いただけます。
・照明機材、カメラ、レンズ、三脚などの貸し出しをいたします。
・モデルはND2で手配できますが、お客様ご自身でご手配いただいても構いません。
・撮影時間は、打ち合わせ・休憩・撮影後の画像確認等を含め3時間程度です。
・価格は正式発表をお待ちください。ND2がモデルをアレンジする場合は、モデル料 + スタッフ・施設利用料で税込み3万円〜(モデルによって変動)となります。モデルを自前でご手配される場合は、 スタッフ・施設利用料のみで2万円となります。
さて、掲載写真が気になりますよね。人気モデルの彩夢(あやめ)さんと「モデルウォーク」の達人、なみさんの撮影風景です。上記の形のモデルウォークのテストケースとして、先日、ND2の撮影コースを利用していただきました。2時間ほど旧事務所周辺の「中台コース」を歩き、6ヶ所の撮影スポットにご案内しました。今回はいずれも徒歩圏内でしたが、場所と条件によっては車での送迎もできるよう考えています。
なみさんの気になる作品は、こちら! ↓
※今回の撮影は、ND2の「モデルウォーク」のテストを兼ねた「ハードロックカフェ」の商用撮影です。モデルの彩夢さんを一般のお客様向けにND2から手配することはできません。
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コース紹介#1 「階段迷路」中台コース
http://hoq2.exblog.jp/31883538/
2020-12-09T03:46:00+09:00
2021-11-19T23:11:45+09:00
2020-12-09T05:30:53+09:00
hoq2
ND2 Studioフォトウォーク
写真事務所「ND2 studio」では、旧スタジオがあった東京・板橋区や現スタジオがある下町エリアでフォトウォークを開催しています。ND2のプロカメラマンが一緒に街歩きをし、ストリート・スナップのポイントをご案内します。本ブログでは、開催されたフォトウォークの様子や、コース紹介を随時公開しています。
Sony α7C / Carl Zeiss Biogon 28mm F2.8 ZM
人間には108の煩悩が備わっていると言われるが、これを払うために除夜の鐘は108回撞くのが正式だ。お寺の階段も、一段ずつ煩悩を払いながら登るために108段に設定されているものが多い。貪(とん=むさぼり)・瞋(じん=怒り)・痴(ち=愚かな事)の3つが煩悩のもとである。悟りを開くには、表面的な108の煩悩と共に、究極的にこの3つを捨て去らねばならない。
ND2スタジオがある板橋区中台は、小高い丘が連なる「谷戸地形」の一角にある。中台エリアと若木エリアとの境界を通る「若木通り」が尾根を形成する“山”になっているのだが、その「中台の山」の中にも細かな起伏があり、すり鉢状の谷を形成してさながら立体的な迷路になっている。宅地化されている現代の中台は、急斜面は階段になっていて、大小の階段でつながる路地が多く見られる。広島県の尾道や台湾の頭城鎮が「階段の路地」の風情で観光地化しているが、日常の中に非日常や心象風景を見つけられるスナップシューターならば、この中台がそれらに匹敵するフォトジェニックな町であることは、少し歩けば分かるだろう。
ちなみに、上の写真は、中台の山の西南の斜面にある大階段だ。ここを、每日5往復する地元の老人がいる。「タダだし、いい運動になるよ」と言うその老人によれば、この階段はちょうど108段あるそうだ。每日5往復もしていれば、その老人の煩悩はすっかり払われているはずだが、真偽は実際に登って確かめてほしい。
Sony α7C / Leica Summilux 35mm F1.4 (2nd)
Sony α7C / Leica Elmarit 90mm F2.8
Sony α7C / Voigtländer Color Skopar 21mm F4 P
三次元を二次元に変換する写真表現において、三次元的な立体的な構図は魅力的だ。尾道や頭城鎮がスナップシューターに人気なのも、そのためだろう。中台の町を歩いたあるカメラマンの口からは、「イタリアの城塞都市」という言葉が出た。私(内村コースケ)は、20代の頃に歩いたポルトガルのオビドスを思い出す。やはり城壁に囲まれた立体的な町で、「中世の箱庭」とも呼ばれる。
