【21st Century Snapshot Man】2016 6/12 浅草今昔物語

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

今、浅草を歩いてる観光客のほとんどが外国人だというのは周知の事実だ。一番古い浅草の記憶は小学生だった1979年ごろで、はっきりと覚えているわけではないが、案外閑散としていたと思う。いったん生まれ育った東京を離れることになる1990年代半ばまでは、上野・浅草は新宿、渋谷、銀座、池袋よりも寂れた繁華街だったと思う。庶民に成熟した感性がなかった時代である。カッコいいのはきらびやかで流行ど真ん中の原宿や渋谷で、要するに上野や浅草はダサかったのだ。そんな中で、もともと目黒・品川の官舎に住みつつ海外赴任を繰り返していた我が家は逆の感性を持っていた。古き好き日本的なイメージの下町の方がかっこ良く思え、わざわざ買ったばかりの世田谷(といっても外れの)のマンションを売って葛飾区の京成線沿線に引っ越したのだ。それが高校2年の1986、7年のことで、大学卒業までそこにいた。そして、地方勤務から東京に帰ってきた2000年に、僕は初めての東京一人暮らしを谷中でスタートし、その後同じ台東区内の下谷を経て、再び葛飾区に戻るという10年余りの下町生活を送った。そんなわけで東京の下町が準地元的な僕にとっては、やはりその象徴的な存在である浅草は、たびたびカメラを手に歩く大事な街頭スナップエリアの一つである。

20世紀の浅草と、近くに住むようになって以降の21世紀の浅草は、町そのものはあまり変わっていないように思うが、観光客の数と層はガラリと変わった。昔は年寄りや田舎の修学旅行生が中心で(東京にしては)閑散としていた。今は、外国人観光客と少数派の日本人の若いカップルで溢れかえっている。

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

山暮らしをしている今も、ちょくちょく浅草には来ているが、ちゃんと写真を撮ったのは久しぶりだ。外国人観光客が輪をかけて多くなっていたのは予想通りだったが、以前は比較的アジアからの団体客やバックパッカー風の欧米人が目立っていたように思う。最近は中国・台湾・韓国の若い女性も目立つようである。そして、彼女たちの間では、レンタルの着物(事実上は浴衣)を来て浅草寺周辺を歩くのが流行っているようだ。浴衣で観光・デートは日本の若者の間でも流行っているので、その影響か、あるいは向こうの旅行ガイドやテレビで紹介されているのかもしれない。本人たちも楽しいし、見る方も嬉しい。特にこういう街には合う。こういう流行は素直に歓迎したい。

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

今回メインで使っているレンズは、ライカM6に装着のミノルタ・M-ロッコール90mmとElmar-Mの50mmだ。前回の投稿【Nagano Snapshot】プアマンズ・ライカで歩く中山道・和田宿 で、マウントアダプターを介してのデジタル撮影で準備運動はしていたものの、この2本はネイティブのMマウントボディでのフィルム撮影には、初めて投入した。モノクロフィルムを撮ってよりはっきりと分かるレンズの個性というものがある。ロッコールには国産レンズらしい、良く言えば欠点の見当たらない、悪く言えばおとなしい描写を、エルマーMには反対に重厚感のあるライカらしい描写を感じた。ロッコール90の方は前身のライツミノルタCL用のライカ製のエルマーC90の発展型なのだが、レンズ構成がほぼ同じなのにもかかわらず、日本のメーカーが手掛けるとこうなるのか、という見本のようなレンズかもしれない。一方、エルマーは、戦前から1960年代にかけてのライカレンズの権化とも言えるレンズで、今回使ったエルマーMは1995年から2007年まで作られていた復刻版に近いようなレンズだ。フィルムカメラ末期の製品だけあって、さすがに恐ろしくシャープかつコントラストが高く、カラーでの色乗りも素晴らしい。カタログスペック上の限界は別にして、フィルム用にはこれ以上望めないような標準レンズかもしれない。

もちろん、どちらのレンズにしても、芸術的な意味での良さは使う人のセンスや好み、腕による。ただ、「間違いのない高水準」をしっかりクリアしつつ、プラスアルファの魅力がある色気のあるレンズなのは間違いない。

今回はサブカメラ的に使っているコンタックスS2につけたディスタゴン25mmも、実際の画角は一般的な28mmに近い、広角の基本中の基本のレンズである。コンタレックス時代の古い設計ゆえに特にカラーでの使用の際はクセ玉の部類に入るが、こちらも厚みのあるァイスレンズの中ではライカ的な描写で、エルマーやロッコールと組み合わせての相性は良いと思う。

