下町Tシャツ、スカイツリー

 墨田区を中心とした下町のお店や町工場が協賛して作っているShitamachi Tシャツ(http://www.shitamachi-t.com/)というものがあります。Tシャツそのものを売って儲けることが目的ではなく、各協賛店のロゴ入りTシャツというアイテムを通じて地産地消的な横のつながりを作って1+1=3になるような面白いことをしよう、という集まりです。
私も葛飾区をベースにするペットの出張撮影french-off(http://www.geocities.jp/hoqset/)の運営者として、また、イヌゾー探検隊(犬の銅像を探す探検隊)のメンバーとして今年から協賛したのですが、
Tシャツはあくまでも「つながり」と下町という「居場所」により深く根を張るためのツールなのだと理解しています。

 今日は協賛店の会合(飲み会)に初めて参加したのですが、ネットでつながりながらも、地元で顔を合わせるということの健全さがとても嬉しかった。こうやってブログやツイッターをやっていながら言うのも卑怯だけど、Macや携帯に張り付いてあーだこーだつぶやいて「繋がっている」というのは、ガンダムのニュータイプ論的にも退化だと思います。人と会った時の「この人とは感覚が共有できる」とか、「もっとこの人を知りたい」とか、そういう直感を自分は大事にしたい。ネットのつながりというのは、そのための入り口と予習復習のようなもので、活用しない手はないのですが、それのみで分かった気になるのは危ない。いや、「分かった・知った」を「理解した」と混同してはいけない。

 だから、月並だけど、アナログに人と会う、現場に足を運ぶというのは大事だと思います。とは言え、僕は人見知りするからネットのつながりで「人と会う」ことの負担を軽減できるのはとってもありがたいんですけどね。

 今日集まったメンバーはネットでの「予習」以上に面白そうな人たちでした。中でも地域情報紙の方が言っていた「区産区消」という言葉にはハッとさせられました。「地産地消」の下町・墨田区版のモジりなんだけど、都市でそれができるのは下町の強みだと思うし、ネットで世界がつながったと同時に現実世界(特に日本の)拡大路線が行き詰まっている今こそ、灯台下暗しで足元をしっかり固める方向がおそらく自然だし気持ちがいい。広義なエコ(嫌いな言葉だけど)で平和主義なんです、「区産区消」は。そして、それはギラギラと頑張るぞーという人たちが集まってくる「東京人」ではなく、異常にテレ屋で頑張りすぎない下町の人間だからこそできるのだと思います。地産地消は、ギラギラと「上」を目指して出し抜こうとするヤツが現れた瞬間に崩壊するから。

 ヒット飛ばして有名になって儲ける人よりも、ダイソンのCMじゃないけど「変わらないただ一つの」モノを淡々と作る人を尊敬するし、自分も目指したい。それはたぶん、外の人たちが下町を象徴する言葉としてよく使う「職人気質」と同義だと思う。そして、新しい時代を拓くには、今までのような職人気質よりもおおらかに他者とつながっていくニュータイプの職人が必要。そのポテンシャルは、都会でありながら浮ついていない下町にはあると思うのです。

 
 そんなことを思っているもんだから、異論はあるかもしれないけど、僕はスカイツリー(墨田タワー)には肯定的です。「若さ」と「高さ」、「外へのアピール」ができるトピックとして、おそらくこの100年の下町の歴史でもNo.1なんじゃないかと思う。「変わらないけど若返る下町」の象徴になればいい。日々タワーのふもとを通りすぎて見上げる地元の人たちの顔はみんなほころんでいる。厳しい時代の風当たりが特に強い下町では、それだけですごいことなんです。


写真右は旧東ベルリンのテレビ塔。今は共産主義の墓標みたいになっているけど、東西ベルリンの違いは東西東京の違いによく似ている。もちろん、東ベルリン=東東京(下町)
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by hoq2 | 2010-11-19 02:38 | 下町 | Trackback | Comments(0)