パンダが来た
2013年 09月 01日
新たに古い車を買いました。
FIAT PANDA 4x4 i.e 1990年式、MT、パートタイム4WD。初代パンダ・セリエ2の中期型という言い方でいいんでしょうか。昔でいう3ドアハッチバックのリッターカー、現行の国産車で言えばヴィッツとかそういう普通の大衆車・コンパクトカーです。80年から99年までほとんどモデルチェンジなし。僕はそういう超ベーシックな「定番商品」が大好きなのだ。
現行のパンダは3代目だが、オリジナルのミニ・クーパーとBMWのミニ、あるいは新旧チンクエチェントくらい違う車だ。まあ、この初代の方を「本物のパンダ」と言わせてください。
それにしても、なぜパンダなのかと言うと、まず車に対する自分の前提条件がこうなっている。
・夫婦で車2台必要。1台は蓼科での生活の足(ATのパジェロミニ)。2台目はおもに仕事用で自分しか運転しない。ある程度趣味性が高くてもよい→パンダはこっち用。
・月数回の東京ー蓼科往復など、高速を使った長距離移動が多い。
・大都市、山奥、田舎、どこでも走る。
・比較的荷物が多い。撮影機材、釣具など。
・メインベースは山間の積雪地(蓼科)なので、4WDがベター。
・新車の軽よりも安い中古車
もう、この条件でフツ〜〜に考えたら年式古めのレガシイです。素晴らしい車なのは分かっている。が、しかし、色気が足りないんだよなあ。色気を重視して辿っていくと初代パンダになるという僕の感覚は我ながら一般的ではないと思うが、これでいいのだ。
実はこれまでの5年間は予算重視で95年式のサンバーディアスクラシック(4WD)に乗っていた。それなりに手をかけてきたので、まだちゃんと走るが、エアコンがずっと壊れているのと走行20万キロに達していた。この夏にスピードメーターが壊れて、さてこれを直してさらに来春の車検を通すか、と考えた時に買い替えを決めたわけです。
ちなみに、これまでの車遍歴(他人所有でメイン使用含む)は以下の通り。僕の場合、まず用途ありきで車選びをするので、時々の用途が違うと車種もバラバラになる。自分の中ではしっかり整合性は取れているけど、こう並べるとミッションもハンドルもバラバラだ。
ホンダ・インテグラ '89(5MT・右・白)→オペル・アストラワゴン '98(AT・右・黄)→ポルシェ968 '93(6MT・左・ガンメタ)→VWルポ '01(AT・右・緑)→VWヴァナゴンT4・ウェストファリア '93(AT・左・緑)→スバル・サンバーディアスクラシック・4WD '95(5MT・右・緑)→フィアット・パンダ初代4WD '90(5MT・左・青)
下はさようならサンバーのシーン。過不足ない実用面、少々無理をしても走り続ける日本車らしい信頼性、ランニングコストの安さ、積載量、外観のかわいさ、どれを取っても素晴らしい車でした。ありがとう。
さて、年式の古いイタ車というと誰もが故障を心配するわけですが、自分の基準ではギリギリセーフの線ですね。イタ車は初めてだけど、これまで自分で買った車のほとんどが20世紀の中古車ばかりなので、格安で入手して車両購入価格以上の初期整備をし、予防的部品交換をしながら乗って行くというのをやってきました。その手法がギリギリ通じるのがクラシックカーとまではいかない、まだ部品があり値もそれほど張らないこの90年式パンダなのです。
入手から納車に至るまでの詳しい話は別の機会に譲りますが、個人売買です。売主の方は2人目のオーナーですが、超ベテランパンダ乗りで、最初のオーナーもしっかり記録簿を残していて、新車時からとても大事にされてきたパンダなのです。別のパンダから取った部品や予備のホイールなど大量の予備パーツをサービスでいただきました。そして、THULEのジェットバッグ付きです。これは荷物の積載量がサンバーから落ちることを心配していた僕にとって、購入の決め手になったと言ってもいいくらいです。新品を買うとかなり値が張りますからね。
車検切れの車体を引取り、修理屋さんに持ち込んでおもな消耗品パーツを交換し、車検を通すのに約1カ月。やっと我が家に来ました。まず、ついていたタイヤがスタッドレスだったのでノーマルに交換。ホイールはUNO純正のSPEEDLINEのアルミ。ABARTHのセンターキャップ付きです。これらをサービスしてくれた売主さんに感謝。
スタッドレスがついていた同じホイールは白に塗ってありますが、今回つけたのはオリジナルのシルバーの方。古いので近くで見ればサビサビ・キズキズですが、それをきれいに履きこなすのが粋なのだ。タイヤも程度の良い中古で。タイヤは国産がベストなのは分かっているが、やはり色気重視で出物のコンチネンタル(Eco Contact3)に。イタ車にはピレリが定番だが、本当はイタリアよりもドイツが好きな僕はコンチが良いのです。
パンダ純正よりも大きめのホイールなので、タイヤも一回り太い165/70 R13。細めの純正サイズの方がパンダらしくキビキビと走るらしいのですが、特に高速を走る機会が多い僕には太いタイヤも魅力なので、あとワンシーズンいけそうなスタッドレスに合わせてこのサイズにしました(ちなみに純正のスチールホイールもFF用黒が4本、4x4用のシルバーが2本一応あるので、いずれはそっちに移行予定)。とりあえずはこのホイール、見た目が激カッコイイ!
