【NEX-7】 最終評価 ボディ編

NEX-7を導入してから半年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

今回のボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。同時進行でEOS編もやっていきます。



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1)フルサイズEOS(5D系)のサブ機として・・・★★★☆☆

仕事の撮影においては、EOSとの同時使用は今のところほとんどしていません。ネックになっているのはAF性能。一方、街頭スナップなどプライベートな作品ではEOSとの同時使用でガンガン使えています。

(マイナスポイント1 = 事実上親指AFが使えない)

EOSでは、いわゆる親指AF(シャッター半押しではAFを駆動させず、背面のAFボタンで駆動させる)の設定を使っていますが、NEX-7ではそれと同じようにはいかない。

親指AFの利点は、特にフルタイムMFのレンズの場合はAFとMFをシームレスに使い分けることができること。また、AFモードを常に「AI-SERVO」(NEXではAF-C・連続してピントを追い続ける)にしておくことで、親指(AFボタン)を押したり離したりすることで、微妙なピントの追尾・停止を繰り返すことができます。

「AI-SERVO」には、合焦していようがいまいがシャッターが切れるためシャッターチャンスを逃しにくいというメリットもあります。しかし、シャッター半押しで「AI-SERVO」を使うとピントを固定した状態でシャッターを切るという使い方はできない。そういう「ONE SHOT」(NEXではAF-S)的な使い方も兼ねられるようにシャッターとピントの駆動ボタンを分離させる必要があるのです。言い換えれば一般的なAFの使い方=「シャッター半押しでAFで合焦させてから全押しでシャッタ−を切る」のではなく、「シャッターが常に切れる状態で自分の目で合焦を確認しながら任意のタイミングでシャッターを切る」というスタイルになります。

NEX-7ではこのようなEOSと同じようなことができません。一応、フォーカスモードを「MF」にして「AF/MFボタン」を押している間だけAFを駆動させるという親指AFに準じたことはできます。しかし、その設定では、EOSのようにAFのフォーカスエリアを動かすことができないのです。親指AFのメリットを最大限に使いこなすにはAFエリアの任意選択が不可欠です。そのために、AFエリアを「フレキシブル・スポット」にして任意に選びたいのですが、NEX-7は元のモードが「MF」だとAFエリアの選択ができない仕様になっているのです。

この時点で親指AFはしない方がいいと判断し、NEX-7ではAF-S(シングル)モードで「シャッター半押しでAFで合焦させてから全押しでシャッタ−を切る(AFエリアモードはフレキシブルスポット)」というごく普通の使い方をしています。

(マイナスポイント2 = AF-Cの追尾性能がお粗末)

上記とも関連しますが、親指AFとセットのAF-Cが実用性能まで行っていません。追尾速度がとても走る犬などの高速移動にはついていけない。動きが遅いものに対してもピントの「迷い」が多く、追尾速度そのものも遅い。AF-Sで合わせては撮り、の方が早いというレベル。なので、普通の「シャッター半押しのAF-C」もほとんど使いません。

この2つのAF絡みのマイナス点において、確実にシャッターチャンスをものにしたい場面、つまり仕事ではちょっと使えない。ただ、後継機では既にNEX-6や5Rで導入されている像面位相差AFが採用されるでしょうから、2)の追尾速度の点はクリアされるかもしれません。

(プラスポイント1 = フルサイズと同時使用で遜色ない画質)

解像度的な意味での画質は申し分ない。APS-C サイズであっても、5D3のフルサイズ画像と混ぜて明確な差は感じません。なので、特に親指AFやAF-Cを必要としない街頭スナップなどプライベートな用途では積極的に同時使用(5Dとの2台持ち)ができます。同等の結果が出ることにより、どっちがメイン・サブということなく使えるのがとても良いです。

(プラスポイント2 = サブ機として申し分のない「小ささ」)

