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【NEX-7】最終評価 レンズ編3  Sony E 50mm 1.8 OSS ( SEL50F18 )

NEX-7を導入してから半年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

ボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。同時進行でEOS編もやっていきます。


NEXレンズ編の対象は2013年5月末時点で所有している以下のレンズです。

・Sony E 16mm 2.8 (ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1)
SIGMA 19mm 2.8 EX DN
Carl Zeiss Sonnar E 24mm 1.8
・HOLGA HL(W)-SN 25mm 8
Minolta MC W.Rokkor 35mm 1.8 H-H (ミノルタMC=MDマウント)
・Contax Tessar 45mm 2.8 (ヤシカ/コンタックスマウント)
・Sony E 50mm 1.8 OSS
・Contax G Carl Zeiss Sonnar 90mm 2.8 (コンタックスGマウント)
・Canon FD 400mm 3.5 S.S.C (キャノンFDマウント)
・Sony E 18-55mm 3.5-5.6 OSS

(以下EOSと共用 M42マウント)
・Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm 3.5
・Chinon 28mm 2.8 MC
・Auto Chinon 35mm 2.8
・Chinon 55mm 1.7 MC
・Auto Chinon 135mm 2.8
・РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mm 8


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NEXレンズ編第三弾はお待ちかね(?)の純正50mmです。NEXシリーズ開始初期からあったレンズで、NEX-7購入後2本目に買い足したのがこれです。標準50mmですが、APS-CのNEXボディ専用ということで、メーカー的には「中望遠のポートレートレンズ」という扱いですね。長めの外観も中望遠的です。私はNEXでは人物ポートレートはまず撮らないのですが、主用途の街頭スナップでも70〜85mmという画角は外せないものです。特に空間が広い田舎や海外では東京などの狭い都会と距離感が変わるので、中望遠が標準レンズ的になる場合も多いのです。

その観点から、NEXの50mmが画角的に使いやすいかというと、使いやすいです。画角的には75mm相当ですが、50mmなので「広めの空間での標準レンズ」としてピッタリなわけです。逆にフルサイズの85mmみたいな感覚では望遠っぽい遠近感や被写界深度の面で物足りなさを感じます。そういうわけで、EOSとの2台持ちでNEX-7を使うことが多い私は、「広めの空間での標準レンズ」が欲しい時はこのレンズ、「中望遠単焦点」が欲しい時はキャノンEFの85mm1.8を使います(同時に持ち出すことはなく、撮影に出かける前にどちらかに決める)。

そしてこれは、非常によく写るレンズです。ゾナー的なシャープさとヌケの良さが特徴で、もしツァイスがゾナーでNEX用の50mmを出しても決定的な差は出ないのではないでしょうか。開放ではややグルグボケが出ますが、僕は好きなので気になりませんし、多くの大口径標準〜中望遠のオールドレンズほど強いものではありません。ピントその他どの絞りでも不満がないどころか要求以上の描写をします。とにかくシャープで色乗りもよく、国産レンズ離れした好みの描写です。それが実売2万円台前半ですよ!恐ろしくコストパフォーマンスが高い。間違いなくこれは「買い」でしょう。

欠点は既に最終レビューをしているシグマの19mmと同じ。NEX-7独特の赤味が強く出るレンズの一つです。というか、私が持っているEマウントレンズは、ツァイス24mm 1.8を除いて皆そうです。純正レンズ全体の傾向であるということは、ソニーはこの赤味を積極的に肯定しているということなので、NEX-7のシステム全体に対する不満と言った方が正確でしょう。「赤味」についてはそれがかえって好きだという人もいると思います。ですが、これは「好み」を超えた客観的に偏った色カブリだと個人的には評価せざるを得ません。ですので、素晴らしいレンズなだけにその点が非常に残念です。


