【バンガードフリーペーパー】vol.10できました

c0035245_14295382.jpg


私が制作や撮影・執筆に関わる『バンガードインターナショナルフーズ・フリーペーパー』のVol.10が先日できあがりました。A2・8ツ折のパンフレット形式のフリーペーパーで、「バンガードインターナショナルフーズ」が販売するドッグフード『ナチュラルハーベスト』とキャットフード『カントリー・ロード」の販売店やネット購入時に配布しています。

また、PDF版を「バンガードインターナショナルフーズ」(ナチュラルハーベスト/カントリー・ロード)のHPで公開しています。
http://www.natural-harvest.co.jp/fp_index.html


宣伝パンフではなく、フリーペーパーですので、フードの話題というよりは、動物・ペット、モノづくりに関わる読み物やエッセイが中心です。今回は、東日本大震災を受けて、猫島で知られる宮城県三陸沖の田代島のルポと宮城県石巻市の被災地のエッセイ、そして宮城県気仙沼市の船大工のお話を掲載しています。

興味のある方は是非、取り扱い販売店に足を運ぶか、上記URLよりPDF版を御覧ください。以下に、ダイジェストで内容を紹介します。

まず、田代島の特集は見開きでこんな誌面になっています
c0035245_14413670.jpg


本ブログでも田代島の猫たちの写真を掲載していますので、現状が気になる方も多いと思います。写真は、本ブログでも紹介した今年1月12日と5月3日(震災前・震災後)の猫たちの様子。島の人々の暮らしの変化にも少し触れています。また、溝井祐樹氏による『猫島起源考』もあります。TVなどでは紹介されない猫島の歴史に触れています。

c0035245_1448421.jpg


田代島の猫たちは、一括りに言えば無事でしたが、1月に見かけて5月に見かけなかった猫もいました。安否を詳細に調べている方々の情報によれば、どうも津波に流されてしまった子も数匹いるようです。しかし、猫たちが織り成す情景は愛に満ちていて、それは1月も5月も変わりませんでした。個人的には、ますます、ライフワークとして田代島を静かに見つめていきたいという気持ちが強くなりました。

c0035245_14544244.jpg


島の人たちにも話を聞きました。津波で4人が流され、そのうち1人が亡くなったそうです。3人は運良く隣の島に流れ着き、3日後に戻ってきたとのこと。港の漁業関係の施設や定置網は壊滅的被害を受け、5月時点では島の人たちの生業である漁がまったくできない状況でした。その後の報道によれば、漁は部分的に再開し、猫たちも震災前のように余り物の魚が少しずつ食べられるようになったそうです。

グラビア面は石巻のエッセイです。
c0035245_14593927.jpg


津波に襲われた沿岸部ははっきり言って地獄です。10年前に行ったアフガニスタンの戦場と変わりません。私にできることは写真を撮るくらいしかありません。以下にメインのエッセイを転載します。この他に、ぎりぎりの所で難を逃れた犬と飼い主さんの物語が誌面に載っています。

c0035245_1544384.jpg

瓦礫の街を歩く
 2001年の冬、9.11テロから3カ月後、僕は米軍のタリバン掃討作戦が続くアフガニスタンにいた。その時はまだ、犬の写真を撮っていなかったが、ある犬雑誌の編集者から「戦場の犬の写真はないか」とオファーを受けた。自動小銃やRPG(携帯型対戦車グレネード)を手にした男たちがウロウロしている廃墟の国である。焼けただれた畑には作物も育たない。野良犬ですら、この国で生き抜くのは難しそうだった。
 いや、しかし、いたのである。出身地のカブール郊外の村に帰ってきた北部同盟軍の部隊には、マスコット犬的な仔犬が同行していたし、再建中の空港の近くにはドイツのNGOが連れてきた地雷探知犬がいた。人が生きて生活してさえいれば、どんな環境にでも犬はいるものだ。
 2011年の3.11、東日本大震災から約2カ月。僕はまた瓦礫の中を歩いていた。津波が全てを破壊してしまった宮城県石巻市の沿岸部。アフガニスタンと同じ、嫌に真っ青な空が広がっていた。僕は、それでも犬はいるという確信を持っていた。「鯉のぼりが立っている所まで行ってみよう」。1時間ほど歩いて目的の場所が見えてくると、犬を連れた男性が瓦礫に囲まれた一本道の彼方からやってきた。それまで人とすれ違うことすらほとんどなかったのに。
 あえて言う。これは偶然ではない。鯉のぼり所に行かなければと、僕はその朝に高台から瓦礫の街を見下ろした時から思っていた。眼下に見えた鯉のぼりはまだ新しく、明らかに震災の後に立てられたものだった。瓦礫の中のかすかな人の営み。今を生きる人間がいる所には、必ず犬がいる。
(内村コースケ・写真家)