私は報道カメラマン出身なので、ニコンのF5やD1の2台持ちを普通にしていました。その基準で言えば、今の5D系とNEX-7の2台持ちは楽ちん。レンズも軽くて小さいので単焦点を沢山持ち歩ける。銀塩時代に趣味のサブ機として使っていたコンタックスG2よりも一回り小さい。そもそも、銀塩をやめてG2の代わりをどうしようかという中からNEX-7にたどり着いたので、補って余りある「小ささ」です。


2)単独使用のメイン機として・・・★★★★☆

前項で仕事では使えないと書きましたが、それは撮影専門の仕事の話になります。私は、ライターとしても仕事をしていますので、記事取材がメインで撮影はオマケのような仕事もあります。そういう時は、NEX-7で十二分です。今まではそういう時もEOSを持っていったのですが、取材の荷物が一回り小さく軽くなった。そのおかげで、行き帰りに散歩写真を撮る余裕ができたのは大きいです。難点は記事取材でほぼ必ず使うクリップオンストロボをつけるとバランスが悪くなることか。

街頭スナップでは、散歩を楽しむことを主目的にしている時は、やはりEOSとの2台持ちは肉体的にも精神的にも負担になります。そういう時はNEX-7一台にレンズ数本というのがちょうど良い。本当に写真がどうでもいい時はiphoneのカメラで十分ですが、EOSとの間にオプションができたことで、撮影の幅が広がったし、好きに写真を撮る回数もだいぶ増えました。これが何よりもNEX-7を買って良かったことですね。

そういうわけで、銀塩時代にこのサイズ・スペックに近いカメラ、たとえばライカをメインに仕事や趣味をしていた人はNEX-7をメインにしても違和感は少ないのではないでしょうか?


3)マウントアダプター遊びの母艦として・・・★★★☆☆

ミラーレス一眼が、この用途に適しているのは言うまでもありません。フランジバックの制約が少ないのでほぼ全てのマウントで無限遠が出るからです。その中でもNEXにアドバンテージを感じるのは3/4に対してAPS-Cは元レンズの画角の変化が少ないこと(1.5倍=50mmが75mm相当に)と、光学ファインダーでは「露出値に関わらず絞った分暗くなる」のが有機ELファインダー及び背面液晶パネルでは「露出通りの明るさ」で見えることです。

前者に関しては、マイクロフォーサーズ(OLYMPUS PENなど)では、35mm換算で2倍になってしまうので、私はこの用途で使う気にはまったくなれません。望遠になるというよりは、「半分にトリミングされてしまう」ことが受け入れがたい。1.5倍ならば、許容範囲なので積極的にオールドレンズを使っています。フルサイズなら言うことなしなので、★一つ減。

また、私の場合は「マウントアダプター遊び」というよりは、オールドレンズを実戦的に使用するための手段としてマウントアダプターを使っています。「昔のレンズの味を楽しむ」のが主目的ではなく、「結果」を求めての選択。純正のラインナップに加えて、マウントを問わないMFレンズ群が、レンズ選びの選択肢になっているという感覚です。

最近のミラー有り一眼も背面パネルでライブビュー撮影ができます。ですので、「絞った分暗くならない」というのはミラーレス一眼だけのメリットではありませんが、NEX-7には有機ELファインダーがついているので、マウントアダプターを介していてもほとんど不便なく「覗いて撮る」ことができる。これはとてつもなく大きいと思います。

しかし、NEX-7が母艦として最適かというとそうではありません。ライカレンズなどのレンジファインダー用広角レンズを装着した場合、四隅がケラれるような形でマゼンダ被りします(後述のカラーバランスが「赤っぽい」こととは別の現象)。これは、NEX-5シリーズや3シリーズでは出にくいのですが、7では後処理の補正込みでも実用レベルではないほど、35mm以下のほぼ全てのレンジファインダー用広角レンズで被るようです。一眼用の広角レンズは問題ありませんので、「広角が使えない」のではなく、選択肢が減るということになります。ですので、母艦として使うことに特化したい方には、7はオススメしません。5か3が良いでしょう(6は調査不足で分かりません)。

