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Christmas Feet

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我が家のクリスマスプレゼントは、ニューヨークから届いたこの絵本です。実在のNYに暮らすフレンチ・ブルドッグ、カーロスくんが主役のシリーズです。アメリカの季節の節目ごとに出ていて、第1弾の『Ankle Soup』(サンクス・ギビング)、第2弾の『Custard & Mustard』(イースター)に続いて第3弾です。
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世界を見渡してもフレンチが主役の作品はほとんどないと思いますが、それだけでなく、舞台のニューヨークがストリート・スナップ的に描かれていてとても素敵です。テーマも「ちょっと落ち着いて視野を広げようよ」ということがふんわりとウィットに富んだ形で語られていて、絵本や児童文学の歴史に厚みのあるアメリカの作品ならではの質の高さがあります。

シリーズの日本語版、電子書籍でもいいから出したい。そのお手伝いをするのがあと数年内の目標でもあります。

もうひとつ、このシリーズは、私もお手伝いしている(最近は、ほとんどお役に立てていませんが)、BLN(Buhi Life Net)というフレンチ・ブルドッグのレスキュー団体のファンドレイジング・グッズになっています。「できることから始めよう」と、一歩一歩ゆっくりと無理なく進めている活動ですので、保健所などで保護されたフレンチたちを直接保護することまではまだまだできませんが、こうしたグッズの売上等を既存の団体に寄付することから活動を始めています。私も来春からもう少し動ける環境になりそうなので、それまでは「できること」がほとんどありませんが、ゆっくりでもいいから写真等を通じて輪を広げていきたいと思っています。

興味のある方は、ぜひBLNのHPを御覧ください。http://www.buhi-life.net/


カーロス君シリーズの第一弾『Ankle Soup』の書評的エッセイを以前、自分が編集に携わる『Vanguard フリーペーパー Vol.4』に書きました。写真家的には、この Ankle Soupには特に心を動かされました。
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犬の目線、犬の視点
フレンチ・ブルドッグの目線で描かれたNY発の絵本
内村コースケ(写真家)


僕は仕事でもプライベートでも、犬の写真を撮ることが多い。そして、カメラ位置を犬の目線の高さに合わそうと、しゃがんだり、いつしか腹這いになっていたりする。ファインダー越しに見えるのは、普段とはまったく別の世界で、人間の大人の視点が、いかに世界の一部しか見ていないかということに気づかされる。
「犬自身はどんな世界を見ているのだろう」。カメラを犬に向けるのではなく、犬の視点から写真を撮ろうと、玩具メーカーから出ていたリモコン操作のできる小さなデジカメを、自分の犬(フレンチ・ブルドッグ)の首輪につけたことがある。しかし、首輪につけたのでは、ブレた空や地面が写るばかりで、「なるほど、こういうふうに見えているのか」という写真はほとんど撮れなかった。正確に犬視点の写真を撮るには、やはり目と目の間にピタッとカメラを貼らねばなるまい。
そうこうしているうちに、ある日、ニューヨーク在住の方から1冊の絵本が届いた。僕がフレンチ・ブルドッグを飼っているのを知っていてくれたのだろう。ニューヨークで暮らす実在のフレンチ・ブルドッグ、カーロスが主人公の、カラフルで美しい絵本だった。イラストのAlison Josephsさんは、長年ニューヨークの街を描き続けている女性。題名の”Ankle Soup”とは、直訳すれば「足首のスープ」。つまり、カーロスの視点からは、絵本に描かれたニューヨークの雑踏がさしずめ人の足首だらけ、足首の森に見える、というわけだ。
物語の舞台は、帰省客らでごったがえすサンクス・ギビング(感謝祭)の日のグランド・セントラル(中央駅)。カーロスは、飼い主と一緒に家族を迎えに行くのだが、駅の風景がおもにカーロスの目線の高さ、視点で描かれている。人々の姿は足首付近だけ、駅を歩く大型犬も首から上は見えない。作者のMaureen Sullivanさんの文は、カーロスの一人称になっていて、それがまた犬らしいというか、要点を押さえたシンプルかつ詩的な表現で面白い。続編のCustard and Mustard もこの春刊行され、現地での評判は上々のようだ。
それでは、最後のページに書かれたカーロスからのメッセージを紹介しよう。“So smile when you see me way down in the crowd. And bend to my level for crying out loud! Please try to see things from my point of view. Your ankles are nice but...you’re more than a shoe.”  (僕を人ごみのずっと下の方で見つけたら、僕の高さまでかがんで大きな声で呼んでね。時には僕の視点でものを見てくれるとうれしいな。君の足首は素敵だけど・・・君は靴以上の存在だから!

by hoq2 | 2010-12-23 18:39 | BLN(フレブル レスキュー) | Trackback | Comments(0)