そう、中台を階段と斜面に囲まれた一つのすり鉢状の渓谷がある「山」として捉えると、「箱庭」という表現がしっくり来る。僕は、写真を撮ることを人生の中心に据えているが、その3D版と言えるプラモデルのジオラマも大好きだ。「箱庭」を愛でるという点で、街歩きスナップとジオラマや鉄道模型のレイアウト、盆栽作りなどには共通点がある。そして、ジオラマや鉄道模型のレイアウトを眺めていると、その箱庭世界に入ってみたくなる。箱庭の中を歩いてディティールを拾う中台ウォークは、そんな夢の世界に近いかもしれない。
Nikon F3P / Tamron SP 70-210mm F3.5
Nikon F3P / Ai Nikkor 20mm F3.5
Nikon F3P / Tamron SP 70-210mm F3.5
もちろん、ストリート・スナップの真髄は撮影する「場所」そのものにあるのではなく、写真を通じてそこに投影される撮影者の「心」にある。階段の迷路の空気感を感じながら、ディティールに目をやり、心を込めてシャッターを切る。そんなフォトウォークのお手伝いができればと思う。
ND2 studioのフォトウォークでは、「中台コース」「上板橋コース」「西台コース」の3コースを設定しています。この「中台コース」は、谷戸地形の住宅地を縫う階段と路地、斜面にある公園を巡る全行程1時間30分〜2時間のコースです。
Nikon Df / AF Nikkor 35-70mm F2.8
Sony α7C / Lica Summicron 50mm F2 (4th)
Sony α7C / Leica Summilux 35mm F1.4 (2nd)
Sony α7C / Leica Elmar 135mm F4
Sony α7C / Voigtländer Color Skopar 21mm F4 P
Sony α7C / Voigtländer Color Skopar 21mm F4 P
Sony α7C / Leica Elmarit 90mm F2.8
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リタイア犬日記㉛ 2020 5/24 新緑の季節に再スタート
http://hoq2.exblog.jp/31239809/
2020-05-25T02:04:00+09:00
2020-06-26T00:47:24+09:00
2020-05-25T02:04:26+09:00
hoq2
リタイア犬日記
連休明けの5月14日、ここ長野県を含む39県で、緊急事態宣言が解除された。そして、例年はゴールデンウィーク後半に開花する自宅前のヤマザクラが、ようやく花を咲かせた。園芸種のソメイヨシノと違い、日本古来の原種に桜であるヤマザクラの花は、葉と同時に開く。ソメイヨシノがほとんどない北海道の人にとっては、こっちが当たり前で、本州の桜の風景には違和感を感じるそうだ。旭川あたりに近い気候と言われる我が家の周りでも、ヤマザクラが中心で、東京よりも1ヶ月以上、周囲の市街地よりも半月ほど桜の季節が遅い。
ヤマザクラが咲くと、こごみなどに山菜も食べ頃になり、茶色い冬景色が一気に新緑の緑に覆われる。紅葉の季節と並んで、高原が一年で最も美しい季節だ。これまで、ゴースケとマメと過ごしてきたこの季節を、今年はマメスケと過ごしている。それはとても幸せなことだ。
この時期の季節の移り変わりは早い。ヤマザクラの花は3、4日もすれば散り始め、こごみの葉は一気に開いて食べごろを過ぎてしまう。その頃には、木々に緑の葉っぱがつき始め、梢(こずえ)で高らかにさえずるオオルリの姿も葉の向こう見えなくなる。その山を歩くマメスケも、暑さによるハアハアが始まって口が開く。その表情は、人間の目には笑っているように見えるから、「笑顔の季節」という形容もありかもしれない。