メーカーがサポートしない使い方での問題なので、これに関しては後継機で改善してほしいとは言えませんけどね。でも、これで★一つ減。

私が使っているマウントは、M42、ミノルタMC(MD)、キャノンFD、Y/Cコンタックス、コンタックスG。ほかにニコンFやオリンパスOM、ペンタックスK、トプコン(エギザクタ)、広角以外でライカM(L)などが実用的に使えるはず。純正アダプター使用でソニーA、キャノンEF(EOS)も絞り環付きの特殊なアダプターをつければ使えそうですが、私はAFレンズをこの用途で使う気はないです。


4) その他機能別評価

ファインダー・・・★★★★☆ 有機ELファインダーがこんなに見やすいものだとは思いませんでした。光学ファインダーにこだわる人も食わず嫌いはやめて目を向けて欲しい。まあ、文学的な「覗いた時の気持ちよさ」では、光学ファインダーにはかないません。しかし、「構図を決めてピントを合わせる」という実用上において、光学ファインダーじゃないからダメだと感じたシーンはほぼありません。多少ノイジーになっても夜間やNDフィルターをつけても明るく見えるというのは画期的なことですよ。

背面液晶パネルも見やすいです。ただ、3系や5系のようにフードがつけられないのはマイナス。晴天屋外ではあまり使い物になりません。また、5Rのように、タッチパネル式でフォーカスエリアの選択・ピント合わせまでできれば最強ですね。どちらも有機ELファインダーがあるから必要ないという判断なのでしょうが・・・

コマ速・・・★★★☆☆ 私の使い方では十分です。しかし、3コマ/秒では足らないシーンも多いと思います。ピント固定が条件となる速度優先モード(10コマ/秒)は、自分の場合はほとんど使い道はありません。高速連射って、望遠の浅いピントで動体を追いながらする場合がほとんどじゃないですかね?

ホワイトバランス・・・★★☆☆☆ 最も評価が低い所です。どのWB設定・ピクチャースタイルでもマゼンダかぶりがひどい。ブルーが強すぎて赤っぽく見えるケースもたまにあって、要は「赤っぽい」のです。マニュアルで調整しても解決できない根本的なバランスの悪さがあります。さらには、RAW現像でも解決できない場合が多いです。たいていは、Photoshopのカラーバランス調整でなんとかなるのでWBというよりはカラーバランスの問題なのかも知れません。「撮って出し」の人は要注意。

要は入門機的な「人肌をきれいに」というセッティングが極端なのですね。赤っぽく振ると、ぱっと見血色のいい「人肌」になるのですが、これはあくまで見かけの美しさで、人肌の美しさはカラーバランスだけで表現するものではないのですが・・・。NEXの中では上位機種なのだから、せめて「スタンダード」だけでもニュートラルなバランスにしてほしかった。なんのためのポートレートモードなのかと思います。

ただ、EOS的な黄色っぽさはなく、決まる時は決まります。人工光下ではEOSよりも「撮ったまま」が良い感じの時が多いかもしれません。また、旧ミノルタレンズなどクールトーン寄りのレンズと組み合わせるとバッチリニュートラルになります。逆に純正レンズであればあるほど赤いのですが・・・。まあ、プラス面も少しはあるので☆2つです。

<関連記事>【Nagano Snapshot】 蓼科1 白樺湖 (NEX-7のホワイトバランスに物申す)

ISO感度関連・・・★★★☆☆ ISO100〜16000まであります。私の基準では安心して使えるという意味での実用感度は800まで。1600からはっきりとノイズが分かりますし、全体の画質も低下します。おおざっぱに言って2世代前のミラー有り一眼のハイエンド機並みと言っていいでしょう。さらに低感度側でISO50が使えないのは痛い。ISO100でF1.4〜2では、晴天屋外で1~2段分足りません(最速シャター−1/4000は「止める」には十分以上なのでそちらに文句はない)。私はこのためにNDフィルターを持ち歩いています。高感度側・低感度側ともあと一歩。★1つ減。

