【Nagano Snapshot】 蓼科2 東急リゾート

 2011年夏より、長野県・蓼科の別荘地に定住している。1年余りが過ぎ、土地への理解がゆっくりと深まるにつれ、愛着も湧いてきた。そして、いつしかカメラを手に町に出て、写真を撮るようになった。長年撮っている東京とはずいぶん勝手が違うようにも感じられ、しかし、同時に集中的に通ったベルリンとすら、同じような写真を撮っているようにも思う。
  「そこも、ここも、そことここの間も皆同じ」ーーー。そういう信念があるから、これは長野の町のガイドブック的な紹介ではない。どこにでもあるような物体、通り、風景は、どこにいても気になる。だが、写真というものは撮り手の意志とは関係なく、「記録」し続ける側面もある。だから、いつかこれらの写真がたまったら、何かしらの形でまとめて発表したいと願っている。それがもしかして、50年、100年経って、21世紀初めの「地方」というものの、異端の記録になるかもしれないと夢想する。


このシリーズを、以前HP上で公開した【Tokyo Snapshot】、そして、それをベルリンの写真と合わせて発表した写真集『Berlin+Tokyo』の続編的な位置づけで、【Nagano Snapshot】と名付けました。本ブログでは、内容を絞ってまとめる前段階として、撮影日順にあまり点数を絞らずにアップしていきます。将来のための私的な忘備録代わりという側面もあります。

初めての町を歩くことも、何度も同じ町を歩くこともあります。



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NEX-7 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO100 露出補正-0.7


今回は蓼科の別荘地でスナップしました。蓼科というのは、八ヶ岳山麓・長野県側の高原の避暑地・別荘地の総称で、市町村で言えば茅野市、立科町、原村にまたがります。ですが、例えば茅野市の地元民は、蓼科は茅野市の一部というよりも、市街地が茅野で、「蓼科」は別の地域として区別しているきらいがある。

蓼科に住む都会からの移住者の一人である僕としても、住人がほとんど首都圏をはじめとした都会の人間なので、やはり蓼科は蓼科と思った方が良いと感じています。蓼科の別荘族、観光客は首都圏だけでなく、関西や名古屋圏の人も多い。僕が住む別荘地には九州からも来る人がいて、まさに全国区の土地であると言えるのです。軽井沢もこれに似ているけれど、軽井沢は資本も含めて圧倒的に首都圏の人が多く、僕は「東京都軽井沢市」という飛び地だと思っている。そういう地域があるというのは、長野県の特徴の一つだと思います。

【Nagano Snapshot】 富士見1で、諏訪地域の市町村は制覇したと書きましたが、こういう事情なので「蓼科」を忘れていたということになります。そこで、蓼科にある白樺湖周辺を撮影したこの日記のタイトルを「蓼科1」として、今回の日記を「蓼科2」としました。

さて、今回は東急リゾートという別荘地を少しだけ歩きました。スキー場やゴルフ場もある大規模な別荘地です。この日は、妻を敷地内のプールに送って行き、待っている間(僕は泳げない)にマメと1時間ばかり広大の敷地のごく一部を歩きました。


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NEX-7 SIGMA 19mm2.8 絞り優先オート F8 ISO200

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         NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO400

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         NEX-3 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F4 ISO200

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NEX-3 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F8 ISO200

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO200 露出補正-1.0

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         NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F2 ISO200

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NEX-3 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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NEX-3 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200


【Nagano Snapshot】 蓼科1 白樺湖 (NEX-7のホワイトバランスに物申す)で書いたNEX-7最大の欠点、純正レンズとの組み合わせで顕著な「マゼンダ被り」(赤味が強いカラーバランス。マウントアダプターでレンジファインダー用広角レンズをつけた時の周辺部のマゼンダ被りとは別)ですが、その時はAWBを使わない方法を採用しましたが、結局その後AWBで撮ってPhotoshopの後処理で調整する解決策に戻しました。AWBの設定の問題というより、このカメラとソニー純正及び専用レンズの根本的な発色が「赤い」ということを再認識したからです。

