【Nagano Snapshot】 塩尻・洗馬宿 (α7Ⅱ習作2)
2015年 03月 19日
「そこも、ここも、そことここの間も皆同じ」ーーー。そういう信念があるから、これは長野の町のガイドブック的な紹介ではない。どこにでもあるような物体、通り、風景は、どこにいても気になる。だが、写真というものは撮り手の意志とは関係なく、「記録」し続ける側面もある。だから、いつかこれらの写真がたまったら、何かしらの形でまとめて発表したいと願っている。それがもしかして、50年、100年経って、21世紀初めの「地方」というものの、異端の記録になるかもしれないと夢想する。
このシリーズを、以前HP上で公開した【Tokyo Snapshot】、そして、それをベルリンの写真と合わせて発表した写真集『Berlin+Tokyo』の続編的な位置づけで、【Nagano Snapshot】と名付けました。本ブログでは、内容を絞ってまとめる前段階として、撮影日順にあまり点数を絞らずにアップしていきます。将来のための私的な忘備録代わりという側面もあります。
初めての町を歩くことも、何度も同じ町を歩くこともあります。
※ 各画像はクリックで拡大します( Mac・PC )
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
約1年ぶりのNagano Snapshotである。長い冬が明けたのが一つ。そして、僕は決して機材オタクではないのだが、やはり新しいカメラを手にすると写欲が湧く。満を持してα7Ⅱ を導入してから初めての街頭スナップに出た。これを書いている3月19日時点で信州もだいぶ春めいてきたが、5日前のこの日は前夜に積雪があった。それでも、昼前にはだいぶ空気も緩んで春到来の予感である。
歩いたのは、最近ローカル駅周辺が気になるということで、塩尻市の外れにある中央本線・洗馬駅周辺である。中山道沿いのこのあたりに多い宿場町の一つだが、観光地というには程遠い静かな村だ。詳しくは下の看板を見て欲しい。
ところで、ほとんどの人が「洗馬」を「せんば」と読んだのではないだろうか。少なくとも僕は、駅の看板を見てたまげた。
長野県の地名の読みは、本当によく訛っている。読みが訛っているというのも変だが、絶対に東京人が一発目に読む読み方とは微妙に違っている。例えば「岩村田」は「いわむらだ」だし、じゃあ濁点がつく傾向にあるのかと思えば「柏原」が「かしわはら」だったりする。「新井上」が「しんいのうえ」じゃなくて「あらいうえ」ってなこともある。
ただし、本当は訛っているというよりも、わざとではないかと僕は疑っている。忍者の符丁ではないが、地元の人間しか知り得ないトリッキーな読みにして、よそ者を見分ける材料にしているのではないか。そういう八つ墓村的恐ろしさを感じるのである。その証拠にトリックを仕掛けてきているのは、集落単位の地名など超ローカルな地名が多く、「松本」「長野」「軽井沢」などの全国区の知名度がある土地は普通の読みである。
さて、今回のお供のメインは、α7購入を機会に物置から発掘したMFのタムロン名玉、90mm2.5(52BB)である。この時点で唯一装着できた単焦点標準レンズとしてチノンの55mm1.7、そして念のため135mm(Carl Zeiss Jena)も持参した(僕は街頭スナップはMF派である)。サブボディはこれまで愛用してきたNEX-7、レンズは純正Zeissの24mmとシグマの19mm(共にAPS-C)で、広角はNEX-7に任せる形だ。
そして、ガイド役として、フレンチ・ブルドッグのマメに同行してもらった。
では、ぼちぼちこの日切り取った獲物をお見せしましょう。それにしても、α7Ⅱはこれらジャンク系のレンズをつけても色転びなどの破綻のない、名母艦である。対してNEX-7は良いカメラなのだが、純正レンズでもマゼンタ被りがひどく、後処理でのカラーバランス調整が必須である。α7Ⅱでは、このあたりは見事に改善されている。聞く所によると、ソニーのカメラ部門はユーザーの苦情に積極的に反応して改善しているようだ。そのあたりは既存カメラメーカーのC社やN社よりも現代的な姿勢と言え、非常に好感が持てる。もしかして、このブログのこういう記事やこういう記事も見ているかも、と思わせてくれるものが最近のαにはある。
NEX-7 SIGMA19mm F2.8
NEX-7 SIGMA19mm F2.8
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm F3.5
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
オヤ?激渋の神社を発見。何やら“業”がありそうな湿った雰囲気が漂う。
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
神社を出て村に戻る。冬の凍てつきが微妙に溶け始めてきた。
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm F1.8
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm F3.5
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
85mmや90mmの中望遠レンズは、よくポートレートレンズなどと言われるが、街頭スナップでも使いやすい画角だ。特に「的が遠い」田舎では、標準レンズ的に使える。さらにマクロであれば、物体のディティールや花なんかも撮れて、とてもいいのである。
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ Auto Chinon 55mm F1.7
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
α7Ⅱ TAMRON SP 90mm F2.5 Macro (52BB)
そして、我がフィアット・パンダが待つ「せば」駅に帰還
帰路の車でさすがのマメも熟睡であった。
【今回使用機材】
・AUTO CHINON 55mm F1.7 (M42マウント)
・TAMRON SP 90mm F2.5 (アダプトール2/オリンパスOM)
・Carl Zeiss Jena 135mm F3.5 (M42マウント)