ホイール関連でもう一つ、エンジンルーム内にあるスペアタイヤを「赤」に交換。オリジナルは、4x4用純正シルバースチールでしたが、アンダーガードやホイールキャップなどワンポイントで赤が印象的な感じになっているので、色合いを合わせる意味で。この赤ホイールはパンダ純正だが、スペア専用で一回り小さい。購入時につけてもらった7本の純正ホイールの中にあったのですが、他に使い道もないのでちょうど良かったというのもあります。
こんなふうに救援を待つシーンもあるかもしれません。そういう姿も赤いチラリズムで粋にこなすのがイタ車ですね。
荷物が特別多くない時は、ジェットバッグは外すことにしました。いったんはキャリアも外したけど、なんかツルッとした感じが物足りなく、常時つけておくことにしました。そのほうがなにかと便利だし。前の緑のサンバーがザクだったので、この青いパンダは僕的にはグフなのですが、グフにはやはり「角」が必要なのだ。ちなみに、僕はパンダのアンテナはモビルスーツ的でめっちゃカッコイイと思う。
そして、パンダと言えば、やっぱりジウジアーロデザインの内装ですね。すごくオシャレで使い勝手も良い(見た目より広い)のです。しかし、素材と造りは非常〜にプラモデルっぽい。おもな樹脂系パーツの予備はゴッソリもらいましたが、大事にしないとけません。
元が素敵なので、内装もあまり後付パーツなどでいじりたくはないのですが、機能上必要なタコメーター(サンバーから移植)、ワイドバックミラー、iphoneホルダだけは追加しました。フロアマットはホイールに合わせてこれも予備でもらったABARTHのものを敷いてみました。
この車は、実はVACANZAという珍しい限定版です。限定って言っても、バカンスっぽいミントブルーとオレンジの線とイタリアの「長靴」のロゴが入っているだけですが。これがあるとちょっとした80年代テイストが加わるので結構気に入ってます。
自分は愛車をピッカピカにするようなタイプではまったくないのですが、ここまでずっと大事にされてきたパンダですから、「年式の割にきれいな」という状態を保っていきたいものです。新車と違い、塗装などはデリケートになっているので、やさしく手洗い洗車が基本ですね。
うちは洗車スペースは十分あるけれど、山の中の別荘地なので排水で環境を汚したくない。なので、シャンプーと簡易コートをしに、久しぶりに洗車場へ。ツヤンツヤンでもなく、汚くもなく、いいかんじの綺麗さを目指します。
そして、生まれて初めてボディカバーというものを用意してみました。ホームの駐車場は標高1400mの山中の屋外です。鳥の糞やら虫やら、小枝、葉っぱ、樹液、栗やらあらゆる自然なものが降ってきます。標高が高いので紫外線も強いし、冬はマイナス10度以下の極寒。さすがに何らかの対策は必要と思い、一番コストが安く効果も高そうなカバーをつけることにしたのです。付け外しの不便さはあるけれど、パジェロミニは裸で待機しているので日常の足はそっちを使えばいい。
既に年式相応の小傷があるので、安いカバーでもいいと思ったけど、湿気が籠もったりするのは古い車の塗装面には特に良くないらしいので、四層構造・裏地起毛付きの高級スペックの中では劇的に安いこちらのシリーズにしました。パンダ専用品ではないのでちょっとブカブカだけど、風が比較的少ないうちの環境では、このように少々隙間があるほうが通気性等の面で良いかもしれません。
とまあ、今回はパンダ君の外観的な紹介が中心でした。今のところとてもよく走ってますけど、クーラーのこととか、困ったちゃんな部分はやはりあります。その点、この車はマシンを維持するというより動物を飼うような感覚なのです。それを愛すべきことととらえる者は、「パンダを維持する」とは言わず、「パンダを飼育する」と言う。走りを含め、そのへんの話はまた次の機会に・・・