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【八ヶ岳】 自分のトーンを探す

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EOS5D MK3 EF24-70mm 2.8L 1/80 F11 ISO100


蓼科もようやく「積雪」が「残雪」になりました。このあたりのタイミングで、「山」=風景写真に自分なりの手応えをつかんでおかないといけない。街頭スナップや報道から入った自分としては、いわゆる風景写真の王道を謙虚に学びつつも、一歩踏み込んでいきたい。

はっきり言えば、王道の風景写真は予定調和的なつまらないものが多い。それを追いかけることほど馬鹿馬鹿しいことはないのである。もちろん、頭の悪そうな自己流はダメだが、自分自身の哲学を持つことが最も大切だ。また、表面的な写真の「トーン」も独自のものを持っておきたい。

今回は、自宅のある別荘地から望む八ヶ岳を撮った。短い時間だったが、一箇所に三脚を据えて自分なりのトーンを探ってみた。空の表現、山肌の表現、前景の表現、そういったあたりの個別のトーンと組み合わせ方。何パターンか試した中で、今日の所はこんな感じにまとめた。


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EOS5D MK3 EF24-70mm 2.8L 1/60 F11 ISO100

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NEX-7 Canon FD400mm 4.5 S.S.C 1/500 F8 ISO100


構図的には3枚は単なる画角違い。トーンも同じような感じだが、ブルーグレイ調に落とした空の作り方が違う。

(1枚目) アナログな方法。Graduated ND フィルター(日本では「ハーフND」と呼ばれることが多いが、しっくりこない。半分を暗くしたい時に使いたいわけではなく、明暗のグラデーションをかけるためのツールだと自分は捉えている)を使った。一時期よく使っていたCokinA121sを久しぶりに引っ張り出してきた。

この手のフィルターは日本では比較的なじみが薄いが、欧米ではポピュラーだ。日本ではフィルターワークによる演出が「不自然」だと捉えられる傾向にあるからであろう。言葉通り、「写真」は現実を写しとったものという考え方から、フィルターなどで手を加えることを邪道扱いする人が多い。一方、英語では"picture"という言葉が使われるし、"Draw a picture by camera"というフレーズもよく聞く。写真は絵画の延長線上にあるグラフィックアートの一つだと捉えられているのだ。

レンズは真実を写し撮る「神の目」ではない。神に近づこうとあがく「人間の目」を表現するツールである。僕はそう思うから、「写真」派ではなく「Photograph」派である。


(2枚目) Graduated NDと同じ事を、Photoshopのグラデーションツールで表現。グラデーションのかかり方はアナログフィルターとほぼ変わらないが、色調に関してはアナログフィルターの方があまりいじらず狙い通りになった。また、AWB・jpegで撮ったせいだとは思うが、1枚目と2枚目を同じ色調に合わせることはできなかった。そうする必要がある場合は、アナログかデジタルに統一するか、混在させる場合はRAWを使った方がいいだろう。


(3枚目)  PLフィルターで適度にコントラストを上げ、2枚目と同じデジタル処理を実施。また、空の露出はレベル補正を使って落としてもいる。


要はうまく使い分けて自分のトーンを出せばいい。アナログが上とかデジタルが邪道とかはないから。ただ、自分の場合、アナログの手法からあまり逸脱したくないというのはある。「Photographics」と、写真をベースにした「Computergraphics=CG」はやはり違うと思うので。一方で、フィルターワークや暗室テクニックをPhotoshop上に置き換えた作業にはまったく抵抗がない。多くの人はこのあたりの違いをはっきり意識していないから、アナログ VS デシタルという不毛な論争になるのではないかなあ。

少なくとも僕の場合はやっていることは一緒だ。PLやフルのNDなどデジタルに置き換えられないフィルターワークもあるが、Graduated NDは、どっちでもいいだろう。余裕がある時はアナログのフィルターを使いたいが、シャッターチャンスがシビアな時やフィルターが使えない・使いにくいレンズにはPhotoshop上の処理の方が良いだろう。

そこに至るまでの方法はともあれ、今回の習作を通じて、自分のトーンが少し見えてきたような気がする。



  

by hoq2 | 2013-03-23 02:07 | 写真(風景) | Trackback | Comments(0)

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