もちろん、犬をいたずらに擬人化して安易に「笑顔」と決めつけるのは危険である。ハアハアしていようといまいと、犬は楽しい時には目を輝かせている。そういう意味では、この2ヶ月のステイホーム期間で、マメスケの「笑顔」を見ることが多くなったような気がする。昨年9月に会った時から、本当によく僕たちについてきてくれた。最初の頃垣間見えたよそよそしさ、カメラを向けるとスッと視線を外す気まずさ、そういったものがここに来てほとんどなくなってきたのを、ひしひしと感じる。この高原の暮らしが緑に包まれたのと同時に、彼が100%僕らをしてくれるようになったと実感している。
この2ヶ月間、辛いことはあまり書かなかったが、もちろん、いくつかの仕事が流れたり、楽しみにしていたイベントが中止になったりと、困ったこと、悲しいことはいくつかあった。中でもショックだったのは、この「リタイア犬日記」を連載していただいている『愛犬の友』が、6月25日発売の7月号をもって休刊するという知らせだった。詳しい内情は分からないが、近年の雑誌離れにコロナ渦が追い打ちをかけてしまったのは想像に難くない。70年の歴史を持つ愛犬雑誌中の愛犬雑誌の最後の号に、マメスケとの絆を写真と文章で残すことができるのは大変光栄だ。でも、心にぽっかりと穴があいたような寂しさの方が強い。ともかく、今は、「ありがとうございました」とお礼を言うしかない。
でも、「愛犬の友」の連載が終わっても、この「リタイア犬日記」は、マメスケとの暮らしが続く限り、ブログは変わらず継続します。今後は、雑誌の発売に合わせていた更新も、リアルタイムにして、よりIT化の進んだ「新しい生活様式」と共に、新たな再スタートを切ろうと思う。折しも、明日25日には、東京・北海道を含む全国で緊急事態宣言が解除されるというニュースが飛び込んできた。新しい道をマメスケと歩き続けられることに、むしろ期待を膨らませている。
本ブログの内容をまとめた『愛犬の友』の連載「リタイア犬日記」は、2020年7月号の第4回をもって、『愛犬の友』の休刊に伴い終了しました。ブログの方はマメスケとの生活がある限り、ずっと続きます。これからもよろしくお願いいたします!
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リタイア犬日記㉚ 2020 5/2 山暮らしの社会的距離
http://hoq2.exblog.jp/31239741/
2020-05-25T00:58:00+09:00
2020-06-26T00:52:17+09:00
2020-05-25T00:58:46+09:00
hoq2
リタイア犬日記
山に籠もっていても、テレビは見ずともネットはその分よく見ているから、「社会的距離」だの「三密」だのというアフターコロナの都会の世知辛い話は頻繁に耳に入ってくる。マスメディア情報だけでなく、SNSを通じた友人・顔見知りの動向からも、今の都会ではどれほどストレスがたまっているか、容易に想像できる。でも、目の前の僕らの生活はというと、ご覧の通り、社会的距離を撮ろうにも、ほかにだーれもいない空間が広がくばかりだ。
山を下った町の様子も、東京などに比べれば至って平穏である。ここ何年も家の給湯器が壊れていたために頼っていた周辺の日帰り温泉施設が軒並み休業になったこと、さすがに町へ買い物に行く時は僕らもマスクをしてくこと、外食の店は開いてはいるけれどテイクアウトがメインになっていること。以前と変わったのはこの3点くらいだ。会社勤めで子供がいればでもっと変化はあったのだろうが、幸か不幸かマメスケとの3人暮らしは気楽なものである。
ゴールデンウィーク中は、別荘に来る人が増えたが、それでも、密というには程遠い状態。僕は、「他県ナンバー狩り」をするようなムラ社会の体質とは無縁な移住者なので、都会から別荘地に人がやってきても、ウエルカムである。最初からそこに定住僕らの生活は、ゴールデンウィーク中も全く変化なし。原稿書きなどの仕事が一段落したので、愛車の30年落ちのフィアット・パンダを、3日かけて手塗りで青からダークエローに塗り替えた。新生パンダの初ドライブの助手席には、当然マメスケが乗った。