今回はNEX-3も使いましたが、3ではもっとニュートラルな発色をするし、7と非純正レンズとの組み合わせでもニュートラルになる。NEXシリーズ全体の問題ではあるけど、特に7+純正レンズで顕著に出るということです。また、レンジファインダー用広角レンズ(特にビオゴン系の対称形レンズ)で発生するコーナーのマゼンダ被りも、他のNEXでは目立たない。画素数が高いほうが出やすいということらしいのです。

つまり、NEX-7はこのサイズで超高画質を実現したカメラですが、発色という点で高画素を技術的に消化しきれていないと言わざるを得ません。発展途上のカテゴリのカメラなので、許したいところではありますが、リコール対象級の不具合なのではないかなあ。それとも、僕の個体がおかしいのでしょうか?やはり、一度サービスに持っていった方がいいかな。でも、田舎には窓口がないので東京に帰った時にしかできないですけどね。

しかし、実のところ、サービスに持ち込んでも「正常です」と言われるのは分かってるんだよね。NEX-7の赤味の正体は、一般的な日本人の色彩感覚と僕の色彩感覚のズレの問題、というのが正解なんだと思う。実際、ネットをあさっても「NEX-7の発色が赤い」という感想は1件のブログ記事しか出なかった。それ以外は、「NEX-7のAWBはほとんど外さない!」と絶賛の声ばかり。お前ら、どんだけ赤いのが好きなんだよ!

ここまで言えるのは、数値的にも感覚的にもニュートラルな写真が、雑誌用の仕事などで印刷が上がってくると、ほぼ100%「赤」か「黄」の暖色寄りに調整されているという経験をしているからです。間違いなく、日本の「ニュートラル」は、数値上のニュートラルよりも暖色寄りにずれています。つまり、ソニーは日本人のマジョリティー向きには間違ったことはしていないのでしょう。その写真文化の質が、空恐ろしいけれども。ちなみに、アメリカで開発されたPhotoshopで自動カラーバランス調整をかけると、NEXやEOSの「撮ったまま」はたいていクールトーン寄りに調整されます。

僕はこのズレを各方面に再三指摘してきた。でも、相手はキョトンです。もうあきらめてメガネでズレを埋め合わせています。それと合わせて、Photoshop処理で一応解決できているので、結果オーライとしておきましょう。それに、他メーカーのAPS-Cミラーレスに乗り換えるかというと、それはないし。NEXには欠点を補って余りある魅力があるからね。それに、下の写真のようにAWBそのままの発色の方が嬉しいケースもある(レンズは非純正)。


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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100

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         NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO100 露出補正-1.7

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO100 露出補正+0.3

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100 露出補正-0.7

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100 露出補正-0.7

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         NEX-7 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO100 露出補正-1.3

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NEX-7 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO100 露出補正-1.3

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NEX-3 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO400

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100 露出補正-0.7

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO100 露出補正-0.7

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NEX-7 Contax Carl Zeiss Sonnar G90mm2.8 絞り優先オート ISO100 露出補正-1.3

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO800 露出補正-1.3

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         NEX-7 Sony SEL50mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO400 露出補正-1.3

by hoq2 | 2013-01-12 00:04 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

【輸入住宅 MAPLE HOMES】 (2)「風の館」

こちらのカテゴリ輸入住宅(MAPLE HOMES)では、メープルホームズ軽井沢さんより依頼を受けて撮影した新築物件の竣工写真を紹介します。

コンセプト・デザイン・部材の一つ一つまでこだわった"本物”の輸入住宅です。また、量産型のいわゆる建売とは違い、「北欧スタイル」「フレンチスタイル」などはあくまでベースになるコンセプトで、施主の要望で一から自由に個々のデザインに仕上げることもできます。詳しくはHPを参照してください。ちなみに、ここで紹介するのは、軽井沢周辺を担当するメープルホームズ軽井沢さんの物件ですが、MAPLE HOMESそのものは全国展開しています。

