【21st Century Snapshotman 】リアルと夢幻の間で 新井薬師 ー 哲学堂 (2017 7/6)

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今回は、毎年作っているカレンダーの撮影の帰りに、そのまま仕事機材でデジタル・カラーでスナップ。アクセントにローライA26による35mmスクエアのモノクロフィルム画像を混ぜてみた。

中野の北の新井薬師前あたりは、高校・大学と比較的近いエリアに通っていたこともあって、馴染みがないわけはない。でも、これまであらためてカメラを持って歩いたことはなかった。新井薬師のお寺の中まで入ったのも多分、今回が初めてだ。この辺りは70-80年代がピークの等身大の町というイメージがとても強い。白黒かネガカラーが似合う。でも、今になってデジタルカラーで撮るのも、ひねくれていてなかなか良いのではないかと思う。

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僕は東京東部のいわゆる下町を撮り歩くのが好きである。ただ、下町=庶民のリアルな生活の場だとすれば、上野・浅草といった町は、僕が街頭スナップをやり始めた1980年代後半には既に現役の下町ではなくなっていた。つまり、下町の現役時代を知らない。自分のリアルタイムと活気に満ちていた時代がかぶるのは、ここ中野あたりを含む新宿・渋谷・池袋をターミナル駅とする23区内の町ではないかと思う。

普通の人たちが普通に暮らしているという意味では、今もその構図はあまり変わっていないと思う(格差が広がる中で、渋谷の延長のエリアは上流階級の町になっている感はあるが)。しかし、そう遠くない将来、たとえば2020年を境に東京の構造はまたシャッフルされるのではないだろうか。

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こういうリアルな町を、生々しいカラーで撮るのはかなり難しいと思う。ただでさえ、日本人にとって身近な東京を日本人が撮るというだけでハードルが高い。だから、多くのストリート・フォトグラファーは白黒で町の生臭さを浄化している。そのあたりが、冒頭で書いたように馴染みがないわけではないのに、この町を撮り歩いたことがなかった理由かもしれない。

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普通の町だと書いてきたけれど、このエリアには哲学堂野方配水塔という前衛スポットがある。詳しくはwikiなどを見ていただきたいが、いずれも元は真面目な施設なのだけど、その役目を終えた今の時代に普通の町の中にいきなりあると珍妙である。そういうわけで、庶民の町で心癒された後は、前衛的な刺激を求めて哲学堂へ向かう。

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写真のトーンもハクチュームっぽくなってきた所で、20世紀初頭の要塞的な給水塔がなぜか幼稚園の背後に現われた。

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前半と後半では全く違う気分で歩けた。身近なようで新鮮な撮影行であった。

【使用機材】
Rollei A26

Canon EOS5D Mark IV
Carl Zeiss Distagon 28mm F2 ZE
Sigma 35mm F1.4 art
Sigma 50mm F1.4 art

Sony α7II
Sony FE 70-200mm F4 G OSS


       

by hoq2 | 2017-09-27 23:00 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【Nagano Snapshot】茅野でチノン5  チノンベラミとCHINON M42レンズでモノクロフィルム&デジタルカラー混ぜ撮り 2017 6/24


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2011年以来、住民票を長野県茅野市に置いている。6年間同じ所に住民票があるのは、住所不定ぎみの自分の人生の中では最長かもしれない。最近は長野県内の別の町にある親元にいることの方が多いのだが、御柱もしっかり見たし、茅野にかなり愛着を持っているのは確かである。







上のような取材的な撮影とは別に、茅野にいながら「茅野でチノン」という撮影行を細々と続けている。茅野市にかつてあったチノンというメーカー(今もブランドは別会社に引き継がれている)のレンズとカメラを使って茅野で街頭スナップを撮るという、ただそれだけの他愛もないシリーズである。チノンは国内ではどちらかというと8mmカメラで知られていて、スチルカメラ(特に一眼レフ)は輸出が主だったので、国産でありながら入手困難である。だから、まずはebayでおもにイギリスからM42マウントレンズを集めてNEX-7やα7IIにつけてデジタルで撮影することから始めた。今春からは、「馬車」で有名な80'sのコンパクトカメラ「ベラミ」やM42マウントの一眼レフボディ(CS2、CE3)も手に入れ、何回かそれらでモノクロフィルム撮影をしている。

