【21st Century Snapshot man】八王子 2017 11/28 α7RIIIで夜間スナップ
2018年 04月 02日
この5年ほど、東京と蓼科の家の往復で八王子をよく通過する。それまでほとんど縁のない街だったが、何度かスナップしたこともあって結構親しみのある街になっている。高速代をケチって甲州街道(国道20号)をひたすら真っ直ぐ、下道で帰ることが多い。秋の八王子あたりのイチョウの黃葉はなかなか見事である。いつか写真に撮ろうと思っていたが、このあたりは出張の帰路に暗くなってから通ることがほとんどで、ずっと機会がなかった。
この日もまた、夜になってから八王子に差し掛かったわけだが、今回はちゃんと車を駐車場に入れてひと歩きすることにした。というのも、手元には数日前に届いたばかりの新製品のα7RIIIがあったからだ。ほぼぶっつけ本番でポートレート撮影の仕事に使った(EOS 5D IVとの併用)帰りで、疲れてはいたけれど早速街頭スナップでも使いたいという気持ちが勝っていた。
レンズはゾナー55mm1.8とFE70-200F4G、サブカメラは2軍落ちした7IIと前回のブログでも使ったトキナーFiRIN20mmF2である。
フィルム時代やデジタルカメラ黎明期は、手持ちの夜間スナップではISO800まで上げるのがせいぜいだったが、今回は800と3200の間で撮っている。昔は撮影地も新宿・渋谷・銀座といった明るい不夜城的な街を選んで行ったものだが、八王子のような郊外都市でも十分手持ち撮影ができるのは嬉しい。ブログサイズはもちろん、A3程度までのプリントでも、ストリートスナップフォトでは十分な画質であろう。7IIと7RIIIの高感度性能の比較では、RIIIの方が1〜2段分画質が良いという印象だ。いずれより高感度性能が高い7SIIIも出るだろうが、自分の要求には高感度性能においてもRIIIは十二分である。
なにしろ、常用ISOの上限がせいぜい800だった時代からは、隔世の感がある。これ以上何を求めようか。写真をグラフィックアートの一つだと考えれば、少しは機械的なアラがあるくらいでないと、人間の感性が入り込む余地がなくなってしまう。
スマホでも夜景が撮れる今となっては、「夜」であることそのものに、写真としての価値はないのかもしれない。それでも夜景そのものに突破口を見出すのなら、三脚に据えてしっかりと「夜」を写し込む必要があるだろう。シリアスな夜景写真には、まだそれ自体に価値があると僕は見る。翻って、こうした手持ちの夜景スナップは、単に昼間のスナップの延長だと位置づけた方が良さそうだ。だから、次に夜の街を歩く時は、三脚を持っていこうと思いながら、短い撮影を終えた。
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