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

フィルム現像は、今回からD76の1:1にマイナーチェンジしている。モノクロフィルム撮影を再開してから、
「トライX・T-MAXデベロッパー1:7」「HP5 Plus・T-MAXデベロッパー1:7」「HP5 Plus・ID-11 1:1」と試してきたが、最終的には、この「HP5 Plus・D-76 1:1」に落ち着きそうだ。持続可能な経済性・利便性と仕上がりの良さのバランスの良い所を模索した結果、これがベストと判断した。トライXとHP5 Plusはコダックとイルフォードのメーカー違いの同等品で、長尺ロールが安いHP5 Plusを選択。経済性ベストの「T-MAXデベロッパー1:7」は、コントラストが低いネガの仕上がりがフィルムスキャナー向きではなく、結局メーカー指定のD-76系を1:1で希釈して11分現像するという処方に立ち返った(T-MAXのメーカー指定の希釈率は1:4で、1:7はややイレギュラーな使い方になる)。ID-11はイルフォード製のD-76と同等品だが、こちらはフィルムと逆でD-76の方が割安だから、結果的に「フィルムはイルフォード、現像液はコダック」という組み合わせになった。この選択については、この浅草の撮影の後、山に帰ってから撮影した“カントリー・スナップ”でさらに確信を強めたのだが、この話の続きはそれらの写真をUPした時にしたいと思う。

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

浅草に一番よく来ていたのは、徒歩圏内の下谷に住んでいた10年くらい前のことだ。その頃は犬の散歩をするのが仕事のようなものだったから、もう亡くなってしまったフレンチブルドッグの「ゴースケ」や「爺さん」、そして今も長生きしてくれている「マメ」ともよく来たものだ。

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ゴースケ

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マメ

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爺さんと浅草のことは、このようにフリーペーパーにも書いたこともある。

もう亡くなってしまった犬たちとの思い出が詰まっているから、浅草は胸が締め付けられる場所でもある。僕はゴースケの遺骨を浅草寺のお守りに入れて、いつも一緒に持ち歩いている。この日の撮影も、もちろん一緒だった。

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

浅草で好きなのは、今も昔も地元の人たちの暮らしがチラリチラリと垣間見えるところだ。他の繁華街にはない、暮らしの臭いがある。最近は、路地で子どもたちが遊んでいる風景が観光客の波に飲まれやしないか、少し心配になってくる。

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

モノクロフィルム復帰後初めて、今回最後の一本をISO800に増感した。

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

それにしても今回改めて実感したのは、外国人の人たちは自撮りであろうと他撮りであろうと、写真に写る時に照れやてらいがないことだ。日本人も若い世代はだいぶ変わってるが、基本的に相撲取り的な無愛想さというか、自分を前に出さない沈黙っぷりを美徳としている部分がある。それはそれで全然悪くないと思うし、外国人が写真に写る時に見せる無邪気さもとても良いと思う。みんな違ってそれでいいのである。

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Minolta M-Rokkor 90mm f4 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Elmar-M 50mm f2.8 Ilford HP5+

         

by hoq2 | 2016-06-30 21:33 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【Nagano Snapshot】プアマンズ・ライカで歩く中山道・和田宿


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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

伝統的なRR(リアエンジン・リアドライブ)のポルシェ911に対し、他のスポーツカーでは一般的なFR(フロントエンジン・リアドライブ)を採用した“鬼子”のようなポルシェが、かつて存在した。924、928、944、968という1970-90年代に販売されたモデルである。これらは、あくまで王道として存続している911に比べて価格が安く抑えられ、「プアマンズ・ポルシェ」と揶揄された。しかし、僕はブランド的価値よりも実用性やコストパフォーマンスを重視する。もちろん、安かろう悪かろうは論外で、自分の用途に照らし合わせてベストな道具を選んでいるつもりである(だから、時にはバカ高いフラッグシップモデルも買う)。そういう中で、30代の時に「ラスト・プアマンズ・ポルシェ」である968に乗っていたことがある。走りでは911に全く劣らない(バランスの面ではむしろ完全に凌駕している)し、国際A級ドライバーでもない僕の身の丈に合った、素晴らしいポルシェであった。

ドイツつながりで言えば、カメラの世界でポルシェに当たるのはライカであろう。最近再開した純粋なライフワークとしての街頭スナップのフィルム撮影には、M6TTLやエルマー、ズマロンといったライカを使っている。しかし、商業的な仕事がおおいに絡んでくるデジタル撮影に、新品価格100万円を超えるM9以降のデジタルライカを買おうなんてチラリとも思ったことがない。僕の仕事の内容やギャラの水準から言って、まったく割に合わないし、たとえ割に合ったとしても、同じ金を出すのならキャノンやニコンの最新のフラッグシップやレンズに使うだろう。あえて不便な部分を残し、成熟した技術を最高の水準で実現しているのは分かる。でも、デジタルライカは少なくとも今の僕には「仕事用」にはならない。