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このブログで載せている写真はすべてPhotoshopで調整済みなので、私がことあるごとに言う「NEX-7の赤味」には気づきにくいかもしれません。なので、今回はNEX-7+SEL50で「撮ったまま」だとこんな感じというのをお見せしたいと思います。曇天の空という特にAWBが赤を強く出そうとし、また赤味が目立ち気になりやすい条件です。上がAWB・jpegで撮ったまま、下がPhotoshopで調整後です。

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【描写】 ★★★★☆ 

赤味は大きな欠点ですが、本質的にはNEX-7のボディあるいはソニーの写真に対する考え方のの問題であること、今までPhotoshop調整で許容範囲に収めることができていることを考慮して★一つ減に止めます。それ以外は満点。このレンズをゾナーのつもりで使っているほど、シャープでヌケの良い描写は自分の好みにもピッタリ合ってます。特にシャープさや滑らかなボケが演出する立体感が素晴らしい。開放での描写も申し分ない。開放F2だと物足りなさを感じるかもしれませんが、逆にF1.4じゃなくて残念とも感じません。

【AF性能】★★★★★

自分はNEXでは動体をAF-Cで追うという使い方をしませんので、その限りではなんのストレスも感じません。

【OSS】★★★★★

あまり意味がないと思うので、検証実験みたいなことはしていません。ですので、実際にどのカットでどの程度効いているのかあまり実感できないでいますが、撮影結果を見ればブレ補正はよく効いていると思います。手ブレでスポイルされたカットはほとんどない。OSSであることを忘れさせるくらい撮影中の作動感がないのは高性能な証拠と思います。また、OSSがついていることによって画質が低下しているという感じもしません。私にとってブレ補正機能の有無はレンズ選びの条件として優先度は低いですが、このレンズのOSSは歓迎すべきものと思います。

【操作感・デザインなど】 ★★★★★

描写はゾナー級ですが、ツァイスのSEL24F18と違ってこちらはプラスチック製。しかし、シルバーの仕上げが大変によく、それを感じさせない。モノとしての魅力も十分と思います。ピントリングのトルク感もしっかりあります。NEX-7のブラックボディとの組み合わせもかなりかっこいいと思います。フードはLIM'S製の専用メタルフードに交換しています。メタルフードにこだわる個人的な趣味なので、ほとんど形状が同じな付属のプラスチックフードでも十分良いと思います。

ちなみにLIM'Sの各種メタルフードは非常に出来が良く、各レンズとのマッチングもよく考えられていてお気に入りです(EF85mm用も使っています)。韓国メーカーなので、国内では入手経路に限りがあります。私はebayで買いました。今日び、ネットで韓国のものを褒めると叱られそうですが、相手が誰であろうと間違いや非道を批判する勇気と同時に、良い物は良いと認める勇気、良くも悪くもないことには普通に接する度量がなければいけないと私は思っています。公平なスタンスに立って初めて、理不尽に対して毅然とした態度を取れるのです。

【サイズ】 ★★★★★

ミラーレス一眼の標準レンズとして見ればやや大ぶりかもしれませんが、中望遠として見ればコンパクト。NEX-7にコンパクトカメラ級の手軽さを求める人はいないでしょうから、満点。

【コストパフォーマンス】 ★★★★★

★10個あげたいくらいです。これまでに新品2万円ちょっとでこんなに良く写るレンズがあったでしょうか?しかも最新技術が詰め込まれた純正の現行型。こういうレンズが存在し得るのがミラーレス一眼の強みかもしれませんね。



【総評】★★★★☆

満点をあげたいところですが、NEX-7で使っているクールトーン好きの自分としては赤味はどうしても見過ごせません。ボディが変わって赤味が抜ければ満点です。



【関連記事】

<ファイナルインプレッション>
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<ファーストインプレッション>
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おもな作例
写真(Naganao snapshot)  
写真(Street Snap)



  
by hoq2 | 2013-06-13 04:29 | カメラ

(フォトジャーナリスト・内村コースケ)写真と犬を愛するフォトジャーナリストによる写真と犬の話。写真は真実の写し鏡ではなく、写像である。だからこそ面白い。


by hoq2
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