最後に、ドキュメンタリスト・瀬戸山玄さんの連載『HANDMADE』です。
c0035245_1582830.jpg


瀬戸山さんは、10年以上にわたり、今回被災してしまった三陸で里山ならぬ「里海」で暮らす人々と関わり、取材して単行本などにまとめています。それだけに、被災地の人々への思いは人一倍強いのです。ぜひ、PDF版などで文章も読んでください。


バンガード・フリーペーパーPDF版
http://www.natural-harvest.co.jp/fp_index.html

by hoq2 | 2011-07-08 15:11 | Vanguard FP | Trackback | Comments(0)

これが写真だ。

c0035245_23303670.jpg

ドキュメンタリスト(写真家・映像作家・文筆家)の瀬戸山玄(せとやま・ふかし)さんから、素晴らしいポストカードをいただいた。瀬戸山さんとは旧知の間柄で、野菜の話など骨太の芸術的ドキュメンタリー作品を多数発表されている。もともと特別に犬好きということではないが、ここ1〜2年、仕事をご一緒させていただいている中で、犬にも関心を強めてくれている。

そして、この写真。素晴らしいの一言につきる。「犬(猫)が好きで好きでたまらないんです」と言って、写真そのものと向きあう十分な時間を経ずに「ペットカメラマン」を名乗る人が多いように思う昨今だが、こういう1枚の写真作品として素晴らしい犬の写真に久々に出会った。何が素晴らしいか、ああだこうだ僕が言う必要はないだろう。写真そのものから、ぜひ感じ取っていただきたい。

瀬戸山さんに新たに興味を持たれた方、もともとのファンの方、ご本人のHPもぜひ覗いてほしい。
http://www3.ocn.ne.jp/~mimimura/index.html

手前味噌だが、瀬戸山さんにも『Handmade』という連載をしてもらっている『Vanguard Freepaper』( http://www.natural-harvest.co.jp/fp_index.html )7号に、こういうフォトエッセイを掲載した。一般的な「ペット写真」を決して否定するものではないけれど、僕の中にいくつかあるアプローチの一つとして、「そういうことも考えている」という話です(記事は別途、下にテキストで掲載しました)。
c0035245_23445676.jpg

これは、雑誌には載らない写真だ

マニアとは、プロの受け手である。このフリーペーパーを手にしている人の多くは、既に犬猫を飼っている、言わば犬猫マニア、つまりプロの飼い主だと思う。プロといっても、それを仕事にしているかどうかは問題ではない。気楽な趣味の範囲を大きく越えて、対象と真剣に向きあっている人たちをあえてプロと呼びたい。
一方、一般的なペット雑誌(書店に並ぶ商業誌)のほとんどは、プロの読者を対象としていない。できるだけ多くの部数を売らなければいけないから、数の少ないマニア層=プロの読者ではなく、購買層の最大公約数=アマチュアの読者にアピールする必要があるからだ。
そして、この写真。僕はペット雑誌向けにも写真を撮っているが、これはまず絶対に掲載されない。それ以前に、入稿しない。プロ向けの写真だからだ。ペット雑誌に掲載されやすい写真の要素は、「一目見てかわいい・オシャレ」、「状況を言葉に置き換えて説明しやすい」など。それらに100%とらわれる必要はないが、まったく外しているものは載らない。
この写真には、雑誌で求められる要素は何もない。写っているのは「かわいい」子犬だが、後ろ姿が多く、顔がはっきり写っていない。さらに決して状況が分かりやすい親切な構図ではない。でも、僕自身、撮り手のプロとしては、とても気に入っている写真だ。
ペット雑誌に載らないタイプの写真に、いわゆる「芸術写真」があるが、これはそのひとつだと自負している。芸術家たる「僕」の内面が投影されているから、というわけではない。そういうのは「ワタクシ写真」と呼んでいる(それはせいぜい仲間内で見せ合い、楽しむものだと僕は思う)。そうではなくて、子犬たちが無意識に作り出した、カメラでしかとらえられないコンマ何秒の芸術的瞬間。それが、この写真の本質だと思う。子犬たちに撮らせてもらった。それが犬好きの写真家として、本当に嬉しかった。だからこそ、プロの読者・飼い主に見てもらいたい。

