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【NEX-7】 最終評価 レンズ編 2  Carl Zeiss Sonnar 24mm 1.8 ( SEL24F18Z )

NEX-7を導入してから半年余りが過ぎました。本ブログのおもな主旨は、「写真」という結果を紹介することにありますが、アクセス数が多いのは機材に関することをメインテーマにした記事です。ですが、ファーストインプレッション以降、まとまってボディやレンズを評価した記事を書いていませんでした。このままでは竜頭蛇尾になってしまうので、随時ファイナルインプレッションも書いていきたいと思います。

ボディ編に続き、各レンズについても不定期で上げて行きたいと思います。同時進行でEOS編もやっていきます。


NEXレンズ編の対象は2013年5月末時点で所有している以下のレンズです。

・Sony E 16mm 2.8 (ウルトラワイドコンバーターVCL-ECU1)
SIGMA 19mm 2.8 EX DN
・Carl Zeiss Sonnar E 24mm 1.8
・HOLGA HL(W)-SN 25mm 8
Minolta MC W.Rokkor 35mm 1.8 H-H (ミノルタMC=MDマウント)
・Contax Tessar 45mm 2.8 (ヤシカ/コンタックスマウント)
Sony E 50mm 1.8 OSS
・Contax G Carl Zeiss Sonnar 90mm 2.8 (コンタックスGマウント)
・Canon FD 400mm 3.5 S.S.C (キャノンFDマウント)
・Sony E 18-55mm 3.5-5.6 OSS

(以下EOSと共用 M42マウント)
・Carl Zeiss Jena Sonnar 135mm 3.5
・Chinon 28mm 2.8 MC
・Auto Chinon 35mm 2.8
・Chinon 55mm 1.7 MC
・Auto Chinon 135mm 2.8
・РУБИHAP ( Rubinar / ルビナー )500mm 8


【NEX-7】 最終評価 レンズ編 2  Carl Zeiss Sonnar 24mm 1.8 ( SEL24F18Z )_c0035245_292871.jpg



このレンズとNEX-7の組み合わせは、私の主戦力の1つです。このレンズがあるからNEX-7を使っていると言ってもいいくらいです。私は根っからのツァイス信者なので、過大評価しているかもしれませんが・・・。ともかく、ソニーの最大のアドバンテージは「純正のツァイスレンズがあるから」と言い切ってしまいましょう。

先ごろ発売になったTouitの2本(12mm&32mm)は、ソニーEマウントとフジXマウントの2種類で出している「ツァイスの」レンズです。この24mmのように「ソニーの」ツァイスレンズというわけではないので、Touitはソニーのカタログには載っていません( もちろん、そこはこだわるポイントではなく、特に12mmはいつかは欲しい! )。つまり、この24mmはNEXのためだけに作られた唯一の純正Zeissというスペシャルなレンズなのです。

ツァイスに特に思い入れがない人にとっても、純正対応の35mm相当のレンズはこれ以外に選択肢はありません。実売8万円弱(新品)というのは高いですが、写真を真剣にやっている者には出せない額ではない。しかも、NEXをライカ的な使い方をするのであれば、一番使い勝手のいい画角ですから、ここに(ツァイスレンズとしては)リーズナブルな価格で一切妥協のないレンズが鎮座しているというのは絶妙だと思います。僕はこれを買うのに全く迷わなかったです。だだ、3、5、6シリーズにはオーバースペックな嫌いはありますね。逆に7ユーザーならば多少無理してでも欲しいレンズです。

肝心な写りは、文句のつけようがないものです。開放からどの絞りでもシャープ。深みのある色合い。立体感を感じる素晴らしい抜けの良さ。ブレ補正機能を画質低下を招くとしてあえて入れなかったのも、「さすが分かっている」。現代的な写りとはこういうものだ!という、光学的に最先端をいく前衛的なレンズです。

