【21st Century Snapshot man】谷保ー新宿 2017 11/19 Tokina FiRIN 20mm
2018年 04月 01日
このブログは事実上、街頭スナップ作品の習作発表の場となっている。最近は他にやることが多く、更新のペースがだいぶ落ちている。4月になろうとしているのに、まだ去年の秋の作品を掲載している。でも、このままマイペースで淡々と、原則撮った順に載せていきたい。あくまで写真集にまとめるのがゴールであり、ここはいわば、スナップ行のよりプリミティブな未編集記録である。
さて、この2017年11月19日は、午後のインタビュー仕事帰りに国立から谷保駅まで歩き、新宿に出て夜間スナップを少々撮った。予約していたα7RIIIが間もなく届くかという時期で、デジタル・カラーの街頭スナップの主力にしていたα7IIを今後2軍としてどう使っていくかということを考えていた。そして、それを想定して買ったトキナーのEマウントレンズ、FiRIN20mmF2をスナップに持ち出した。
これまで持っていなかったα用の超広角にトキナーの20mmを選んだのには、以下のような理由がある。
まず、僕はキャノンEOS5D系とソニーα7系を同時に併用している。撮影仕事ではEOSとαの2台持ちである。超広角はずっとキャノンに任せており、最初に使っていたEF16-35/2.8Lの歪みがどうしても好きになれず、機能は落ちるが歪みが少ないトキナー16-28/2.8FXに買い替えた経緯がある。ただ、キャノンから11-24/4が出た時に11mmという画角の可能性に魅力を感じ、続いてシグマから12-24/4が出るのを待ってトキナーを売却してシグマに飛びついた(要はキャノンの11-24は高くて買えなかったのだ)。そういうわけで、僕の超広角は開放F値では2.8から4にスペックダウンしていた。とはいえ今更16mmクラスの2.8ズームに戻る気にもなれず、Eマウントネイティブの超広角を買うとなれば、(オールドレンズは別として)ソニーでもキャノンでも持っていない20mmクラスの単焦点、それもなるべく明るい玉が良いと思っていた。
この条件にぴったり当てはまったのがトキナーFiRIN20mmF2だったわけだ。最近発売されたレンズでありながらMF専用なのだが、20mmレンズはMFの方がかえって使いやすい面もあり、あまり気にしなかった。ただ、この日記を書くにあたってトキナーのHPを久しぶりに開いたら、このレンズのAFモデルが発表されていた。現時点で価格未定とのことで、価格差しだいではあるが、AFはないよりはあった方がいいので、今だったらAFモデルにしていたと思う。
トキナー20mmは歪みがなく、極めてシャープなレンズで、品のいい発色や線の細い描写は自分好みだ。だから買って正解だったと思う。また、今はAFモデルに買い換えることは全く考えていない。というのも、このレンズを主に使う場はこのような街頭スナップを想定していて、僕は街頭スナップでは2台持ちをすることが多いのだが、α7RIIIと7IIがデジタルカラーの街頭スナップの主力となった今は、7IIにこの20mmを固定で使うことが多くなっている。この場合、ボディのデジタルズーム機能を使って20-30mmのズームレンズ的な使い方をするのだが、デジタルズーム使用時はMFの方が都合がいいのだ。デジタルズームを使うと、AFエリアの設定が無効になってかなりアバウトなAFになり、どっちみち事実上AFは使えないからだ。
APS-Cサイズにクロップするやりかたでズーミングする場合は、AFエリアの制約はないので、本当はこっちの方は良いのだが、残念ながらα7IIではAPS-Cサイズへの切り替えをカスタムキーに割り当てることができない。なので、今回は一回一回メニューを開いてAPS-Cに切り替えて20mmと30mmの画角を使い分けたが、速写性が求められる街頭スナップでメニューを辿るというのは非常にまどろっこしい。一方、デジタルズームならば7IIでもカスタムキーに割り当てられるので、今はC-2ボタンをデジタルズームにして、FiRIN20mm使用時に1.5倍程度まで多用している(α7RIIIではAPS-Cへの切り替えをC-2に割り当てられるので、逆にデジタルズームは使っていない)。
フィルム時代は、1.4〜2.8クラスの中望遠までの単焦点でISO800・1/15〜1/60 ・F2〜F4で手持ちの夜間スナップを撮っていたものだが、今はISO1600、3200でも満足いく画質で撮れるし、手ぶれ補正もあるのでF4クラスの望遠ズームでも十分に夜間スナップができる。デジタルカメラの発達により表現の幅が広がったのは大変良いことだ。今の若い人は、「夜は写真が撮れない」というのが一般人の認識だったことを知らないのではないだろうか。ただ、白黒写真はフィルムには敵わない(ライカモノクロームは別かもしれないが・・・)ので、最近は久々にフィルムでも夜間スナップをしてみたいと思っている。
今回は、「デジタルズーム」とか「手ブレ補正」とか、銀塩爺が毛嫌いしそうな単語を書いてきたが、僕は頭の固い銀塩爺が、ものを知らなさすぎるデジタル坊やよりもずっと嫌いである。銀塩爺の方が、上から目線なだけにタチが悪い。彼らは今を否定することを文化的に程度が高い者がすることで、革新的だとすら思っているフシがある。しかし、実際には、新しいものを脊髄反射的に拒否しているだけの超が3つくらいつく保守的な人種だ。今と20世紀の昔では、保守と革新が逆転していることにも気づいていないのだろう。
第一に、銀塩に凝り固まっている爺はほぼ例外なく、「写真」に興味がないただの「カメラオタク」である。
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