蓼科エリアでは聞かなかったが、隣の清里・八ヶ岳方面では、移住者や別荘族の他県ナンバーの車が傷つけられたりという話も聞こえてきた。別荘=自分の家に来るのもダメなのなら、観光地などやめた方がいい。世界規模の感染拡大をムラの論理に支配された狭い世界の中でしか考えられないとすれば、その点だけについて言えば、それは生まれの不幸だとしか言いようがない。アフターコロナの世界は、東京一極集中をやめて、日本を広く使う世の中になって然るべきである。そのためには、都会に住む人も地方在住者も、共に意識改革をしなくてはならないだろう。「自粛警察」なんていう村社会の権化のようなものがはびこっているうちは、日本の先行きは暗いとしか言いようがない。
車の色も塗り替えたことだし、マメスケ用のシートベルトを新調した。そのテストも兼ねたドライブから帰ってくると、アスファルトの間からこごみが芽を出していた。高原の遅い春も、もうすぐ本番だ。
※「リタイア犬日記」は、『愛犬の友』の連載と連動して公開しています。
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リタイア犬日記㉙ 2020 4/30 桜の季節
http://hoq2.exblog.jp/31239677/
2020-05-25T00:10:00+09:00
2020-06-26T00:51:51+09:00
2020-05-25T00:10:30+09:00
hoq2
リタイア犬日記
高原で暮らしていると、桜の季節が長い。今年は東京の仕事場に行っていないので、3月下旬の都内の満開の桜は見逃したが、最初に見たのが同時期に咲き始めの埼玉県の名所の桜。その後しばらくステイホームが続いたが、4月21日にマメスケの健康診断で実家方面のエリアの動物病院に行った際に、山里の散り際の桜をマメスケと一緒に見ることができた。自宅がある1380mの別荘地では、家の前のヤマザクラの巨木が例年ゴールデンウィークの後半からゴールデンウィーク明けにかけて花をつける。それに先駆けて、4月下旬に山を下った里の村でタカトオコヒガンザクラ、ソメイヨシノの順に満開を迎える。つまり、3月後半から5月前半にかけて、1ヶ月半ほど桜を楽しめる猶予があるのだ。これもまた、山暮らしの知られざる恩恵である。
今年は、高原のヤマザクラの開花がとても遅い。暖冬と言われたが、春先に何度も大雪が降るなど、冬が長かった。里の花盛りと打って変わって、山の別荘地はまだ冬景色。自宅前の古木もまだ、全く花の気配はない。例年のようにゴールデンウィーク中には花を咲かせそうにない。
それでも、家の中はだいぶ暖かくなってきて、春眠をむさぼるマメスケの寝顔が一層の癒やしを与えてくれる。
※「リタイア犬日記」は、『愛犬の友』の連載と連動して公開しています。
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リタイア犬日記㉘ 2020 4/16 テレワークの日々
http://hoq2.exblog.jp/31239615/
2020-05-24T23:33:00+09:00
2020-06-26T00:50:38+09:00
2020-05-24T23:33:53+09:00
hoq2
リタイア犬日記
4月16日、全国に緊急事態宣言が発令された。ただ、うちはコロナ以前からテレワークで、もともと山ごもりに近い生活をしているので、影響は極めて少ない方だ。僕も妻もフリーランスの個人事業主で、妻はインターネット回線があればほぼ100%自宅でできる仕事をしている。カメラマン業とライター業を兼ねている僕は、「現場」に行かないと成り立たない仕事ではあるが、家で編集・執筆すべき緊急事態宣言前に取材済みの素材が山ほどあり、幸い、Skype・Zoomを使ったリモート取材、チャットによる写真講師の仕事など新規案件にも恵まれて、当面はなんとかなりそうな状況である。
その中には、リモートワークをテーマにしたPR記事の執筆依頼もあって、上の写真のような形で、マメスケにもイメージカットに登場してもらった。
ママっ子なマメスケも、最近は、やっぱり「みんなが揃っていないとダメ」という感情も強くなってきているようだ。散歩に僕と2人で出ても、妻が来ないと家の方を振り返ってなかなか在るき出そうとしないのは前からだが、最近は僕の方が欠けていてもその傾向を示すようになった(妻を待つ時よりもだいぶ弱いコダワリなようだが)。これは、先住犬のフレンチブルドッグのゴースケとマメでも同じだった。この2頭の場合は歳をとるほどに「みんなが揃っていないとダメ」病は強くなっていった。11歳7ヶ月になったマメスケも、同じ道をたどるのだろうか。
