【Nagano Snapshot】 上田 東信の中心都市を歩く 2018 1/23

長野県には、北から北信、中信、東信、南信という区分けがあって、北信地方の中心都市は県庁所在地の長野市、中信地方の中心は長野のライバルの松本市、南信地方には私が住民票を置いている諏訪地域が含まれる。そして、東信地方には今おもに生活の拠点にしている軽井沢地域が含まれ、その中心都市と言えるのが真田幸村で知られる上田市だ。
東信に来てからまだ日が浅いので、上田城を観光したくらいで、まだ上田の街でスナップしたことがなかった。雪が市街地にも積もった翌日、雪がある信州の都会も悪くないだろうと、コンタックスのフィルムカメラを持って上田に車を走らせた。




それなりに長く地方に暮らしていると、「田舎慣れ」してくる。東京っ子だった頃は、就職して最初に赴任した名古屋ですら、街が「疎」な感じで人通りが少なく、夜が暗くてひどく寂しく感じたものだ。でも、街に人が歩いていないのが当たり前の昨今の地方の現状に慣れると、上田あたりでもむしろ大都会に見えてくる。自分の内面の問題で言えば、地方を知って視野が広がったということだろう。
写真集『ナガノスナップショット』(
このブログの長野県内のスナップをまとめた自主制作写真集)内にも書いたのだが、長野県内でストリートスナップするにあたって、当初最も困ったのが「人がいない」ということであった。今は、人がいない「カントリーサイド・スナップ」ともいうべき新ジャンルにも慣れて、それを日々楽しんでいるのだが、やはり人がいる街角はいいものだ。雪が降り坂道が多い長野県では出会うことが少ない自転車のヒトも、この上田の中心部では巡り合うことができた。いずれも、以前撮った川上村の数少ない通行人の過半数を占めていた農業(工業?)実習生らしき外国人の皆さんだったが。






昼間の飲み屋街を歩くのは結構好きで、ちょっとした街に行くとたいてい立ち寄る。僕は付き合い以上のお酒は全く飲まないので、夜の生きた飲み屋街にはほとんど縁がない。でも、だからこそ、その眠っている時間帯にこっそり自分が本来いてはいけない世界を覗き込むようなスリルが好きだ。
一方、飲み屋街に自ら住人として飛び込むのは無理だ。ストリート系やアート系の学生写真や若い写真家の定番のテーマに新宿ゴールデン街や歌舞伎町の人間模様のようなものがあったが、自分には無縁の世界だとしか感じない。自分にないものに魅力を感じることは多々あるが、酔っ払うことを美化するような感覚には全く共感できない。要は、酔っぱらいが大嫌いなのだ。だから、酔っぱらいのいない時間帯にしか、飲み屋街には近づきたくないとも言える。いや、もちろん、野蛮ではない人達と楽しくお酒を飲むのは決して嫌いではないのだが。



この日の気温は氷点下5度くらいだったろうか。普段はもっと寒い所に暮らしているので人間の方は特別に寒いとは感じなかったのだが、終盤でカメラが寒さにやられてしまった。アリアのシャッターが時々下りなくなるのは、寒さのせいだけではなく経年の接触不良だと思うのだが、RTS(初代)の電池も何度か電力供給ができない瞬間があった。これまで、もっと寒い所で銀塩デジタル問わず写真を撮ってきたが、寒さで動作不良を起こしたのは、今回のコンタックス2機種とオリンパスのOM-10、ソニーのデジタルミラーレス(NEX-7、α7II)だけである。同じコンタックスでも、RTSIIIとG2は真冬のベルリンで何の問題もなく動いたし、デジタルならキャノン・ニコンの一眼レフ(D1・D2系、1D系・5D系)は真冬の雪山でも特に問題を感じなかった。
寒冷地に住んでいる以上、バッテリー周りの耐寒性は非常に気になるところで、ソニーのミラーレスを信用しきれない最大の理由がそれだ。今回はフィルム写真の回なので多くは語らないが、ソニーのサポートとはその件では何度もやり取りしている。銀塩カメラについては、耐寒性能がF5やEOS1といったフラッグシップ機を使う理由になるのだろうが、今あえて銀塩で大艦巨砲主義をやる動機としては弱い(今は、銀塩の電気カメラならせいぜいF3、RX、T-90といった大きすぎない機種を使っている)。なので、この少し後から真冬のNagano Snapshotでは、コンタックスS2、ニコンFM2、ライカM6といったメカニカル機をメインにしている。銀塩を再開して集め直す時に、修理のことも考えて各マウントに必ず1台はメカニカル機を混ぜていたのが、そんな形で役立っている。






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by hoq2 | 2018-04-27 23:40 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)