(内村コースケ・写真家)

by hoq2 | 2010-12-10 23:48 | Vanguard FP | Trackback | Comments(0)

カテゴリ「Vanguard FP」スタート

c0035245_1144782.jpg

『Vanguard International Foods Free Paper』(Vanguard FP)というフリーペーパーの制作に関わっています。その名のとおりドッグフードの「ナチュラル・ハーベスト」とキャットフードの「カントリー・ロード」を出しているバンガードインターナショナルフーズ発行のフリーペーパーです。私は、こちらの表紙写真やフォトエッセイ、全体の企画編集などを担当しています。ブログのこちらのカテゴリでは、Vanguard FPにまつわるアレコレを不定期に書いていこうと思います。

フリーペーパーといっても、冊子形式のものではなく、新聞紙の片面大の紙を八つ折りにしたA5版のパンフレットのような体裁です。ですが、内容は企業や商品の宣伝だけを目的とした広告ではありません。普遍性のある読み物として楽しんでいただけるよう、多くがフードとは直接関係のない、動物やモノづくりにまつわる話題で占められています。だから、決して宣伝パンフレットではなく、お客さんに無料配布する読み物=「フリーペーパー」なのです。

フードの取扱店などで配布していますので、犬と猫の話題が多いですが、それだけではありません。「Hand Made」という連載では、モノ作りの原点を見直したいと、黙々と「良い物」を作ることに情熱を燃やす人々の話題を取り上げています。箒(ほうき)やリヤカーなど老舗の製品の話もあれば、船大工職人、はたまた縄文人のヤジリの話も。特集では馬の話題も取り上げています。
c0035245_1353647.jpg

c0035245_1375261.jpg

そういう記事が載ってることに「なんで?」と思う方もいるかもしれません。ですが、私はその「なんで?」が大事だと思います。商業誌によくある「〇〇マニュアル」のように、「こうなんだ」と答えを示すのは、はっきり言って楽です。でも、それでは受け手もつまらないんじゃないかと思います。一緒に考えましょう、というきっかけ作り=問題提起の媒体でありたいと思ってます。

ただし、読者に「考えて」と丸投げでは無責任ですから、バンガード社のスタッフ、私や書いている作家さんたちの中にはある程度「こうなんだ」という答えはあります。それは誌面のどこかに滲み出しているかもしれませんが、押し付けることはしていないつもりです。

また、隠す必要もないので、私個人の「こうなんだ」という思いを、あくまでここに独り言として書いておきます。

私個人のFP全体のテーマは、ズバリ「愛」です。純粋な愛。僕は決して、犬や猫を天使のような善なるものとは思いません。隣人愛などなくむしろ利己的とすら言えるし、嘘やごまかしとも無縁ではない。でも、彼らの愛情はとても深くて純粋じゃないですか。人間のオトナのような余計な混じりっけがない。人間と共にしか生きられないペットに対して、それを生み出した人間には責任があります。愛にあふれていて、それに対して純粋な彼らに、同じように純粋な愛で応える義務が、私たちにはあると思います。だから、FPではすべての記事について、犬や猫やほかの動物、そしてモノに対しても、それに寄せたり寄せられる純粋な愛情というバックボーンからはずれないように気をつけています。むしろ、それ以外には何もない。

興味のある方はバックナンバーをweb公開しています(本当は紙でみてもらいたいです。紙の誌面にしかない一覧性を意識した紙面構成なので)。
http://www.natural-harvest.co.jp/fp_index.html

by hoq2 | 2010-11-27 02:04 | Vanguard FP | Trackback | Comments(0)