でも、仕事を離れれば、やっぱり欲しいのです。とは言っても、(少なくとも直接的には)金を生まないカメラに100万とかかけられる余裕があるはずもなし。そこで、デジタルライカ版の「プアマンズ」を使うことにしたのだ。なんのことはない、数千円のマウントアダプターでアナログライカ用に持っているMマウントレンズを、仕事と作品撮り兼用のα7IIにつけただけである。もちろん、968同様、技術的にはαの方がライカよりもずっと先進的で、写り自体はライカボディよりもむしろ良いはず。コスパはかなり良いと断言できる。

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我が「プアマンズ・ライカ」。α7II+八仙堂ライカM-ソニーEマウントアダプター、エルマーM50mmf2.8、ズマロン35mmF3.5、ビオゴン28mmf2.8、ロッコール90mmF4。レンズもライカブランドにはこだわらず、「下手したら上位モデルやライカ製よりよく写るが価格もスペックも抑えめ」という、「プアマンズ」精神に則ったラインナップである。

前置きが長くなったが、長野県内の街や村をスナップする今回の『Nagano Snapshot』は、この「プアマンズ・ライカ」のテストを兼ねた「中山道・和田宿」である。由緒ある中山道の宿場町の中では渋い脇役的な部類に入る、こちらも良い意味で「プアマンズ」精神あふれる場所をその初陣に選んだつもりだ。

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

和田宿は長野県長和町の旧和田村の中心にある宿場町だ。諏訪と上田の間くらいと言えば多少土地勘がある人には分かるだろうか。詳しくは公式HPをご覧頂きたい。僕は、蓼科高原にある自宅から車で行ったので、国道沿いの道の駅に車を置き、木製の歩道橋を渡って旧街道に向かった。もともとそう観光客が多い所ではないが、清々しい、静かな梅雨の晴れ間の月曜日であった。

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

「〇〇町・何丁目何番地・〇〇号」という地番表記は日本だけである。世界で主流の住所表記は欧米型の「〇〇ストリート〇〇番」という「通り名+建物番号」表記だ。詳しくは国際ニュースのまとめサイトに書いた拙文をご覧いただきたいが、なぜこうなったかというと諸説あって結局よく分からないのだが、欧米の都市はまず道路ができてそれに沿って人々が家を建てたが、日本は先に空き地に家が建ち、家と家の間が自然と道になったという説がある。ただし、街道の宿場町の場合は「先に道ができた」はずであり、その点では和田宿にはこの説は当てはまらないかもしれない。一方で、道の駅から現代の国道を渡って旧道の街道筋に至るまでには、いかにも空き地にポンポンと建っていったという民家や畑があり、つまりは街道のバックヤード的な村を形成していて、興味深い。

石がズラッと乗った旧本陣の屋根が見えてきたら、旧中山道である。

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

この旧本陣は、歴史資料館になっていて、内部を見学できる。しかし、この日は定休日であった。田舎ではせっかく入ろうとしたら休みだったということがやたらと多い。本気でお目当ての施設や飲食店を訪ねるのなら、必ず事前に最新情報をチェックすることをオススメする。

「まあ、いつものことだし」と気を取り直して街道沿いをそぞろ歩く。

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

往時の宿屋を偲ばせる木造家屋はやはり見事で、そのうちの1軒の軒下にはズラリとツバメの巣が作られていた。都会の鉄筋コンクリートのビルにもツバメの巣はあるが、やはり木造家屋の方が巣を作りやすかったり、居心地が良いのだろうか。

そして、その先には、まだ生きている昭和の残照があった。

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

こうした昭和の残照たちにシャッターを切りつつさらに進むと、やがて前方に本日のメインエベントが出現した。昭和の残照というより、すでに残骸だ。このガソリンスタンドは、平成の大合併の前まで村人の暮らしと共に発展し、活気にあふれていたに違いない。

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

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Sony α7Ⅱ Leitz Summaron 35mm f3.5

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

本当に理想的な褪せ具合、錆具合だったので、全レンズを使って撮りまくってしまった。こうして物質文明的な昭和が風化して、どんどんバーチャルな世界にシフトしていっているのが今の日本である。僕はそれを嘆かないし、古いものが良い、新しいものはダメという二元論は馬鹿馬鹿しい。良いも悪いもなく、世の中の常識は変わっていくのだ。ただ一つ言えるのは、街頭スナップを撮っていると、最近は残骸や廃墟といったものばかりが目につくということだ。もうこのジャンル自体がオワコンなのだろうか?いや、現実世界が全てバーチャルに飲み込まれるはずはなく、現実世界があるからバーチャルも存在しうる。つまり、現実世界はいずれまた別の形を取ってまた別の形の活気を得るのだから、それを撮ればいい。今は特殊な「過渡期」が少しばかり長く続いているだけだ。過渡期に巡り会えたのはむしろラッキーであろう。それに、「腐ったガソリンスタンド」はとてもいい被写体だ。