仕事を離れた一個人としてメープルホームズさんの家に強く賛同するのは、例えばこちらの赤毛のアンの家のように、それぞれの家にストーリーがあることです。ベースになっている「家」のストーリーにそこに住む家族のストーリーが加わることで、文字通りの「マイホーム」になるのです。

物件そのものにつきましてはメープルホームズ軽井沢さんにお問い合わせください。ここでは掲載許可をいただいた写真を紹介しながら、家のことや建築写真について思いついたことを書いていこうと思います。



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今回の物件は、昨夏撮影した森の中の別荘建築です。オーナーさんのアイデアが多く取り入れられているそうです。

設計 株式会社ヴァン設計企画(担当 井上渉) 
施工 株式会社田中住建(MAPLE HOMES軽井沢 グループ会社)


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私も今、蓼科の別荘に定住していますが、こんなに素敵な家ではなく、築20年を超える普通の建売の別荘建築です。冬をまたぐ定住用というよりは夏の避暑を想定した家なので、断熱対策が甘く、寒い(その代わり、真夏でも冷房いらずですが・・・)。実は、実家は赤毛のアンの家なのですが、もう全然違います。我が家はフルに暖房をきかせても真冬は室温20度ちょっとが精一杯。床も冷え冷えとしていて、無暖房の赤毛のアンの家よりも寒いです。

昔、飛騨高山で知り合ったカナダ人が「飛騨はカナダよりも寒い」と言っていました。彼は僕が子供の頃住んでいたオタワよりも暖かいバンクーバー出身だったとはいえ、実際はカナダの方がずっと寒い。当時のオタワは-20度30度は当たり前でしたが、家の中はTシャツでOK。一方、日本の家は北海道は別にして、寒冷地でもスカスカの木造が多い。体感で日本の方が寒いというのはよく分かる話です。その点で、高原などの寒冷地で輸入住宅という選択は、単なるファッション感覚の趣味ではなく、実用上のニーズにも答えるものなのです。


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by hoq2 | 2013-01-07 13:59 | 輸入住宅(MAPLE HOMES) | Trackback | Comments(0)

【Nagano Snapshot】 岡谷2=2  続・栄枯盛衰の街

 2011年夏より、長野県・蓼科の別荘地に定住している。1年余りが過ぎ、土地への理解がゆっくりと深まるにつれ、愛着も湧いてきた。そして、いつしかカメラを手に町に出て、写真を撮るようになった。長年撮っている東京とはずいぶん勝手が違うようにも感じられ、しかし、同時に集中的に通ったベルリンとすら、同じような写真を撮っているようにも思う。
  「そこも、ここも、そことここの間も皆同じ」ーーー。そういう信念があるから、これは長野の町のガイドブック的な紹介ではない。どこにでもあるような物体、通り、風景は、どこにいても気になる。だが、写真というものは撮り手の意志とは関係なく、「記録」し続ける側面もある。だから、いつかこれらの写真がたまったら、何かしらの形でまとめて発表したいと願っている。それがもしかして、50年、100年経って、21世紀初めの「地方」というものの、異端の記録になるかもしれないと夢想する。


このシリーズを、以前HP上で公開した【Tokyo Snapshot】、そして、それをベルリンの写真と合わせて発表した写真集『Berlin+Tokyo』の続編的な位置づけで、【Nagano Snapshot】と名付けました。本ブログでは、内容を絞ってまとめる前段階として、撮影日順にあまり点数を絞らずにアップしていきます。将来のための私的な忘備録代わりという側面もあります。

初めての町を歩くことも、何度も同じ町を歩くこともあります。



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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F11 ISO400 露出補正-0.3


