標高1000mの紅葉 軽井沢・千m林道

c0035245_22165125.jpg

EOS 5D Mark4 Sigma 12-24mm F4 Art

軽井沢に、1000m林道という生活・観光道路に近い林道がある。浅間山麓の標高1000mの等高線に沿って横断するから「1000m林道」。通称は「千メーター」「千メーター道路」である。舗装はされているが、あくまで林道(広域農道)なので、ギリギリですれ違いができるくらいの狭い道だ。中軽井沢から小諸に至る約35kmの沿道は、軽井沢寄りは別荘地が目立ち、御代田町あたりでは原生林、小諸方面は牧場や畑が多い。

下を走る国道18号は朝夕や週末は渋滞するので、地元民は千メーターを抜け道的に使う。親が千メーターの近くの家に住んでいる準地元民の僕も同様なのだが、写真を撮る者としてもう一つこの道路の利用価値を見出している。「標高1000m」という指標で、四季折々の自然の様子を観察・撮影できるという点に注目したのだ。南北にも長いが、“上下”にも長い日本においては、標高もまた気候や季節感の指標になる。特に僕の生活圏の長野県の蓼科・軽井沢と東京は、緯度はさほど変わらないが、標高が700mから1500mほど違うので、およそ1ヶ月季節感がずれる。僕が大事にしている仕事の一つに、カレンダー撮影があるのだが、「今千メーターがこれくらいなら、東京での紅葉撮影は2週間後がいいかな」といったふうに、「標高1000m」で固定された沿道の様子は、東京から関東・信州にかけての季節感の指標となるのだ。

c0035245_22492442.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_17410964.jpg


今回は、桜と並んで短い期間を駆け抜けていく「紅葉」を、今年の秋の進み具合を確認する意味でサラッと撮ってみた。11月3日の時点でそろそろ最盛期に入っていくという感じだったので、今年は暖冬続きの昨今の中でも遅い方であろう。一昨年の11月末にカレンダー用に撮った上の写真のように東京のイチョウが色づくのは、12月に入ってからになるかもしれない。

c0035245_22521269.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_22544353.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_22561363.jpg

EOS 5D Mark4 Zeiss Distagon T* 28mm F2 ZE

c0035245_22591784.jpg

EOS 5D Mark4 Zeiss Planar T* 50mm F1.4 ZE

僕が風景写真を撮り始めたのは、2011年に蓼科に完全移住してから2年ほど経ってからと、かなり最近のことだ。それまでは、純粋に自分の作品として撮っていたのは都市のストリート・スナップがほとんどで、自然は好きだがそれを写真に収めることには全く興味がなかった。色々な理由があるのだが、一つは「照れ」である。美しいものを美しく撮るのは照れる。自然そのものに対しては、人一倍リスペクトしているつもりだ。だから恥ずかしいのではなく、照れる。若いうちは特に、自意識>実力なので、あらゆる局面で照れが支配するのだ。被写界深度の浅さとか、彩度の高さなんていうのもそうだろう。この話題はこれ以上掘り下げないが、要は、風景は、照れていては撮れない。

そういうわけで、風景写真については、この期に及んで一から勉強、という気持ちで始めた。今も尚、その途上である。この2、3年、といってもそう撮影機会は多くないのだが、その間にまず取り組んだのが「自分のトーンを見つける」ということだ。最終的にはRAW現像(僕は基本jpeg撮影からのPhotoshop調整派だが、風景は例外)での調整具合になってくると、最初から考えてはいたのだが、そこはあえて回り道をして、昔ながらのフィルターワークから始めた。賛否両論あるだろうが、風景に限らず、僕は写真作りのベースとして、銀塩写真の技術とセンスを持っているべきだと思っている。デジタル写真にはデジタル写真に適した技術があるので、フィルターワークなどは最終的には放棄すべき技術なのだが、RAW現像でどのようなトーンに調整していくか、という時に、アナログな経験を指標にしていくと、表現に深み・厚みが出ると僕は信じている。紅葉の風景写真の場合だと、たとえば、PLフィルターをかけた時の空のトーンや赤や黄色の葉の照度・彩度が体に染み付いていると、デジタルでも確信を持って調整できると思うのだ。