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

宿場町の外れの八幡神社には土俵があった。これは過去の遺物というわけではなく、今も毎年5月に相撲大会が開かれるそうである。30年ほど前、相撲好きの都会の高校生だった僕らは旅先で神社や校庭に土俵があるのを見て、驚いたり喜んだりしたものだ。当時から都会っ子の目には珍しかった。伝統として保護されるべきものは、しっかり番犬に守られている。現場の人たちの苦労に感謝しつつ、外野からはその行く末をそれほどには心配しなくて良いだろう。

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

いったん国道に出て、川沿いに旧街道に戻った。「田島魚店」の所から旧本陣を通り過ぎ、反対側の宿場町の端まで歩いた。

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

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Sony α7Ⅱ Minolta M-Rokkor 90mm f4

端から端まで歩いて15分ほどの、静かな静かな宿場町である。観光地として再開発するプロジェクトもあるようだが、同じ中山道の奈良井宿や妻籠宿のように、現役の旅館や土産物屋、資料館などが連なる観光地という感じではない。ここだけを目的に遠方から観光に来るのはやめたほうがいいかもしれない。しかし、カメラを手に歩くのなら話は別だ。一本の道を往復するだけで、濃密な時間を、その時も、撮った写真を整理する時にも、二重に楽しむことができる。だから街頭スナップはやめられない。

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8

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Sony α7Ⅱ Leica Elmar-M 50mm f2.8

「プアマンズ・ライカ」、いいと思う。レンズの個性を余すことなく、しかも現代的に発揮するα7Ⅱボディを介した写りはもちろん、Mマウントアダプターをつけての操作性も全く問題なし。広角レンズ使用時のマゼンタ被りなどの問題も見られなかった。こうも良いのなら、やはりキモであるマウントアダプターはしっかりとしたものを使いたい。今回使った中華製激安アダプターが悪いわけではないが、ヘリコイド付きで最短撮影距離を一眼用レンズ以上に縮めることができる、コシナ・フォクトレンダー製のVM-E Close Focus アダプターを導入する決心がついた。

         




by hoq2 | 2016-06-25 12:08 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot Man】2016 5/25 大井町ー大崎ー恵比寿 


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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

この時期、立て続けに小学生時代を過ごした地元エリアに行く用事があって、このモノクロフィルム街頭スナップも前々回【21st Century Snapshot Man】2016 5/21 武蔵小山 ダムの底に沈むムラ に続いて、大井町ー大崎ー恵比寿と品川区界隈を歩いた。今回は、朝長野県蓼科の自宅を出て高速バスで新宿に入り、同級生がやっている大井町のイタリアン・ダイニングバーで昼食を取った。その近くで取材が一件あり、それを終えた後、夕刻前からあてもなく、しかし、前回歩いた武蔵小山・中延方面とはダブらないように気をつけながらの街歩きである。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

カメラはM6TTL一台。レンズは僕の東京スナップの基本、50mmと28mmで、28mmはいつものビオゴン。50mmはキャノンLマウントの1.8である。キャノンが初めて独自開発したというズマリット系のシャープなクラシックレンズで、1952年の発売当時は「セレナー」銘だった。僕はこれをアマチュアカメラマンの義理の母からキャノンのレンジファインダーボディと共に譲り受けたのだが、ほとんど使った形跡がない美品である。とはいえ、デジタル時代の今、さすがに使うシーンがなくて、ずっと見向きもせずに防湿庫に眠っていた。それが、この春先にやはり義理の母からビオゴン28mm付きのM6TTLを譲り受け、それをきっかけにフィルム復帰してから、LMアダプターを入手してキャノンをライカにつけてみたというわけだ。その後、ずっと現代的かつライカらしい描写のエルマーM50mmを一軍として新たに入手したのだが、このキャノンのエレガントな魅力は色あせない。やはりM6用に入手したズマロン・サンハンと共に、使いこなせるようになりたいと思っているクラシックレンズである。

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Sony α7II Leica Elmar-M 50mm f2.8 Voigtländer VM-E Closefocus adapter

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

このキャノン(セレナー)、開放付近ではさすがに収差が目立っていわゆるグルグルボケが出るのだが、2.8まで絞れば、クラシックレンズらしいエレガントさと現代でも十分通用するシャープさが共存して実に品のいい描写をする。モノコートなので当然逆光に弱く、空が大きく入った構図などでは注意が必要だ。しかし、決まる時は圧倒的に美しく決まるが、条件が悪いと結構危ういズマロンに比べればずっと優等生で、ライカコピーと言っても差し支えない64年前のレンズだとはいえ、やはり日本製である。僕のように、アナログ写真といっても、モノクロネガ→フィルムスキャナー→フォトショップ調整で最終的にデジタルデータとして仕上げる使い方ならば、オールドレンズゆえの弱点も十分カバーできる。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