それから、手動設定では1EVステップでしか感度が変えられません。EOSの1/3ステップに慣れていると、これはとても不便。ストロボ撮影などではISO感度による露出の微調整が大変有効なのですが、1EVステップではそういう使い方が制限されます。ISOAUTOでは中間ISOが設定されるようですが、私はAUTOは使いませんし、そもそも中間ISOは意図して使ってこそなので、なんで手動設定できないのか謎。技術的にも営業的にも必然性はないはず。まったくおかしな仕様です。★1つ減。

バッテリー・・・★★★☆☆ 持ちません。予備バッテリー必携です。小さいのでたいした荷物にはなりません。

MF補助機能・・・★★★☆☆ ファインダー・モニターの拡大機能とNEX独自のピーキング機能があります。拡大はシャッターボタンその他半押しですぐに等倍に復帰できるので非常に便利です。ただし、純正対応のレンズではピントリングを回した時点で<自動的>に拡大されてしまいます。マウントアダプター使用時は電気的接触がないので、右下のボタンを押した時だけ拡大できます。私としてはむしろ後者がありがたいのですが、純正レンズではどう設定を変えてもできません。まあ、ギリギリ目をつぶれますが、非純正の方が使いやすい状況を生んでいるこのあたりがソニーのカメラ慣れしていない部分かなあと思います。

ピーキングは私はまず使いません。ファインダー画像に余計な情報が入るのは作画プロセス上非常に邪魔。これが気にならない人はピント合わせの新機軸として大いに活用できるのでは?

操作性・・・★★★☆☆ ソニーなので、伝統的なカメラっぽくはありません。が、ソニーにしてはカメラっぽい。「カメラっぽさ」にこだわる人はやめたほうがいいが、新機軸好きな人は好感が持てるはず。ただ、操作ボタンのカスタマイズがこなれていない。カメラメーカーでないだけに、カメラマンが何を要求しているのか完璧には把握していないのだと思います。「帯に短しタスキに長し」。

質感・外観など・・・★★★★☆ モノとしての魅力に関しては、5系・3系とは別物と言っていいほど良いです。5・3が「家電」なのに対し、7はちゃんと「カメラ」です。ただ、防塵・防滴性はいわゆる「デジ一」の上位機種と比べてはダメ。雨の中で使えばファインダー内に水滴が入るし、砂をかぶれば、マウントとレンズの間から忍び込んでセンサーに付着します。ラフには使えません。

内蔵ストロボ、クリエイティブスタイル、スマイルシャッター、スイングパノラマ、オートHDRなどの付加機能及び動画機能・・・評価なし
  私はこういうの、カメラに必要ないと思ってます。パス。ただし、クリップオンストロボが使えるのは◎。


総評・・・★★★★☆

ソニーです。αだけどミノルタではありません。もっと言えばニコン・キャノンの上位機種ではないのです。だから、カメラとして未熟な部分、個別の欠点は多々あります。しかし、それを補って余りあるプラスポイントがあり、APS-Cミラーレスという新機軸のパイオニアなのは間違いありません。特にこのデジタル時代、オンリーワンの魅力に溢れたカメラは他にそうはないでしょう。ザクよりもグフな人なら満足度は高いと思います。良いカメラだけどクセが強い。後処理を必須としていてカラーバランス・WB調整のコツさえつかめば、「結果」として出て来る写真は素晴らしいです。そろそろ出そうな後継機種にも大いに期待したいところです。


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おもな作例
写真(Naganao snapshot)  
写真(Street Snap)



         

by hoq2 | 2013-05-23 04:49 | カメラ | Trackback | Comments(0)

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