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写真撮影と眼鏡

僕はメガネのカメラマンです。

極度の近視に乱視も入ってます。以前はコンタクトで写真を撮っていましたが、不注意でコンタクトごと角膜を剥がして、しばらく目が空けられないという恐ろしい思いをしたので、コンタクトはもう怖くてできません。

しかし、眼鏡で光学ファインダーの一眼レフを覗くというのは、本来あまり良い方法ではありません。アイピースに目を密着させた方がよく見えるし、ホールディングも安定します。ただ、今のデジタル一眼レフはほとんどがハイアイポイントなので、眼鏡でもファインダー内の視野は確保されます。ですから、慣れれば眼鏡でも行けますよね。

眼鏡撮影を始めた最初の眼鏡であり、先日までかけていたのがこれ。
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特に撮影用ということは考えずに、なんとなく選んでしまった。度は1m先くらいがもっともクリアに見えるように、視力検査上は1.5見えるようにしています。実際は周辺部の歪みや滲み、ズレによる微妙な狂いもありますので、1.0〜1.2くらいでしょう。コンタクトの時よりは見えにくいのは確かです。眼鏡化に合わせてAF技術を磨きました。

このタイプの眼鏡の欠点は、上下幅、特に上が狭いのでちょっと上目遣いになると視界がレンズから外れてします。ハイアイポイントのカメラはファインダーを覗く際の角度が割りと取れるのですが、低いアングルで犬を撮ることが多い自分の場合、この眼鏡ではきついシーンが少なからずあります。そのため、腹ばいになったり、アングルファインダーを使うことが多くなりました。
また、普通のしかも安い眼鏡なので、ずれることも多く、微妙なズレで視力が変わってしまいます。僕は目が悪いなりに、「見えなさ加減」を体で覚えて細かいピントを合わせていくのですが、これではあまりよろしくありません。

そこで、目をつけたのがレンズのカバー面積が広く、ズレないスポーツ用の眼鏡。中日の井端選手を見た時に「これだ」と思ったのですが、本格的なものは高い。まあ、自分も仕事用だから高い金を出してもいいんでしょうけど、まずは安いもので色々試してみて、それでよければ経費節約という考えで、これを買いました。
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本格スポーツ用みたいなゴムでつけるタイプではないですが、まあこれで十分フィットします。それに、ゴムのやつは井端が打席でしょちゅうフィット感を調整しているのを見て、きつそうだなと思ったのでやめておきました。また、同じシリーズでもっとレンズ面が広いのもありましたが、似合わなかったのでこれにした。
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安かったので、一つ大きな冒険をしています。ずっと前から、僕は日本の本州の光は暖色系に寄っている(黄色すぎる・赤すぎる)と感じています。北海道やヨーロッパや北米の光がニュートラルに感じます。さらに、日本の印刷媒体で仕事をすると、目で見ているよりさらに暖色系の発色が好まれる。自分の感覚、そしてMacのモニターで調整したものよりも、99%暖色寄りで印刷される。他の人の作品も、自分には黄色っぽく見えるのが多い。

そこで、思い切って、もう最初からデフォルトで寒色(シアン・ブルー系)寄りに見えるようにしてしまおうと、眼鏡のレンズに薄いシアン系の色を入れてみました。世間に自分の感覚を理解してもらうのは半分あきらめた。もう十分努力はした。もうここまで来たら自分の見え方を物理的に変えちまえ、というわけです。
外から見るよりは、かけた本人の視界の方が薄い感じです。photoshopのレンズフィルターにして10%くらいシアン系が乗ってる感じに見えます。ファッション的には梶原一騎的な70年代のサブカルオヤジみたいになってしまったが・・・。

モニター上でどこまで伝わるか分かりませんが、上の風景が、新しい眼鏡で見ると下のような色で見えます。自分的にはやはり、下の方がしっくりきます。
写真撮影と眼鏡_c0035245_122329.jpg


photoshopでの色調整作業の時、眼鏡をどうするか。世間に合わせるなら青い眼鏡のままやった方がいいし、「青い」と苦情が出ても自分の色を通すなら透明で。うーん、これはまだ迷ってます。


2013 6/4追記

コンタクト復活しました!

写真撮影と眼鏡_c0035245_19561095.jpg

サヨクの皆さんが発狂しそうな並べ方はご愛嬌 ↑

上記のように眼鏡で3年弱頑張りましたが、ここ半年ほど眼の調子が戻ったようなので、本日眼科に行ってお墨付きをもらいました。お試し期間が過ぎたら本格的に戻します。当面は写真撮影時「のみ」One dayの使い捨てタイプにします。やはり目は大事にしたいし、日常生活での見え方も細かな矯正ができる眼鏡の方が勝るので。写真撮影以外では眼鏡の方が楽だしね。

しかし、少しカメラを構えてみたけど写真撮影ではやっぱ楽だわ、裸眼(コンタクト)。約3年よく頑張ったと思います。実際に経験した眼鏡撮影の欠点を箇条書きにしておきます。

・アイピースと目の間に空間が空く・・・角度によってはハイアイポイントでもファインダーの隅までは一瞥できない。さらに、横から光が差している状況では光が間から入ってきてかなり見えにくくなる。

・眼鏡の度は中央付近と周辺部では違う・・・レンズの中央をファインダーに当てないとしっかり見えません。これが構え方を限定して、窮屈になります。そのせいで、眼鏡で撮り始めてから絵が右下がりに傾く傾向が出ました。これは最後まで直りませんでした。

・眼鏡がすぐに曇る・・・アイピースにレンズを密着させて撮るので、すぐに眼鏡のレンズが汚れます。しばらく撮っては眼鏡を拭き拭きということを我慢強くやってました。

とはいえ、眼鏡撮影は経験しておいて良かったです。強度の近眼者としてコンタクトがないと撮れませんはやはり困りますから。これで文明社会が続く限り怖いものなしですね。私は眼鏡のカメラマンを応援します!
by hoq2 | 2012-01-19 01:14 | カメラ

(フォトジャーナリスト・内村コースケ)写真と犬を愛するフォトジャーナリストによる写真と犬の話。写真は真実の写し鏡ではなく、写像である。だからこそ面白い。


by hoq2
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