そうは言っても、セレナーだエルマーだと言う以前に、やはり東京の街で50mmは主役になりにくく、ライカならビオゴン28mm、コンタックスの一眼レフの時はディスタゴン25mmに頼る場面が多い。もちろん、50mmの目になってそれだけに集中すれば難なく撮れる。でも、異論はあるだろうが、やはり僕は多角的に、その時に用意した全ての画角の目になって街を見つめ、気になった一期一会の機会を捉えるのを良しとする。だから、きっと人より一度に持ち出す機材は多い。それをストレスなく運ぶ工夫もしている。まあ、それは置いておいて、結局何が言いたいかと言うと、28mmと50mmがあれば、都会なら28mm中心、田舎なら50mm中心に過不足なく撮れるということだ。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

前の晩に「今日はどこでどの時間帯にどれくらいの時間をかけて撮るか」と想像しながら、持ち運べる範囲内でそれに合ったボディとレンズを準備する。その段階から撮影は始まっていると言っていいのだが、同時に、一度撮影に入ったらあまり機材に縛られずにリズムよく撮っていくことも大事だと思っている。そういう意味で楽なのは、東京では、若いころと変わらず28mmである。一本勝負にこだわるなら35mmだろう(僕はズームレンズは街頭スナップには使わない)。50mm一本勝負は東京のような密集した都市では結構チャレンジングだと思う。

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

今回は機材の話が多くなってしまったが、もう少し。モノクロフィルム復帰後主力になってくれたビオゴン28mmが、今回の終盤から片ボケの症状を見せるようになった。この後、一度α7IIにつけてデジタル・カラーで撮影を一回してから修理に出した。気づいたのはフィルムを現像してスキャナーに通した後のことで、その前に行ったデジタルカラー撮影の際には気づかなかった。その時はf5.6〜f11で撮っていたので、被写界深度に吸収されていたのだと思う。その撮影から帰ってきて、鏡胴のガタに気づいて修理に出したというわけだ。その時点では片ボケに気づいていなかったが、出しておいて良かった。このビオゴンは僕の趣味的な所有レンズにしては珍しく現行品なのだが、20年近く前に買ったもので、僕の手に渡った時には既にピントリングが油抜けしていてわずかに異音がしていた。そのうちOHに出そうと思いながら騙し騙し使っていたので、こうなるのも時間の問題であった。コシナからの見積もりは「鏡胴ガタ修理」「グリスアップ」「分解清掃」「カム・MTF調整」で1万6740円也。それでまた長く主力でフィルムにデジタルに使えるのなら安いものだ。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

しかし、大崎駅の西側の変貌ぶりにはびっくりした。1980年代末〜90年代初めと2000年代前半ごろにはかなり東京の街を歩いてスナップしている。23区内の主要な所で全く知らないところはないと言っても過言ではない。それでも、最近は何か、自分の街ではないような疎外感を感じる。今は東京に住んでいないということとは別に、である。このスクラップ・アンド・ビルドの街は、以前から外見はしょっちゅう変わっているのだ。今に始まったことじゃない。

では何に違和感があるのか。人だと思う。東京に限ったことではないし、多分、世界中で起きていることだと思うが、この10年くらいですっかり「人間」が入れ替わったように思う。デジタルネイティブなヒョロっとした若者たちの感覚が、街全体を支配している。別にそういう若者を否定しているわけではない。俺ら世代だって、さらにはもっと上の世代だって、こうやってネットを使って写真を楽しみ、四六時中スマホとにらめっこしている時代である。若者たちとの違いは、アナログしかなかった時代を体験しているか否かということだけだ。ともかく、世界はガラッと変わった。街も今までの東京とは違っていて当たり前なのである。頭では分かっているが、今だに街を貫く違和感に「あれっ?」っとなることがある。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Canon 50mm F1.8(Lマウント) Ilford HP5 Plus

日が暮れてからもう少し、最終的には恵比寿まで歩いて終了。電車で拠点の新宿に戻って残り数枚を撮り切った。フィルム2本半(一本は半端な20枚撮り)の消費であった。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 Ilford HP5 Plus

by hoq2 | 2016-06-20 12:16 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot Man】2016 5/21 千葉・幕張 ハイウェイ沿いのエアポケット


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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5 Plus

高速道路のPAやSAの中には、徒歩で外へ出入りできる所がある。知っている人は知ってると思うが、僕は大きい所はたいてい可能だということを割と最近知った。これまでは、車で高速道路移動だとほとんど寄り道ができないのがつまらないと思っていたが、このヒミツの出入口を利用すれば、休憩がてらフラッと外へ出て、まず意識して行くことはないような、高速沿いの街角や田園風景をスナップできるというわけだ。

今回は、仕事がてら立ち寄った京葉道路の幕張PAからコンタックスとライカを持って外に出てみた。いや、少しは予想していたが、ここまで殺伐とした場所があるのかと、軽いトラウマになるような場所であった。