前回の続きです。旧山上宮坂製糸所周辺を経て、前回スタート地点の市役所前に戻りました。このブログを書くにあたって調べて分かったのですが、旧山上宮坂製糸所とは別の場所にある宮坂製糸所では、今も現役で当時と同じ方法で生糸を作り続けているとのこと。今ちょっと制作が中断してしまっていますが、私が編集や撮影・取材に関わっている『Vanguard international foods フリーペーパー』で、瀬戸山玄さんのHand Madeという連載(全国各地の“手仕事”を掘り下げるフォトエッセイ)で取り上げてもらおうかな。一度、製糸の現場を見てみたいです。

それから、前回、「うまくすれば世界遺産の街にもできそうなだけに、もったいない気はします」と書きましたが、既に県と市がアプローチはしているようです。僕は新聞記者時代に白川郷の世界遺産登録の取材をしましたが、岡谷の製糸関連遺産をもう少し「生きた」状態(創業を再開するというのではなく、しっかり維持管理すること)で見せられれば、ありえると思います。宮坂製糸所という実際に生きている工場があるうちに、ぜひ実現してほしいものです。諏訪大社も有力ですし、文化遺産の面から諏訪地域全体の活性化を目指すのも素敵だと思います。


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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO100

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         NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO100

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm3.5 絞り優先オート ISO100 露出補正-1.0


ここから下しばらくが、旧山上宮坂製糸所。


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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2.8 ISO100 露出補正-1.0

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO100 露出補正-1.0

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO100 露出補正-1.0

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO400 露出補正-1.0

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO400 露出補正-1.0

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO400 露出補正-1.0

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NEX-7Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO100

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO400

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO400

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO400

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO400


さて、宮坂製糸所の社長さんが、HPのあいさつ文で次のように書いています。

「最盛期には300もの製糸工場が建ち並んでいた岡谷の町も現状ではすっかり精密機械の町へと変貌を遂げてしまいました。」

その精密機械の町を支えた企業にヤシカがありました。1983年に京セラに吸収合併されるまで、この岡谷の地でヤシカマットなどの二眼レフ、そしてカール・ツァイスから取得した「Contax」ブランドのカメラを作り続けました。ツァイスは、ハッセルブラッドローライにレンズを供給する一方で自社ブランドのカメラボディも持っていました。コンタックスはそのひとつで、ヤシカがツァイスとの共同事業として受け継いだというのが分かりやすい解釈になるでしょうか(カール・ツァイスは「会社」ではなく「財団」なので、キャノン・ニコン・シグマなどの一般的なカメラ・レンズメーカーと違って話がややこしいのです)。レンズに関しても、ハッセル用は今もツァイスの自社生産ですが、ヤシコン以降はドイツのツァイスで設計し、ツァイス基準の品質管理により日本のメーカーで製造するスタイルが定着しました。

1975年から始まったコンタックスボディの製造は、全て岡谷工場で行われたそうです(レンズは初期はドイツ製、後期はおもにCHINONレンズも作っていた東京の富岡光学製)。私もそのユーザーの一人であったわけですが、街頭スナップでの「絞り優先オート&露出補正」で撮るスタイルは、露出補正ダイヤルを従来のシャッタースピードダイヤルの位置に持ってきて、そういう撮り方を新たに提示したコンタックスRTS時代から継続しているコンタックスユーザー特有のクセのようなものです(高校時代に中古のRTSを買い、RTSIIIまで長年使っていた)。

また、ヤシカ・コンタックス(ヤシコン)用レンズは、今もなお35mm一眼用ツァイスレンズの頂点であり続けている思います。京セラに吸収合併されてからもデジタル一眼のN Digitalまでコンタックスの製造は続きましたが、残念ながら2005年に京セラがカメラ事業から撤退し、ライカと双璧を競ったコンタックスも消滅してしまいました。今回の撮影で使ったDistagon28mm/2ZEなど、現在の35mm一眼用のMFツァイスレンズはコシナ製です。同じMFのヤシコンツァイスをキャノン・ニコン用などにマウントを変えて継承・発展させたものだと言えるでしょう(AFツァイスレンズはソニー=コニカミノルタ製。NEX用EマウントのSonnar 24mm1.8は、今回の撮影でも使用しています)。