最後に東京へ行ってからちょうど1ヶ月になるが、その間はほぼずっと「みんなが揃った」状態であった。人間は時に一人になってヤレヤレと羽を伸ばしたいところだが、犬は、特に生まれた時からずっと人と共に暮らし、留守番の機会が少ないアイメイトの場合は、「飼い主の側にいる」ことは食べることと同じくらい人生の大事であろう。その意味では、このステイホームの日々は、マメスケにとっては至福の日々なのかもしれない。
※「リタイア犬日記」は、『愛犬の友』の連載と連動して公開しています。
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リタイア犬日記㉗ 2020 4/5 マメスケと僕たちだけの生活
http://hoq2.exblog.jp/31237213/
2020-05-24T02:30:00+09:00
2020-06-26T00:50:03+09:00
2020-05-24T02:30:35+09:00
hoq2
リタイア犬日記
マメスケと暮らす自宅は、スキーリゾートの白樺湖・車山から少し下った標高1380mの山中にある。本来は東京の仕事場と実家を行き来する3拠点生活だが、新型コロナウイルスの影響で、4月に入ってもここから出ない山ごもりの生活は続いている。
僕たち夫婦は、先住犬のフレンチ・ブルドッグのゴースケとマメとともに、2011年にこの地に移住した。東日本大震災の5ヶ月後のことで、当時は福島第一原発事故による放射能汚染を恐れて東京を離れる人が見られたが、僕の場合はそれが理由ではない。目に見えない真偽不明の恐怖にパニックを起こすような余裕は僕にはなく、「生活が立ち行かなくなる」という現実的な不安の方がずっと大きかった。震災は、リーマン・ショックに始まった不況に止めを刺した。この原稿を書いている2020年4月時点で、フリーランスや俳優、音楽関係者らアーティストに対する新型コロナウイルスによる休業補償計画の"手薄さ"が話題になっているが、日本は「会社員にあらざれば人間にあらず」と言いたくなるような、文字通りのサラリーマン社会である。だから、震災当時は、僕のような個人事業主の多くが本当に苦しんだ。僕などから見れば目がくらむほどのメジャーな仕事をしていた人ですら、何人も廃業した。業界の末端にいた僕などは当然のごとく東京で高い家賃を払い続ける生活を続けるのが難しくなり、いっそ生活スタイルをリセットする決断に至った。
もちろん、あらゆる物事には複合的な要因がある。もともと、いつかは東京を離れ、北海道のような広々とした場所で暮らしたいという夢はあった。そう思うようになったきっかけは、フリーランスになり、結婚したのとほぼ同時に、犬を飼い始めたことだ。吠えてもダメ、走ってもダメ、団地内を散歩してもダメ、建物に入ってもダメのダメダメ尽くし。犬の権利がほとんど保証されていない日本の都会で、犬と暮らすのは心苦しかった。だから、移住の理由の残り半分は犬との生活を充実させるためだ。
実際、ここでの暮らしには空間は無限と言っていいくらいある。よほど自分から積極的にならない限り、人と会わなくてもいい暮らしである。臆病な性格だったゴースケにとってはそれで心の平穏が保てたと僕は信じているし、甘えん坊のマメも、近所迷惑の心配がないこの家で、心おきなくキャンキャンワンワンと大きな声でワガママを言うことができた。
一方のマメスケは、寝言は言うが、起きている時は全く吠えないので、ちょっともったいない気はする。アイメイトはそもそも視覚障害者の目として人間社会に参加してきたので、満員電車や会社のオフィス、スーパーやレストランなどに入っても周りに迷惑をかけない、自分もストレスを感じないように育ってきている。物事に動じない性格が血統的に受け継がれてもいる。だから、都会でも十分に楽しく暮らせるのだが、反対に、このコロナ渦で山ごもりとなっても、それはそれで全く動じない。