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm f1.4 Ilford HP5 Plus

町外れの河川敷、埋立地、バイパス沿いなど、街にはポッカリと忘れ去られたようなエアポケットのような場所がある。高速道路沿いもそうした空間を生み出しがちな場所だ。鉄道の駅からも主要な一般道からも離れた取り残されたような場所ともなれば、こんな感じになってもおかしくはないであろう。見渡したところ、草むらのほかは、産廃の集積場やら荒れ果てたドブ川やらしかない。しまいには、一枚目の写真にあるように「ここはきけんです」と自ら宣言されてしまった。

学生時代の写真仲間で、こういう草むら系の写真ばかり撮っている男がいた。それは彼の心象風景であったのだと思うけれど、そういえば、彼は当時こういう感じの場所がまだ多く残っている開発途中の郊外住宅地に住んでいたのではなかったっけ。つまり、彼は自分の内面にある心の隙間を撮っていたのは確かなのではあるが、たまたま自宅の近所がこういうエアポケット的な場所だったという単純な事実も関係あるのだろうな、と今さらながら気づいた。貧乏学生はそう遠くまで行けないから、ゴミ捨て場で拾った二眼レフを手に、近所で鬱々とシャッターを切っていた彼の姿が、今まさにありありと浮かぶのである。

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm f1.4 Ilford HP5 Plus

そうは言っても、日本の、しかも首都圏である。少し歩けば畑があり、一般的な住宅地に着く。日没が迫り雨が降ってきたから一周してPAに戻ったけれど、こういう草むら系も写真としてはいいな、と思った。散歩そのものは、侘びしさに胸が締め付けられるような、精神的にハードなものとなる。草むら系写真の背景には、それと正対するある種の覚悟が必要だ。

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm f1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5 Plus

でもこれ、デジタルのカラーで撮ってたら、どうにもならないよね。

     

by hoq2 | 2016-06-16 22:21 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot Man】2016 5/21 武蔵小山 ダムの底に沈むムラ


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Contax S2 Carl Zeiss Makro Planar 100mm f2.8 Ilford HP5+

小学校の後半を、東京・品川区の小山台という所で過ごした。目黒区の中に突き刺さったような小さな半島のような、品川区の盲腸のような所で、それはおそらく旧農林試験場と国家公務員住宅という国有地がその半分近くを占めるからであろう。試験場は今は「林試の森公園」という都立の公園になっている。そして、官僚だった父の転勤で海外と東京を行ったり来たりしていた僕は、1970年代末から80年代初頭にかけて、「農林」の脇にある6棟の団地型の高層住宅がある公務員住宅に住んでいた。小学校の児童は周辺の住宅地の地元民と公務員住宅の子どもたちの混成で、あまりに当たり前の場所だったので、僕らは公務員住宅を単に「住宅」と呼んでいた。

その「住宅」が今、取り壊されようとしている。今も近くに住んでいる「住宅」出身の幼馴染は、「生まれ育った村がダムの底に沈むって、こういうことか」と言った。

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Makro Planar 100mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

豪華なマンションとはとても言えないカステラ型の団地である。山手線の目黒駅から2駅目の東急目黒線(旧目蒲線)武蔵小山駅から徒歩10分ほど。立地はいいかも知れない。公務員に対する風当たりの強さは今に始まったことではなく、この「住宅」もついに予算削減の名目で廃止・取り壊しが2011年ごろに決まったようである。今は全戸空き家になり、フェンスで仕切られ、建物の入口はベニヤで塞がれ、雑草が生い茂っている。管理する財務省はその後の利用について公表していない。ともかく、都内の一等地に隠然たる様でゴーストタウンが屹立しているのは、一種異様な光景である。だから余計に、具体的な少年時代の思い出が無数に詰まった風景が荒れ果てていくのは、本当に胸が締め付けられるのだ。

そんなことを思ったから、あまり長くこの場に留まるのは辛かった。まだ生きている「懐かしいわが町」に出て、いつものようにノスタルジーを追ってみよう。引っ越しの連続の人生の中で、武蔵小山は数少ない地元と言える町なのだ。それを確かめるように、こうして定期的にこの町を訪れては、写真を撮っている。このブログにも、3年前の訪問時のスナップをUPしている。
大井町-武蔵小山 ノスタル爺空間

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

このあたりは街路が狭く、入り組んでいて、僕が町を出て3、4年後くらいから既に区画整理が始まっていたと思う。そのペースはゆっくりとしていて、今も尚進行中だ。変わったのは、小学校の横のごちゃごちゃとしたエリアに一本太い道路が貫いて谷底の山手通りとつながったこと。「目蒲線」が「目黒線」になり、駅も線路も地中化されたこと。そして、格好の遊び場だった(公式には立ち入り禁止だったのだが)農林の跡地が、きれいに整備された「林試の森公園」になったことだ。