ちなみに、コンタックスのカメラ・レンズの修理は今も京セラ岡谷工場(旧ヤシカ本社)で行なっています。そして、コシナも長野県(中野市)の企業です。MFツァイスレンズの伝統は、今もオーバーコッヘンで設計し、中野市で製造されるという日独同盟のスタイルで生き続けているのです。最後のContaxを送り出した岡谷は日本のイエナ(カール・ツァイスの本来の本拠地)とでも言っておきましょう。


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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2 ISO400

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         NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2 ISO400

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         NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm2.8 絞り優先オート ISO400 露出補正-0.3

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F11 ISO400 露出補正-0.3

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F11 ISO400 露出補正-0.3

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F11 ISO400 露出補正-0.3

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO400 露出補正-0.3

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm3.5 絞り優先オート ISO100

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2 ISO100

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2 ISO200 露出補正+1.0

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm3.5 絞り優先オート ISO200

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         NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO100 露出補正+0.3

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2.5 ISO200 露出補正+0.7

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EOS5D MK3 Canon EF85mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200

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EOS5D MK3 Canon EF85mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200 露出補正-1.7

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO400

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm2.8 絞り優先オート ISO400

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2.8 ISO400

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2.2 ISO400 露出補正+0.3

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         NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO400

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO400

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO400

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO400

by hoq2 | 2013-01-04 00:23 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

【Nagano Snapshot】 岡谷2=1  栄枯盛衰の街

 2011年夏より、長野県・蓼科の別荘地に定住している。1年余りが過ぎ、土地への理解がゆっくりと深まるにつれ、愛着も湧いてきた。そして、いつしかカメラを手に町に出て、写真を撮るようになった。長年撮っている東京とはずいぶん勝手が違うようにも感じられ、しかし、同時に集中的に通ったベルリンとすら、同じような写真を撮っているようにも思う。
  「そこも、ここも、そことここの間も皆同じ」ーーー。そういう信念があるから、これは長野の町のガイドブック的な紹介ではない。どこにでもあるような物体、通り、風景は、どこにいても気になる。だが、写真というものは撮り手の意志とは関係なく、「記録」し続ける側面もある。だから、いつかこれらの写真がたまったら、何かしらの形でまとめて発表したいと願っている。それがもしかして、50年、100年経って、21世紀初めの「地方」というものの、異端の記録になるかもしれないと夢想する。


このシリーズを、以前HP上で公開した【Tokyo Snapshot】、そして、それをベルリンの写真と合わせて発表した写真集『Berlin+Tokyo』の続編的な位置づけで、【Nagano Snapshot】と名付けました。本ブログでは、内容を絞ってまとめる前段階として、撮影日順にあまり点数を絞らずにアップしていきます。将来のための私的な忘備録代わりという側面もあります。

初めての町を歩くことも、何度も同じ町を歩くこともあります。



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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200 露出補正-1.0


岡谷はかつて、製糸の街でした。実は日本の近代化を担った偉〜い街なのです(岡谷の製糸の歴史はこちらに詳しい)。

世界一を誇った日本の製糸業の中心地だっただけに、今も街中にその名残りがあります。明治期の工場跡や関連施設が思ったよりもたくさん点在しています。ただし、奥ゆかしい県民性からでしょうか、他の県内の街同様PRが弱く、観光地としてはメジャーではありません。名所としてしっかり整備されている旧製糸関連施設は全体の一部。ボーっと歩いていると、朽ち果てかけた工場跡がなんの説明もなくポッと現れるような感じです。街頭スナップ的散歩者としては、そういう感じの方がリアルで嬉しいのですが、うまくすれば世界遺産の街にもできそうなだけに、もったいない気はします。