こういうことには理屈よりも経験が物を言う。だから、回り道覚悟であえて物理フィルターにこだわってきた。その段階を経て、「ノーフィルターでRAW調整」を解禁したのが、今回の撮影からなのだ。

c0035245_23250638.jpg

EOS 5D Mark4 Zeiss Distagon T* 28mm F2 ZE

c0035245_23280484.jpg

EOS 5D Mark4 EF85mm F1.8

c0035245_23310760.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_23331023.jpg

EOS 5D Mark4 Sigma 35mm F1.4 Art

今のところの僕の風景撮影のスタイルは、車で流して気になった所で停め、周辺の狭いエリアを少し歩きながら撮影してまた車で移動、という感じが多い。そのため、レンズをはじめとする撮影機材はフル装備で車載する。ただし、風景撮影で一般的な三脚を使うことはめったにない。これだけはどうしても、「まずはオーソドックスな基本から」というアプローチが守れなかった。それは、あえて自己分析すれば、僕の撮影スタイルは、結局、反射神経を使うストリート・スナップから離れることはできないからだと思う。だから、ここでやっているのも、正確には王道の「風景写真」ではなく、「ネイチャー・スナップ」なのだろう。

c0035245_00033090.jpg

EOS 5D Mark4 Sigma 35mm F1.4 Art

c0035245_00045330.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_00060697.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_00070593.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

とはいえ、街を軽装で歩き回るストリート・スナップよりも、だいぶじっくり撮っているのも事実で、僕は風景に限っては、ミラーありの光学ファインダー式デジタル一眼レフであっても、ライブビューを使う。プレビュー機能にすぐれたライブビュー表示の方が、光学ファインダーよりも構図・被写界深度・露出を正確に決めやすいからだ。ただし、先述したように手持ちがほとんどなので、下の写真のようなLCDビューファインダーを装着して、遮光&拡大表示でより見やすく、そしてホールディング性を高めている。自意識過剰な人間ではなく、自然相手なので大艦巨砲主義な見てくれに臆する必要もない。この手のアイテムはピンキリだが、今は中華製のこちらを使っている。安物だが、風景の静止画撮影くらいにしか使わない僕には十分である

c0035245_23471971.jpg


今回、機材面では、既に仕事では実戦投入しているがプライベートでの使用はまだ少ない5D MarkIVと、シグマの12-24mm F4Aという2つの新製品を使っている。5DMarkIVは、フルサイズ一眼の汎用性を高めた名機、5DMarkIIIの正統進化であり、非常に堅実で良いカメラだと思う。12-24mmはまだ購入したばかりで、撮影は何回かしたものの、まだ形にして世に出した作品がないので、判断しかねる。撮って撮影結果をチラ見した限りでは、十分に広角ズームの主力として使えるとは思うし、12mmという未知の画角が乗っかった夢のあるレンズだと思う。もっとも、風景撮りでは28mm以下の広角をそれほど使わないのも事実で、今回も冒頭の1枚きり、しかも19mmでの撮影である。

c0035245_00083724.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_00100667.jpg

EOS 5D Mark4 Sigma 35mm F1.4 Art

c0035245_00110869.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_00122657.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_00133017.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

c0035245_00145200.jpg

α7II Contax Zeiss T* Tele-Tessar 300mm F4

c0035245_00172124.jpg

EOS 5D Mark4 EF70-200mm F2.8L ISII

山の風景写真も、勉強段階はそろそろ終わり。ちょっとずつで良いので得意分野の一つとして世に出していきたい。

    
    

by hoq2 | 2016-11-07 18:04 | 写真(風景) | Trackback | Comments(0)