都会の真ん中にポッカリとエアポケットのように佇んでいたミステリアスな森は、僕らの冒険心を最大限に刺激した。忍び込んでは虫取りをしたり守衛と追いかけっこをしたり、エロ本を拾ったりと、なまじの公園などよりずっと楽しい場所だった。「昔は良かった」とはあまり言いたくないが、あえて言おう。やはり昔は良かった。整理整頓されすぎた町は、子供にとっても、いや、大人のストリート・スナッパーにとっても、面白くない。

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm f1.4 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Distagon 25mm f2.8 Ilford HP5+

僕は、武蔵小山の下町然とした庶民的な装いが好きなのだが、最近は便利でオシャレな地域にも近い割に安いと、上京してくる人たちにも人気の町だそうだ。それに合わせて、それなりにオシャレな店もポツポツとあるのだが・・・

気に入らない。ムサコ?そういうセンスはいりません。

とはいえ、実際に住んでいる人にとっては、新住民も住みやすい風通しの良さが必要なのは理解できる。「ダムの底に沈む村」の幼馴染は、住宅の外を含むこの地域全体が「ムラ」だという。特に子育て中の世代にとっては、自分たちが子供の頃やってきたことを今の子供たちも同じように繰り返していることに、時に愕然とするらしい。そのスパイラルから輪廻転生的に抜け出せない相互監視的なムラ社会であると、洞察力のある原住民は感じているようだ。でも、幼馴染の「どうせ俺はこのムラから一生抜けられない」という口調は決して嫌そうではなく、僕だってこの町があの頃の延長線上にあるムラであり続けるのなら、またスッと入っていけそうな気がする。僕らは皆、そういう年齢になったのだ。

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Makro Planar 100mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

僕はその触れ込みには懐疑的だが、武蔵小山の象徴は東洋一長くて日本最古だというアーケード商店街である。今は「武蔵小山パルム」という名前がついているが、原住民の間では単に「商店街」と呼んでいる。今回はこの商店街を抜け、中原街道を渡って隣町の中延にも少し足を踏み入れた。ここにも小規模なアーケード商店街があるが、日曜だというのに静かだった。既存の商店街が全国的に息も絶え絶えの中、武蔵小山商店街は数少ない生き残りの一つなのだろう。地方ではかえって味わえない、古き良き路面の賑わいが、まだ東京には残っている。

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Contax S2 Carl Zeiss Makro Planar 100mm f2.8 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+

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Leica M6TTL Summaron 35mm f3.5 Ilford HP5+


       


by hoq2 | 2016-06-14 23:59 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshot Man】2016 5/7 新宿ー武蔵関ー荻窪ー新宿 都の西北のさらに西北を歩く


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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

5年前から長野県の蓼科高原で山暮らしをしている。出身地を聞かれると答えに窮するが、最近は「東京出身の帰国子女」が一番分かりやすいと思っている。完全移住前に3年ほど東京にも部屋を借りて二重生活をしていたが、今は東京に寝泊まりできる家を持っていない。仕事は相変わらず東京ベースだが、撮影・取材を東京や近郊でして、素材を蓼科に持ち帰って完成させるというスタイルが基本だ。だから、今も週1〜のペースで行ったり来たりしている。

今は色々な写真を撮っているが、自分の写真の根本はモノクロフィルムによる東京の街頭スナップである。初めてカメラを手にし、「写真」をライフワークにしたいと思った高校生から大学生にかけて、そして、フリーになる前の30代半ばの一時期、ひたすら東京の街を歩いて撮っては現像・プリントという日々を過ごした。デジタルカメラで仕事をするようになった今も、常にその原点を大事にしている。だから、山に移っても街頭スナップの舞台としての「東京」を失うことがないよう、上京した折にはなるべく街を歩き、撮っている。しばらくはデジタルでそれをしていたが、不思議とまとめる気にならず撮りっぱなし。最近、さらに原点に立ち返ってモノクロフィルムを再開したら、こうやってまとめていくのがまた楽しくなってきた。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

利用している蓼科ー東京の移動手段は、高速バス>車>鉄道(特急あずさ)である。いずれも玄関口が新宿なので、仕事上必要なレンタルオフィスもここに置いている。今回も高速バスで新宿入りした。僕はあまり酒を飲まないし風俗にも行かないので、ギリギリ自分たちの世代の写真界隈にある「ゴールデン街の青春」とか「歌舞伎町のヤバイ思い出」みたいなものはない。とはいえ、高校も大学も2駅先の高田馬場だったので馴染み深い街だ。ヨドバシカメラは高校写真部時代からそれこそ庭みたいなもので、当時はもっと多かった中古カメラ屋もずいぶん通ったし、写真展やギャラリー展示にも学校帰りにちょくちょく寄っていた。半面、この街でまとまった作品を撮った記憶がないのだが、「カメラ」という道具方面では原点の街なのは間違いない。

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

西武新宿駅から今回の上京の目的地、練馬方面へ。お気に入りの“昭和のラーメン屋”で腹ごしらえをして、フィルムカメラはいったんカメラリュックに仕舞いこんだ。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