そもそも、やはりのびのびととした山暮らしはリタイア後の環境としては、最高だろうと自画自賛ぎみに思う。家があるのは公道から独立した別荘地だし、車が入ってこられない誰もいない遊歩道や林道が周囲にはいくらでもある。気をつけなければいけないのは鹿用の罠くらいで、犬がフリーで過ごすドイツなどのヨーロッパの環境とほとんど変わらない。
4月8日、久しぶりに山を降りて、ふもとの諏訪湖畔を少し歩いた。東京ではもう散っているはずの桜が、咲き始めていた。その6日後の蓼科は、雪不足だった真冬が嘘のような積雪。まだまだ不安定な日々。本格的な春はしばらく先なようだ。そんな人間の揺れ動く心理をよそに、マメスケはいつも通りどっしり構え、日々の確信に満ちた暮らしを続けている。
※「リタイア犬日記」は、『愛犬の友』の連載と連動して公開しています。
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リタイア犬日記㉖ 2020 3/28 立ち込める霧
http://hoq2.exblog.jp/31237129/
2020-05-24T00:58:00+09:00
2020-06-26T00:46:57+09:00
2020-05-24T00:58:33+09:00
hoq2
リタイア犬日記
これまでにも折に触れて書いてきたが、僕たちは長野県・蓼科高原の自宅と仕事場にしている東京のワンルームマンション、同じく長野県の浅間山麓の一人暮らしの母の家を行き来する3拠点生活をしている。「ずっと山に籠もっているのは寂しくない?」という声には「ちょくちょく東京に行っているので大丈夫」と答えてきたし、父が亡くなってから一人になった老母の様子も見ているという免罪符も持っている。だから、これはこれでなかなか快適な生活である。前世占いでは、僕はいつも「遊牧民」とか「旅芸人」とか言われるのでなおさらだ。
しかし、こんな暮らしにも、新型コロナウイルスの流行の影響は例外なくのしかかってきた。3月15日を最後に、蓼科に篭もりっぱなしの生活が続いている。流行の中心地の東京に行けないのは言わずもがな、83歳の母親に万が一でもうつしてはいけないと、実家にも当面行かないことにした。早くてもも5月の連休明け、下手したら半年、いや一年はこの山ごもりが続くかもしれない。
まだ冬の気配が濃厚な3月末の蓼科に、そんな世相を反映したような濃霧が立ち込めた。その翌日には季節外れのドカ雪。でも、そんな不安定な天気の先には、花咲く春の訪れと全てが生まれ変わる新緑の季節がある。「霧はいつか必ず晴れる」と、かえって山ごもりの日々を楽しんでいそうなマメスケは、泰然自若としたものだ。
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リタイア犬日記 ㉕ 2020 3/24 なんだか子供っぽくなった
http://hoq2.exblog.jp/30904704/
2020-03-25T01:31:00+09:00
2020-05-24T02:35:25+09:00
2020-03-25T01:31:26+09:00
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リタイア犬日記
「なんだか子供っぽくなった」。マメスケの表情を見ていてそう思うようになったのは、単独の東京出張から蓼科の家に帰ってきて、1週間ぶりに再会してからだ。3月下旬の蓼科は、まだ雪が降ったりする真冬と初春の間のような季節だ。桜の開花の声も聞こえてきた東京から帰ってきて、1ヶ月ばかり季節が巻き戻されたのと同時に、3月で10歳半になったマメスケの精神年齢も巻き戻されたような錯覚に陥った。
その理由の一つは、やっぱり、オヤツ作戦の影響かなあ、と思う。今年に入ってから、マメスケのカメラ嫌いを克服するため、写真を撮った後に限って、ご褒美にオヤツをあげることにした。アイメイト協会では、おやつなどの物理的なご褒美を使った訓練は行わない。手っ取り早い問題解決では真の信頼関係を築けないという考え方だ。よくできた時には心から褒め、いけないことをしたらピシッとその場で叱る(ここでも、叩くなどの物理的な「罰」は与えない)。それによって、人と強い精神的な絆を築いているのが、アイメイトである。
