【アドリブ旅行02】 初の東北進出 Part2 〜 意外!茨城はかわいらしかった!
2014年 02月 05日
往年の「こち亀」の名エピソードから拝借したこのフレーズが気に入っている。目的地不明、先の見えない旅。子供の頃からそういうロードムービー的な体験に胸が踊る。地についた足を離し、移動を開始する。その瞬間、肉体と精神が正真正銘の浮草になる。そして、社会や生きることのしがらみから自由になったような錯覚に陥る。
レンタカーの回送という仕事をご存知だろうか。ここではあえて詳細な説明をしないが、次から次へと乗り捨てられたレンタカーと鈍行列車を乗り継ぎ、全国の<下道>と<在来線>をぐるぐる巡って僅かな報酬を得る仕事である。次の目的地は直前まで分からない。
その点だけを捉えれば、自分にとってはこれは究極の「アドリブ旅行」である。ここでは、回送員として「稼働」した日々のロードムービー的な断片にスポットを当て、後のための忘備録を兼ねて写真と文章で記録していきたい。
Part1からの続きです。
2度目となった今回の稼働の初日は、6号線沿い、霞ヶ浦へ注ぐ恋瀬川の手前で車中泊。前回はまだ季節的にはギリギリ秋だった。北関東は独特の寒さがあるが、2泊目の宇都宮でもまだ寒さは感じなかった。それが、今回は普通に寒い。夜中など車の外は凍てついていた。
早朝、霜に縁取られた地面を見て、「ああ、もっと暖かい季節にこの仕事を始めれば良かったかな」と少し後悔した。冬場の行き先が暖かい静岡や西日本方面だったらまだ良い。でも、多分自分は「北」担当ぎみで回されるだろうな、という予感があった。たいした根拠はないが、妙に確信めいた予感だ。
ともかく、“寝車”の納車予定時間が迫っていたので、北関係の考え事を中断。車窓を流れる町並みは、ほどよい風情がありそうだ。後髪を引かれつつ車を届け、まっすぐ石岡駅へ。常磐線に乗って次の引取先は日立。そこで車を引き取って、一旦スタート地点の新百合ヶ丘へUターンする。この時点でそこまでの道程は決まっていた。
石岡から6駅先の水戸で乗り換え。朝の通勤・通学時間帯に県庁所在地の水戸へ向かうだけに、それなりに混んでいる。僕は電車通学・通勤は東京でしか経験がない。正確には、ロンドンでもあるが、海外のことはここではひとまず置いておく。ともかく、地方都市のラッシュに加わるのは、これが初めてに近かったのだ。
ドブネズミ色の背広集団に巻き込まれる東京の通勤ラッシュに比べ、女子高生・OLの比率が圧倒的に高い。オヤジ連は車通勤が中心なのだろうか。高校生たちは意外に素朴感が強い。ギュウギュウに混んでいるわけでもないし、ラッシュなのにホノボノ感がある。ただし、北関東を支配する『下妻物語』のイメージも強い。あっちは群馬か。しかしまあ、アレだ。
常陸多賀駅で降りると、あれっ?猫駅長?
カメラを向けると、ひと睨み効かせてすぐに寝てしまった。ベンチのそばに餌が置いてあり、どうやら通い猫らしい。あとでネットで調べると、もう少し小さいころの写真も出てきた。駅は朝飯後の二度寝の定番スポットらしい。二度寝は、いい。日本でももっと推奨すべきである。
これでこの駅にまた来る楽しみができた。次回は駅員さんに詳しい話を聞いてみるかな。
駅を出て、こじんまりとしたメインストリートをまっすぐ歩く。猫の印象が強いからか、なんとなくかわいらしい町である。
茨城の人はケーキ好き、と聞いたことがあるが、今回はなんとなく甘党な感じのカワイイ側面が見られたような気がする。それはそれで非常に新鮮で好印象な茨城体験であった。
そして、車に乗り換えて6号線を延々と東京方面へ。part3へ続く。
【アドリブ旅行02】 初の東北進出 Part1
【アドリブ旅行02】 初の東北進出 Part3
【アドリブ旅行02】 初の東北進出 Part4(完)
【今回使用機材】