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今回は、輸出仕様の馬車のないベラミでモノクロフィルム、M42マウントのAUTO CHINON 28mmF2.8、35mmF2.8、50mmF1.7、135mmF2.8 をα7IIにつけてデジタルカラーで撮ってみた。

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JR茅野駅の東の高台の昭和っぽい団地から、国道20号(甲州街道)へ降りる。街道沿いには、今も古い民家や土蔵が残る。成人するまで東京以外の日本の風景をそれほど知らなかった僕は、ある時期まで「日本はヨーロッパに比べて古い建物がほとんど残っていない」と思い込んでいた。しかし、日本の田舎には、意外と純和風の古い建築が残っていると、すっかり田舎の住人になった今は思う。貴重な文化財とまでは言えないまでも、しかし味があって残っていってほしいこういう田舎の街道筋の建物は、残念ながら今はほとんど空き家になっていてどんどん朽ちてきている。もったいない。写真を撮る者として、記録に残す義務があるのではないかと、少し焦り始めている。

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こうやって単純にカラーと白黒を交互に見せるのはダサいと思ったのだけど、この目まぐるしさが「古い街並みはやっぱり白黒がいいよね」とか、「昔のレンズの色は味があるよね」とか、そういうステレオタイプな感想を打ち砕くには効果的かもしれない。連続性のある風景の中で、カラーと白黒のどちらの世界にも入り込む暇を与える隙なく次のイメージがチカチカと出て来るのは、なかなか挑戦的で良いのではないか。もちろん、たまにやるから良いのであって、いつもいつもこういう姿勢で作品を見せるのは失礼だとは思う。

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もう一つ交互展示から見えてきたのは、チノン・ベラミというカメラのあなどれない実力であろう。80年代初頭の沈胴式・目測ピント固定焦点(35mm)レンズ付きのプログラムAEのプラスチック製コンパクトカメラだが、トイカメラと言うにはもっとちゃんとしている。もちろん、決して高級コンパクトカメラではないのだが、写りは一世を風靡したGR-1とかコンタックスTなどで撮った写真と並べても「言わなきゃ分からない」レベルだと思う。

しかし、今世間にウケているのはその機能面・性能面ではなく見た目である。今回持ち出した輸出仕様にはないのだが、国内仕様にはレンズドアの所になぜか東京IGIN的な馬車のレリーフがついており、それがダサかわいいと中古市場で高値をつけているのだ。僕は一応両方持っているのだが、デッドストックの新品で手に入れた輸出仕様の方を実用にしている。それは「馬車」に関係なく、性能面にも惚れ込んでいるというリスペクトの表明でもある。機能的にはほぼ同じLOMO LC-Aと共に、フィルム撮影時のサブカメラとして今後もどんどん使っていきたい。

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今回はM42マウントのチノンレンズという少々アヤシイレンズで撮っているとはいえ、α7IIという高画質デジタルカメラの画像と並べて遜色ないというのはすごいことである。カラー同士で比べるとまた違ってくるのかも知れないが、デジタルカラー撮影時に、ベラミにモノクロフィルムを詰めてそっとカバンに忍ばせておいて、ここぞという時にアクセントでモノクロを撮るという使い方も面白いのではないかと思う。

ベラミと他の目測ピントコンパクトカメラについての記事はこちら↓


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【使用機材】
Chinon Bellami

Sony α7II (M42-SonyE Mount adapter)
Auto Chinon 28mm F2.8
Auto Chinon 35mm F2.8
Auto Chinon 55mm F1.7
Auto Chinon 135mm F2.8


    

by hoq2 | 2017-09-24 01:18 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)