一方で、近年の家庭犬のしつけでは、トリーツ(オヤツ)を使い、一切叱らない陽性教化を取り入れているプロが多い。確かに目の前の問題を解決することにおいては、効果はてきめんだ。反対に、我々一般の飼い主には、一歩間違えれば逆効果になるため、特に「叱る」のはとても難しい。この現状をふまえつつ、僕はアイメイト流の訓練(しつけ)をベースとしつつ、マメスケが僕たちにすっかり心を許した頃を見計らって、オヤツを限定的に解禁した。
その結果、カメラを向けても以前のようにスッと目を逸すことはずいぶん減ったし、オヤツがなくてもカメラ目線をくれるようにもなった。ただ、注意なければいけないのは、キラキラお目目でこっちを見ているかわいい表情の多くは、「オヤツちょうだい」の期待顔だということ。それをもって「かわいい」とするのは、いち飼い主としても、カメラマンとしても安易過ぎると思うのだ。少なくともプロとしての写真撮影においては、そこはきっちりと見極めて、オヤツに頼りすぎないように気をつけなければならない。
そんなわけで、最近のマメスケの表情を、僕は「オヤツ頭」になっている時の表面的なかわいさを割り引いて見ている。それでも「幼くなったなあ」というのが率直な感想なのだ。それはきっと、以前に増して、僕たちに甘えてくれているからだと思いたい。
ゴールデンウィークの頃、蓼科は一年で一番気持ちのいい季節を迎える。
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リタイア犬日記㉔ 2020 3/6 ハードボイルド・トウキョウ
http://hoq2.exblog.jp/30904539/
2020-03-25T00:29:00+09:00
2020-05-24T02:35:03+09:00
2020-03-25T00:29:02+09:00
hoq2
リタイア犬日記
新型コロナウイルスの脅威が現実味を帯び始め、トイレットペーパーが町から消えかけたころ、東京に1週間ほど滞在した。そんな人間社会の雰囲気を察したわけではないだろうが、東京でのマメスケの写真を見返していると、長野にいる時よりも表情に緊張感があるように見える。
緊張感と書いたが、それは不安に近いナーバスな感じではなく、マジメな感じというか、大人のオトコの表情というべきか。ピシッと人の横に並んで町を歩くのが彼の仕事だったわけで、リタイアした今も、狭い東京の歩道では、必然的にリードを短く持ってそういう歩き方になる。自由に歩かせている蓼科の家の周りの散歩道(別荘地の私道)では見られない、「仕事モード」の表情になっているのかもしれない。あるいは、東京のワンルームマンションの恐ろしく狭くるしい生活で、そういう表情になっているのだとすれば、ちょっと申し訳ない。人間だって、都会の場末の探偵事務所みたいな所で生活していれば、眉間に深いシワのあるハードボイルドな顔つきになるものだ。
一方で、通行人とほとんど出会わない山暮らしと違って、東京では町の人に声をかけられたり、撫でてもらったりする機会が格段に多い。特に、住宅事情で大型犬が珍しい下町では、「大きなわんちゃん!」と珍しがられることも少なくない。真っ白な毛並みも目立つし、好印象を与えることが多いようだ。そんなわけで、ハードボイルドになりがちな都会も、それはそれで楽しんでくれているといいのだが・・・
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リタイア犬日記 ㉓ 2020 2/21 穏やかな顔つき・軽井沢編
http://hoq2.exblog.jp/30904370/
2020-03-24T23:08:00+09:00
2020-05-24T02:34:34+09:00
2020-03-24T23:32:20+09:00
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リタイア犬日記
マメスケは、みんなに「優しいお顔ねえ」「おとなしいねえ」と言われる。親ばかだけど、僕もそう思う。<リタイア犬日記⑲>で書いたように、当初はカメラ嫌いでその感じを写真で伝えるのに苦心していたが、禁断の「オヤツ作戦」を解禁してから、写真撮影の際のお互いの息が合うようになってきた。上や下の写真のような表情が、彼の穏やかさをよく表していると思う。
