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潮が引いた時

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東京・高浜運河 / 2009

Hasselblad 503CXi / Distagon 50mm 4,Planar 80mm 2.8

品川駅の東口を出て、海の方へ歩くと運河に行き当たる。近くに5年ほど通勤した事があった。シーバスを釣り上げようと一晩キャストし続けたがノーフィッシュだったりと、この運河には様々な寂寞感的因縁がつきまとう。

撮影時期は2009年の冬。リーマンショック華やかしき(?)頃だ。いよいよ日本も終わった、老年期を迎えたということが、実感を伴って確実視され始めたのはこの時期だと思う。世界不況の中でも、日本が頭ひとつ抜けて「終わった」ということに。

僕は不況下の東京を歩いて「これは焼け野原だ」と思った。物理的には相変わらずの近代都市で、以前に比べてくたびれた建物が目立つ程度だ。だが、町から活気が消え失せている。経済的焼け野原だと思った。

これに似た街を僕は知っている。80年代のロンドン。「英国病」と言われたあの時代、イギリス経済はどん底だった。人口は2000年代の英国バブル期の1/3だったから、もともと人口の多い東京と比べれば、人通りもまばらだった。物理的「焼け野原度」は当時のロンドンの方が上だが、東京の内情は戦後最悪期のイギリスとそう変わらないのでは、とすら思う。

そして、日本は今も悪くなる一方だ。バブル期の大潮からどんどん潮が引いていき、上げ潮になる気配はない。
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Contax G2 / Biogon 21mm 2.8
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by hoq2 | 2010-11-30 12:40 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

(フォトジャーナリスト・内村コースケ)写真と犬を愛するフォトジャーナリストによる写真と犬の話。写真は真実の写し鏡ではなく、写像である。だからこそ面白い。


by hoq2
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