もし、文句をつけるとすれば、欠点がなさすぎることでしょう。ライカ信者ほどではないにしろ、ツァイスにもクラシックな「味」を期待する人もいます。コシナのツァイスはそういったニーズを見越して現代的な描写よりも、伝統的な「味」を優先している嫌いがあります。要は、オリジナルの「プラナー」であったり「ゾナー」の忠実リメイクというやつですね。たとえば、プラナーの50mmはヤシコンの50mmと瓜二つの開放付近のグルグルボケと開放でのピントの甘さがそのまま残っているし、ディスタゴンの28mmはアンバー寄りの独特の色味こそ今っぽくなっているが、ド級の周辺光量落ちはヤシコン28mm/2そのままです。それはそれで良いと思いますし、僕もその欠点を味と見て積極的に使っています。

一方、この24mmはこうした「先例」がないスペックのレンズということもあって、リメイクではなく、まったく新しいレンズです。それを嫌うというのであれば、マウントアダプターを用意して他を当った方が良いでしょう。私の場合はなぜ、ライカよりもツァイスかと言うと、堅実路線で最高の結果を出すライカに対し、常に前衛であろうとして妥協をしないツァイスの方が性に合っているから。画像の見た目としても、同じように深みのある画像ではあるけれど、何か人間的な「ぬくもり」を感じさせるライカに対し、ツァイスは「神の目」に挑戦しているようないい意味での冷たさを感じます。その悪魔的危うさが僕は好きですね。


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【描写】 ★★★★★ 

先に書いた通りです。文句のつけようがありません。広角でゾナーというのはおそらくこのレンズだけだと思いますが、コクがあるディスタゴンよりもビオゴン系のカミソリのような描写に近いかもしれません。つまりはゾナーそのものです。コクのある色味ながら極端な押し出しの強さはなく、「ツァイス」=「個性」と思う人にはやや物足りないかもしれませんが、優等生的かと言うとそうではない。僕的にはすごく良い落とし所で品よく押し出してきている絵だと思います。NEX-7特有の「赤味」はこのレンズでも出ますが、他の純正系レンズと比べると弱く、好みの範囲に収まる程度です。

【AF性能】★★★★★

純Sonyのレンズとなんら変わりません。静かで速い。

【操作感・デザインなど】 ★★★★☆

まず、このレンズにブレ補正はあってはいけません。どんなに便利であっても、光学性能を落とす選択肢をしないのがツァイスの思想なはず(そっち方面の技術は日本メーカーにしかないという真実も)。便利機能優先な人にとっては、割高なレンズかもしれませんね。しかし、僕はこれに関しては減点なし、むしろ加点対象です。

造りも完璧。しっかりと金属です。デザインもZeissのロゴが目立ちますがそれほど嫌らしくなく、全体にシックで良いのではないでしょうか。

付属のフードはプラスチックの大型の花型フードです。内側に植毛された高級感のあるもので、機能的には完璧なのでしょう。「小ささ」を一切考慮しないのがツァイスらしいですが、これに関しては常用するにはやはり大きいことと、SIGMA 19mm 2.8 EX DN の記事で書きましたが、僕は金属フードフェチなので、安物ながら写真の穴あき金属フードに替えています。コシナのように最初から金属フードが付属していれば言うことなしなので、ここはすごく主観的な判断ですが★1つ減。

【サイズ】 ★★★★★

ソニーやシグマのプラスチックレンズほどではないですが、NEX専用なのでツァイスにしては全然軽いし小さいです。個人的にはこれくらいがちょうどいい。

【総評】★★★★★

これはNEX界の「神の目」でいいと思います。あいまいさから来る「ぬくもり」が欲しい人は、やめた方がいいです。それくらい Close to the edge に立つレンズです。


【関連記事】

<ファイナルインプレッション>
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<ファーストインプレッション>
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おもな作例
写真(Naganao snapshot)  
写真(Street Snap)



    
by hoq2 | 2013-06-09 04:39 | カメラ

(フォトジャーナリスト・内村コースケ)写真と犬を愛するフォトジャーナリストによる写真と犬の話。写真は真実の写し鏡ではなく、写像である。だからこそ面白い。


by hoq2
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