以前にも書いたが、僕たち家族は、長野県・蓼科高原の自宅と、浅間山麓の実家、東京の下町の仕事場の3拠点生活をしている。マメスケはどこが一番好きなんだろう。それぞれの生活で表情に違いがあるのか、読み取れればいいなと思う。今のところ、まだそのあたりはよく分からない。
ちなみに、ここに載せているのは、実家周辺での写真。蓼科の山の中の家よりは少しだけ町で、家の中は暖かく、快適なはず。蓼科ほど自由に歩き回れるフリースペースはないが、東京よりはずっと田舎でのんびりとした環境だ。軽井沢が近いので、時々はオシャレカフェなんかにも行く。少なくともいつもの穏やかな様子で過ごしているので、ちょっとだけセレブのにおいもするこの生活も、まんざらでもないようだ。
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リタイア犬日記㉒ 2020 2/4 おさがりの赤いコート
http://hoq2.exblog.jp/30903529/
2020-03-24T19:25:00+09:00
2020-05-24T02:33:58+09:00
2020-03-24T19:25:17+09:00
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リタイア犬日記
冬になってから着せているこの赤いコートは、実家のマリーのおさがりだ。マリーはメスのゴールデン・レトリーバーで、ちょうど3年前の2月、9歳の若さで突然旅立ってしまった。もともとは近所のゴールデンの女の子の遺品で、つまり「おさがりのおさがり」。男の子なのに赤いコートを着ているのは、そういうわけなのだ。
このコート、僕は最近まで母がとっくに処分したと思っていた。それが3年後の命日の前に、実家の僕の仕事部屋から、何気なくふっと見つかった。マリーの2年半後に亡くなったマメも赤い服をよく着ていたけれど、マメスケにも赤い服を着せてね、とマリーとマメが言っているような気がした。
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リタイア犬日記 ㉑ 2020 1/28 雪道を走る!再び
http://hoq2.exblog.jp/30903304/
2020-03-24T18:24:00+09:00
2020-05-24T02:33:15+09:00
2020-03-24T18:24:48+09:00
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リタイア犬日記
9月にうちに来た当初は全く走るそぶりを見せなかったマメスケも、最近は走る姿がそれほど珍しくなくなった。と言っても、ドッグランでガンガン走ることは決してない。オヤツをもらって「うれしーい!」と10メートルばかり走ったり、大好きなママを見つけて駆け寄るくらいである。その中で最もよく走るシチュエーションはやはり「雪」だ。彼がこれまでどこでどんな暮らしをしてきたか知る由もないが、僕たちとの信州の高原での生活では、冬は雪遊びができる。近年に漏れず、今年も暖冬で雪がない日の方が多い冬だが、それだけに、たまに積もると喜んで駆け出す。
そんなマメスケだが、2月に不適格犬(何からの理由でアイメイトになれなかった元候補犬)たちと雪原で遊んだ時は、若い生粋の家庭犬である彼らのテンションには到底かなわなかった。アイメイトの飼育奉仕は、特にしつけをせずに、のびのびと成犬になるまでの1年間を過ごしてもらうことを旨としているが、ボール遊びは数少ない禁止事項の一つだ。アイメイトが仕事中にボールに気を取られるようなことは絶対にあってはならないからだ。
そんなわけで、現役を経験していない不適格犬と元アイメイトのマメスケのテンションの違いは、ボール遊びの時に如実に表れた。ボールを出すと今か今かと投げるのを待ち構える不適格犬たちの横で、マメスケは全く無関心で立ち尽くすのみである。
それでもやっぱり、マメスケは雪道を走るのが大好きだ。
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