【21st Century Snapshotman 】無駄に浴衣の日(2本の良レンズと2本のダメレンズと共に) 馬事公苑 ↔ 二子玉川 2017.8.19


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所用で馬事公苑あたりで2泊することになり、空き時間に都内で半日スナップできることになった。どこを歩こうかと迷ったのだが、歩いて二子玉川へ行くことにした。つい昔住んでいた所や思い出の地にばかり足が向いてしまうのが、最近の自分の悪い癖だ。そして今回もまた、ノスタル爺になってしまった。まだ駅名が「二子玉川園」だった遠い昔、2年ちょっとという短い期間(高1から高2の途中まで)だったが、駅から多摩川沿いにしばらく上流に歩いたあたりに住んでいた。以来、そのあたりには全く足を運んでいない。まずは用賀駅に向かって歩き始める。

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この日は多摩川の花火大会の日であった。花火そのものは滞在先の屋上から見ることになっていたので、花火開始前の人出とか、そんなものを撮ってみようか。住んでいた頃も、花火大会の日は特別感があったのを思い出す。確か、好きだった女子を初めて誘ったのもこの多摩川花火大会だった。

それと、もう何十年も見ていない旧自宅マンションの前を通ってみることも主目的にした。二子玉川と言っても、駅から徒歩20分から30分はかかる僻地だ。それでも、そこに住んでいた頃はよく友だちが遊びに来てくれた。ちょうど写真を始めた頃で、部屋を暗室にしていたので現像・プリントしに写真仲間が来た。それと、夜中に3、4人で多摩川の河原で『ホク』と自分たちで呼んでいた即興音楽をよくやった。そういう変わった高校生たちのたまり場になっていたのだ。

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二子玉川駅に到着。まだ昼前なので、花火見物客はそれほどいないようだ。多摩川沿いを上流に向かってかつて住んでいた地域へ向かう。

今回は2本のアトムレンズ=放射能レンズを持ち出した。今年3回の合同展に参加させてもらったPaperpoolで、この黄変したレンズをテーマにした写真展が企画されており、僕も参加表明している。俗に言うアトムレンズ(トリウムレンズ)とは、光の屈折率を上げるために放射性物質であるトリウムをガラス硝材に混ぜているレンズのこと。70年代初めくらいまでは結構あったのだが、その後は作られていない。健康被害があるレベルではないが、時代と共に放射性物質を使うことが忌避されたことと、レンズを高性能化する他の技術がどんどん出てきたためだとされている。

僕の手持ちのレンズで放射能を発しているのはキャノンFD 35mm F2 S.S.Cと、オリンパスZUIKO 50mm F1.4。Paperpoolさんに置いてあるガイガーカウンターで測定すると・・・

まずFD35

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そして、ズイコー50mm

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ズイコーの方は前玉を測定器に向けると反応し、FDは後玉で反応。ズイコーの方が数値が高かったが、これはレンズの黄変ぶりで予測できた。今生き残っているアトムレンズは経年変化でほとんどがはっきりと黄色く変色しているのだ。屈折率を上げることによる恩恵に加えて、今では白黒で撮った場合は逆にこの黄変がイエローフィルター的な役割を果たしてコントラストが上がるなんて言われているが、う〜ん、まあ理論的にはそういうことになるのかな?アトムレンズ=写りが良いとまで言うのは眉唾ものではあるが、カメラ談義的には面白い。

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ともかく、今回はその写真展の話があるので、テストを兼ねてこの2本を持ち出したわけだ。ここまでの写真では、トップの浴衣の人たちの写真とこの下↓の恰幅の良いおじさんがズイコー50mm、イタチの石像から路上のシトロエンまでの3枚がFD35mm。確かに古めのレンズの柔らかさと現代的なシャープさが共存したすごく質の高い描写だ。それが黄変のせいなのかは分からないが、トリウムを使ったことによる設計的な恩恵の影響は間違いなくあるだろう。

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今回はそれに加えて、ワイド端とテレ側も初実戦投入のレンズを使った。フィルム一眼レフ再開で色々と集めているうちに、ボディについてきたり欲しいレンズとセットで投げ売りしていた2本だ。ワイドの方がFDマウントのコシナ20mmF3.8、望遠はズイコー75-150mmF4。この下の鳥居とバスの写真などがコシナの20mmなのだが、無調整では出せないくらい甘い(下の写真はかなりシャープネスを上げて焼き込みなどもしている)。ネット上の評判も史上最低の20mmなどと散々なのだが、まあその通りかなと。ただ、問題は周辺部の流れと逆光耐性の弱さなので、それを味とすれば数千円から高くても8000円くらいで手に入る20mmなど他にないので、存在価値はあると思う。

75-150mmの方は、MF時代のズームに期待してはいけないという定説そのままという感じ。特にテレ端の開放付近は画面全体が甘く、アナログでもデジタルでも四つ切(A4)以上に伸ばしたくはない画質だ。2枚目の2人の傘のご婦人の写真などがそうだが、このブログサイズくらいが甘さを隠せる限度だろう。逆に言えばブログ掲載程度ならば十分。ズームは特に望遠域では便利なので画質と天秤にかける価値はある。

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駒沢大学のキャンパスの前にある砧本村バス停。この時点で昔住んでいたマンションは通過しているが、健在であった。ただ、老朽化が進んで補強工事中だったようだ。二子玉川駅前の発展ぶりとは対照的に、このあたりの23区の外れのエアポケットのような独特な雰囲気は変わらない。町並みもだいたい記憶通り。ただ、周辺の道路は苔むしていいて、空き家もちょこちょことあった。数十年の時間は、確実に流れていた。

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RolleiA26でちょっとノスタルジックに。

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多摩川の土手に出ると、花火大会の準備が着々と進んでいた。

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モワッとして晴れているのか曇っているのかはっきりしない天気であった。土手を降りて駅の方へ戻る。

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駅に戻ると浴衣女子でごったがえしていた。外国人も多い。かつては花火大会と言えば日本独特の夏の風物詩だったが、世界中の人が楽しんでいる今の方が自分には健全に見える。こういう文化を共有するグローバル化には大賛成だ。

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人でごった返す駅を通り抜けて用賀方面に戻る。

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このあたりから暗雲が立ち込め始め、一気に暗くなる。夕立ちの気配の中、家路を急ぐ人たちと一緒に歩調を速めた。

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ギリギリセーフで滝のようなゲリラ豪雨が始まる前に滞在先に避難することができた。もちろん、花火大会は中止。二子玉川まで出向いた人たちは、浴衣で外出しただけでも良い思い出となったことを願う。

【使用機材】
Olympus OM-4
G.Zuiko AUTO-W 28mm F3.5
G.Zuiko AUTO-S 50mm F1.4
Zuiko AUTO-ZOOM 75-150mm F4

Canon A-1
FD 35mm F2 S.S.C
Cosina 20mm F3.8 (Canon FD)

Rollei A26


    


by hoq2 | 2017-10-23 15:29 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

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