【Nagano Snapshot】茅野でチノン6 CS & CE3 Chinon一眼レフで白樺湖を撮る 2017.7.10

c0035245_20203020.jpg


2011年に東京から移住した長野県茅野市を、かつてこの町で製造していたチノンのカメラで撮っている。最初はチノン銘のレンズ(M42マウント)だけを揃えてマウントアダプターでデジタル撮影するにとどめていたが、コンパクトカメラの「ベラミ」を手に入れたのをきっかけに、チノンのボディにも興味を持ってしまった。





チノンの一眼レフは、M42スクリューマウントのものとペンタックスKマウントのものがある。欧米への輸出が主だったため、いずれも国内ではほとんど中古市場には出回っていない。イギリス、アメリカ、フランス、ドイツあたりでは1970〜80年代には結構ポピュラーだったようで、ニコン、キャノン、あるいは同マウントのペンタックスよりもさらに廉価版のカメラとして、複数のブランド名で同一機種が売られていた。

僕は、フィルム一眼レフでスナップを撮るにあたっては、「絞り優先AE、マニュアルフォーカス、手巻き」が最もしっくりくる。フィルムカメラがタダみたいな値段で手に入る今は、複数のマウントのシステムを揃えるという贅沢ができるわけだが、ボディ選びの基準は上記に当てはまる70年代後半から80年代前半の機種と、末永く修理しながら使えるフルメカニカルの機種の2台を最低限揃えることにしている。ニコンならF3+FM2、キャノンならA-1+FTb、コンタックスならRTS+S2、オリンパスならOM4+OM1といった具合だ。

で、チノンはもともとレンズをM42で揃えていたので、同マウントの「絞り優先AE、マニュアルフォーカス、手巻き」のCE-3 MEMOTRON と、フルメカニカルのCSをebayで揃えた。CE-3はスクリューマウントでAEを実現するため、瞬間絞り込み測光という珍しいシステムを採用している電気カメラ。CSはフルメカニカルで絞り込み測光の露出計を備えたキャノンFTに似たスペックのカメラだ。CE-3はフランスから、CSはイギリスからの茅野への里帰りである。

c0035245_21235995.jpg


CE-3は最初シャッターが固まっていたのだが、接点復活スプレーで回復。早速、我が家がある別荘地からほど近い白樺湖の湖岸をCSとの2台体制で歩いた。レンズはいずれもチノン純正。AE機のCE-3はシャッターチャンス対応用とし、標準55mmF1.7を固定。CSは28mmF2.8、35mmF2.8、135mmF2.8を交換しながら撮った。

c0035245_21323483.jpg


c0035245_21341831.jpg


c0035245_21355403.jpg


c0035245_21411427.jpg


c0035245_21482943.jpg


チノンのM42マウントのレンズには、フィルター径52mmで距離表示などの文字が緑色のタイプと55mmで黄色のタイプがあり、僕が所有しているのは、28mmと55mm1.7が緑、35mmと135mmが黄色だ。緑の方は誇らしげにmulti-coatedと書いてあり、黄色タイプはモノコートに見える。緑が新しいタイプなのだろう。

ただ、非常にややこしいことに、緑と黄色では絞りの回転方向が逆で、なおかつ、ピントリングの回転方向はまちまちである。これは非常に使いにくい。大手では当たり前の、システムとして統一する気が最初からなかったようだ。

・28mmF2.8(緑)・・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り
・55mmF1.7(緑)・・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り
・35mmF2.8(黄)・・・ピント=ニコン回り、絞り=キャノン・ライカ回り
・135mmF2.8(黄)・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=キャノン・ライカ回り


今回の撮影では使用していないのだが、このほかに55mmF1.4というレンズを持っている。これはデザインは黄色タイプに似ているが水色で「MULTI-COATED」の文字が銘板にプリントされている。あまり出回っていない緑タイプとも黄色タイプとも違う意匠のデザインである。で、回転方向はというと・・・緑タイプと一緒であった。

・55mmF1.4(水色)・・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り

c0035245_22481215.jpg


気になったのでうちにあるレンズで調べてみると、「ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り」は、オリンパスOM(ズイコー)と同じであった。35mmF2.8(黄)の「ピント=ニコン回り、絞り=キャノン・ライカ回り」は所有レンズでは他になかった。同じ「緑」に分類した28mmと55mm1.7もピントリングのゴムの模様がひし形と四角で違ったり、28mmの方は絞り表示が切り込み窓の中で動くデザインになっている、「MULTI-COATED」の緑文字が大文字と小文字で違うなど、デザインに統一性がない。やはり、先に書いたように、チノン・システムとして統一性を持たせることは端から考えていないのである。そのあたりに、M42→Kと、小メーカーとしてユニバーサル・マウントに賭けたという事情が伺える。ただ、結局、ユニバーサル・マウントという考え方自体が大手に否定されて今日に至るわけで、このあたりの選択はいかにも消えてしまったメーカーらしいと言える。

写真の方に戻ろう。白樺湖はもともと農業用の溜池で、水もそれほどきれいではなく、周囲に遊園地があったりして「美しい高原の大自然」と言うには語弊がある。でも、標高1400mの高原の空気は爽やかであり、隣接する車山高原・霧ヶ峰あたりから八ヶ岳を望む景観は大自然の迫力がある。本当の大自然を相手にすると「風景写真」「ネイチャーフォト」になるが、白樺湖くらいの舞台が白黒で手持ちでスナップしていく限界点であろう。つまり、これよりも都会ならばスナップできるというのが僕の感覚だ。

c0035245_22570894.jpg


c0035245_22590439.jpg


c0035245_23003797.jpg


c0035245_23022120.jpg


c0035245_23035540.jpg


c0035245_23052586.jpg


最近は特に、ケレン味で勝負するようなファッション性の高い街頭スナップよりも、こういう地味で淡々としたスナップが好きだ。その点で、チノンを選んだおかげで、夏の夕方の草むらやなだらかな車山の丘陵にまっすぐにレンズを向け、それを柔らかく捉えることができたと思う。昔の廉価版のレンズであり、先に書いたようなシステムとして甘さはあるものの、写りを見れば基本的な部分はしっかりとしたまともなレンズだ。自然相手にトイカメラのようないい加減な写りはたいていは好ましくないが、しっかりとした中に甘さの残る描写がなんともちょど良かったのだと思う。撮り手の意識としては「そこそこの機材で奇をてらわず丁寧にスナップする」を心がけた。

c0035245_23142128.jpg


c0035245_23155402.jpg


c0035245_23171237.jpg


c0035245_23182245.jpg


c0035245_23192858.jpg


c0035245_23204332.jpg


c0035245_23213919.jpg


c0035245_23223549.jpg


c0035245_23235946.jpg


c0035245_23245581.jpg


c0035245_23255088.jpg


ということで、今回は機材選択がハマった撮影行だったと思う。

【使用機材】
CHINON CE-3 MEMOTRON
AUTO CHINON 55mmF1.7

CHINON CS
CHINON 28mm F2.8
AUTO CHINON 35mm F2.8
AUTO CHINON 135mm F2.8


    

by hoq2 | 2017-10-19 23:51 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : https://hoq2.exblog.jp/tb/28059292
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。