僕は海外で生まれたのだが、すぐに目黒区の池尻大橋・中目黒に近い地域に移り、小学校入学前までそこで育った。そして、海外を挟んで、小学校卒業まではエリア的に近い品川区の武蔵小山にいた。その後また海外を挟んで以降の東京は、下町方面が中心になる。そんな感じだから、練馬・杉並あたりは直接的な縁はなく、街頭スナップ経験もゼロではないが、ほとんど空白地帯と言っていい。でも、今は練馬区関町にある盲導犬育成団体のアイメイト協会にお世話になっており、練馬方面行く機会がぐっと増えた。そして、今回ついにその帰りにまとまった時間ができ、とにかく新宿方面へと歩ける所まで歩いてみた。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

東京で街頭スナップをする時、一番自分に馴染む機材構成は「ボディ2台持ち・レンズ交換なしの50mm+28mmの2本勝負」である。東京はあらゆるものが密集しているので、28mmを標準感覚で使い、50mmは通常の中望遠望のイメージになる。85mm〜100mmの本当の中望遠を加えることもあるが、たいてい出番が少ない。今回もこのセットで撮っている。これまで馴染みのなかった35mm一本勝負にもトライしているが、これは地方都市ではちょうどいいが、東京にはあまり向いていないだろう。

往時の僕の街頭スナップの主力はコンタックスRTSIII+プラナー50mmとコンタックスG2+ビオゴン28mmという「一眼に50mm・レンジファインダーに28mm」のセットだった。復帰した今も実質同じ組み合わせ(コンタックスS2+プラナー50mm/ライカM6TTL + Mマウント版のビオゴン28mm)に落ち着いているから、人って変わらない(変われない)ものだな、と思う。一方で面白いのは、以前は電子制御のカメラで絞り優先AEと(G2では)AFも使っていたのが、今はフルメカニカル機でマニュアル露出で撮っている。20年30年先まで陳腐化しない「ちょうど良いテクノロジー」が、カメラの場合はそのあたりなのだな、と実感している。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

日本の街には雑然とバラバラな建物が所狭しと並んでいる。ベーシックで完成したデザインの石造りの家並みが全体の景観を形成するヨーロッパの街並みを見れば、その差は歴然だ(例えば、ロンドン・ヒースロー空港に着陸する直前の飛行機の窓から見える街並みを初めて見る日本人は、必ず何らかのショックを受けるはずだ)。だが、写真という景観の一部を切り取る行為においては、雑然としている街の方が、意図されていない面白さやイメージを自分の目で見つけ出し、写真という形に昇華する面白さがある。模範解答がしっかりと提示されているヨーロッパの街では、ある種の街頭スナップ的なものは逆に煮詰まってしまいがちだ。

ただ、今はちょっと難しい時期だとも思う。日本の都市は木造建築を中心としたスクラップ・アンド・ビルドで成り立っており、戦後の焼け野原から半世紀を優に過ぎた今は「スクラップ」の時期のまっただ中にあるはずだ。だが、法律の不備やら不景気やら少子高齢化やらで、スクラップにされるはずの古いものが半ばゴミとして放置されてしまっている。僕的にはちょっと、今の東京は「雑然としたエキサイティングな街」から、「未成熟な新しいものとゴミ溜めが混在した荒れた街」になりつつある。

それは置いておくしても、このグローバル化時代に相変わらず昔と変わらず「ONLY IN JAPAN」な存在が、選挙ポスターである。醜悪な顔がベタベタと張られているのは、日本全国の街角に共通する異様かつ摩訶不思議な部分で、僕はそのシュールさが嫌いではない。ただ、「写真が写真に頼る」という写真には敗北感があり、ぐっとこらえてなるべく撮らないようにしている。でも、やはりこらえきれなくなって、結構撮ってしまうのだが・・・

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

上井草のガンダム像に到達したあたりで、快晴の日光がだいぶ弱まってきた。完全に夜間スナップモードになっても、僕はせいぜいISO800までしか使わない。今のデジタルカメラはISO6400あたりでも十分にきれいに撮れるが、弱い光を電気的に無理やり増幅するのは下品だと僕は思う。暴力的と言ってもいい。東京の夜は明るい。ISO400でも十分に手持ちで拾える。

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

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Leica M6TTL Carl Zeiss Biogon 28mm f2.8 ZM Ilford HP5 Plus

ゴールは荻窪。3時間余り歩いたか。時間的にも気力・体力的にも、このあたりが良いところである。中央線で新宿に戻り、西口でいつもの焼き魚定食を食べてヨドバシに寄り、南口に新しくできた「バスタ新宿」から高速バスに乗って山に帰る。そこには、この3時間で出会った世界とは全く違う時間と空間が待っている。

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

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Contax S2 Carl Zeiss Planar 50mm F1.4 Ilford HP5 Plus

           



by hoq2 | 2016-06-05 15:21 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)