製糸関連の建物だけでなく、なかなか雰囲気のある裏道もあり、質の高い街歩きが楽しめます。今はおなじみとなってしまった「疲弊した地方都市」の一つではありますが、日本の近代化を支えた重みがまだ街に染み付いている。意外なことに、県内で一番人口密度が高いのは長野市や松本市ではなく、この岡谷だそうです。決して大きな街ではありませんが、それも町並の密度感を高め、歩いた時の充実感につながるのでしょう。前回歩いた駅周辺よりも、市役所などがある今回のエリアの方が密度感が高く好感を持ちました。


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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO100

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         NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F2 ISO100 露出補正-0.3

しかし、洋風建築の市役所にまで御柱が立っているというのはすごい。「住警器」というのは、住宅用火災警報器のことだが、現代の機械といにしえの神様が火災予防に同列のご利益があるということなのでしょうか?この地域の諏訪神社信仰はやはり奥深い。

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm2.8 絞り優先オート ISO100

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO100 露出補正+1.0

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F2 ISO100 露出補正+1.0

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO200 露出補正+1.0

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F6.3 ISO200

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F6.3 ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO400

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F6.3 ISO200 露出補正+0.7

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO200 露出補正-0.7

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NEX-7 Carl Zeiss Sonnar 24mm1.8 絞り優先オート F5.6 ISO200 露出補正+1.0


Nagano Snapshotで困るのは、写真を撮っていると時々怒り出す人がいることである。怒ると言っても、語気を強める程度なのだが。きれいな山とか有名な神社なんかにカメラを向けている時には、それはない。むしろ嬉しそうに見ている。しかし、なんでもない街角とかゴミっぽいものを撮っていると「前を通りますよ!(怒)」とか「別に珍しくないでしょう?(怒)」と言われることがある。そこから会話になってお互いに新しいことを知ったりするので、結果良いのだが・・・

自分の世界の範疇を超えた変わったことをしたり、一般的でない意見を言ったりすると怒り出す人がいる。僕は未知なるものへの不安が怒りの表現になると思っている。かつて名古屋に本社がある会社でサラリーマンをしていたが、その会社の名古屋人にはよく怒られた。分かりやすい例を上げると、プロ野球でどこのファンかと聞かれ、「ヤクルト」と答えると、巨人でも中日でも阪神でもないので「えっ?なんで???なんでヤクルトなんだ!!」と怒り出す。東京と海外で育った自分は、違いを認めたうえで、引っ掛かりがあれば批判するということが普通だったので、何を怒っているのか最初分からなかった。こういうことが積み重なったので、申し訳ないが僕は名古屋が嫌いだ。

長野もそういう名古屋っぽさはある。ただ、「田舎特有の排他性」というステレオタイプな一言でまとめたくはない。同じ価値観を共有していることが当たり前だという、日本的な「やさしさ」が土地にしみついているのだろう。「怒られる」シチュエーションで、逆にやさしい態度を示す人の方が実際の所多い。怒られても名古屋ほどギスギスした怒りではないし、「異質なものを排除する」ということよりも、もっと真面目な気持ちがベースにあると思う。うちの実家の犬、マリー(ゴールデン・レトリーバー)は、うちのマメ(フレンチブルドッグ)が奇声を上げながら床で激しくゴロゴロするなど「変なこと」をすると、マメに向かって怒り混じりにワンワンと吠える。A型気質の真面目なゴールデンにとって、 B型気質のフレンチの変人っぷりが不安なのだ。でも、本当はマメが好きで一緒に遊びたい。心の奥にはポジティブな興味があるのだ。長野の人の「怒り」はそれに似ている。


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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO200 露出補正-0.7

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         NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO200

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         EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F5.6 ISO200 露出補正-1.0

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F8 ISO100

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NEX-7 Minolta MC W.Rokkor 35mm1.8 絞り優先オート ISO200 露出補正-0.7

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Distagon 28mm2 ZE 絞り優先オート F4 ISO100

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EOS5D MK3 Carl Zeiss Jena Flektogon 20mm2.8 絞り優先オート ISO200 露出補正+1.0

この日はもう少し歩きました。続きは次回に。

by hoq2 | 2013-01-02 18:39 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)