【21st Century Snapshotman】2017 4.30 学芸大学ー目黒不動ー中目黒 思い出の地の隣町を歩く


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僕はいわゆる帰国子女だが、その点を除けば東京育ちだ。子供時代は目黒区・品川区とラングーン、オタワ、ロンドンに、10代後半と30代は葛飾区と台東区に住んでいた。今は長野県に拠点を置きつつ、東京に仕事をしに週一くらいのペースで通っている。このブログに掲載しているストリート・スナップのシリーズは、その時に時間を見つけて撮っているものだ。

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そんなふうに東京に帰った際には、撮影場所選びにいくらか迷うのだが、子供の頃に住んでいた「懐かしい場所」を選ぶことも多い。今回は祐天寺の暗室つきギャラリー・カフェPaperpoolさんの合同展に参加した関係で、搬出入の合間に学芸大学駅近くから目黒不動を経て目黒駅の西側から中目黒を通って祐天寺に戻るコースを3時間ほどかけて歩いた。僕が子供の頃住んでいたのは、中目黒の先の目黒区東山と学芸大学の先の品川区小山台なので、微妙に思い出の地そのものには行かないという、ひねくれたコースである。

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要は子供の頃住んでいた町の隣町をぐるっと歩いたということなのだが、小学校高学年くらいになると自転車や電車・バスであちこち行くようになるわけで、「隣町」も僕にとっては十分にノスタルジックな雰囲気に包まれている。そういう場所を撮る際にやっかいなのは、心満たされた空気感を写真に込めたつもりでも、思い出補正が強すぎて「伝わらない写真」になりがちなことだ。個人の思い入れも大事だけど、僕は写真を通じて物事の普遍性(それも地味な日常の)を表現したいと常々思っているので、あまり思い出補正が強いのは困る。だから、思い出の地そのものを撮るのは苦手だった。

しかし、最近はそこを克服してきた感があり、以前よりも積極的に「懐かしい町」を撮っている。個人的な思いを込めた空気感と共に、普遍性の部分が少しでも伝わっていることを願う。

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それにしても、今回は縦位置が多い。それが理由かは分からないが、今回はいつもと違うことをしている。カメラ3台持ちで歩いた。いつもはボディ2台にレンズ最大5本と決めているのだが、今回はたまたま師匠的な人にライカM6とズミルックス35mm1.4を借りていて、ライカMマウントが自分のM6TTLとミノルタCLEと合わせて3台になっていた。しかも、それぞれファインダー倍率が違うという偶然。そうなると、M6TTL(0.85)に50mm、M6(0.72)に35mm、CLE(0.58倍)に28mmという、ファンダーが最も見やすい布陣を組んでみたくなるのが人情である。加えて、いつものMロッコール90mmと新戦力のカラースコパー21mmも持ち出した。

ズミルックスとM6のテスト撮影は以下の本ブログの投稿で、カラスコ21mmのテストはFBに投稿したので興味のある方はご覧いただきたい。




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ライカ(レンジファインダーカメラ)は、ブライトフレームの外側がある程度余った方が良い。画面外の絵面や動きを見ながら空間を切り取るイメージで撮るのが、一眼レフとの違いである。こと「町の空気感」「自己の心象」を撮る際にはこの「切り取る」というプロセスは非常に有効で、銀塩再開以降は、そういう狙いが強い時はライカを持ち出すことにしている。

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一方で、通行人を絡めたシャッターチャンス重視の出合い頭の光景をモノにするには、「一眼レフ・AE・MF」で直感的に撮る方が自分には合っている。ライカでおおざっぱな露出と目測ピンでノーファインダーぎみに撮るという木村伊兵衛スタイルも街頭スナップの王道なのであろうが、昭和45年生まれの一眼レフ世代の僕の身体に染み付いているのは、「一眼レフ・AE・MF」の方なのだ。

個人情報云々が過剰に言われ始めた時代を経て、人のいない山の中に越してから、しばらくは人を絡めた写真から離れていた。しかし、銀塩再開後に始めた「人のいない街頭スナップ」と、かつて盛んに撮っていた「人のいる街頭スナップ」が、最近はうまく融合しつつある。それをもっと深めるために、再び若い頃のように、AEで撮れる70年代後半以降のMF一眼レフでも白黒フィルムを撮っていきたいと思っている。

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話変わって上の写真の目黒不動の池。この小さな池には思い出がある。田舎に行けば全く相手にされないような水たまりレベルの汚い池なのだが、小エビなんかが捕れたりしたので小学生の頃はちょくちょく網を持って自転車で来ていた。そして、ある日、ここにスッポンが住んでいることが分かり、あの独特の豚鼻がかわいくてたまらず、飼いたくなってしまったのだ。その時の相棒の「マモタン」(AKA「エンマ」)というのも相当な悪ガキで、住職の目を盗みつつスッポン狩りに興じ、3回くらい通った末についにそのスッポンを網で捕らえることができた。ところが、今度は網の柄に噛み付いてどうしても離れなくなり、わーわーやっているうちに住職がバイクでご帰還。しかたなく、スッポンをぶら下げたまま網をかついで自転車で逃げ帰ったしだい。僕はその後しばらくして海外に引っ越したが、スッポンは少なくとも10年後くらいに訪ねた際には、マモタンの家の玄関先の大瓶の中で生きていた。

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「もう時効だよね」と、スッポンのことを思い出しつつお不動さんを参拝。昼時だったので山門の目の前の渋い中華屋でチャーシュー麺を食べた。まろやかでコクのあるスープに静かに満足した。といっても、ふつーうの味である。コダワリのナントカというようなハッタリは全くない。年月の積み重ねの中で自ずと出来上がっていったような、こういうイナカモノには分からない東京のおいしいラーメンがどんどん消えている。今、好き好んで田舎に住んでいることが証明しているように、僕は都会>田舎という発想は全くない(逆説的だが、そういう発想をする者こそがイナカモノである)が、国民全体が悪い意味でイナカモノになってしまったのではないか。ラーメンマニアではないのだが、全国どこへ行っても浅薄なプロデュース系ラーメンで溢れているのが、とてもむなしい。

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山手通りを渡って目黒通りの権之助坂方面へ。坂の上にある目黒駅は、かつての目蒲線(現目黒線)のターミナル駅であった。武蔵小山が最寄り駅だった子供時代の僕にとっては馴染み深い駅である。権之助坂の裏手の区民プールや駅ビルの中の模型屋、モデルガンショップ、軍服屋など思い出の場所は今はもうほとんどなくなっている。

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目黒駅までは行かずに、恵比寿方面に向かいつつ、中目黒から東横線沿いに戻る。このルートはあまり歩いたことがなく、新鮮だった。

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【使用機材】

Leica M6 TTL
Leica M6
Minolta CLE

Voigtländer Color Skopar 21mm F4
Carl Zeiss Biogon 28mm F2.8
Leica Summilux 35mm F1.4
Leica Elmar-M 50mm F2.8
Minolta M-Rokkor 90mm F4


       

by hoq2 | 2017-06-13 00:03 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

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