【21st Century Snapshotman 】無駄に浴衣の日(2本の良レンズと2本のダメレンズと共に) 馬事公苑 ↔ 二子玉川 2017.8.19


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所用で馬事公苑あたりで2泊することになり、空き時間に都内で半日スナップできることになった。どこを歩こうかと迷ったのだが、歩いて二子玉川へ行くことにした。つい昔住んでいた所や思い出の地にばかり足が向いてしまうのが、最近の自分の悪い癖だ。そして今回もまた、ノスタル爺になってしまった。まだ駅名が「二子玉川園」だった遠い昔、2年ちょっとという短い期間(高1から高2の途中まで)だったが、駅から多摩川沿いにしばらく上流に歩いたあたりに住んでいた。以来、そのあたりには全く足を運んでいない。まずは用賀駅に向かって歩き始める。

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この日は多摩川の花火大会の日であった。花火そのものは滞在先の屋上から見ることになっていたので、花火開始前の人出とか、そんなものを撮ってみようか。住んでいた頃も、花火大会の日は特別感があったのを思い出す。確か、好きだった女子を初めて誘ったのもこの多摩川花火大会だった。

それと、もう何十年も見ていない旧自宅マンションの前を通ってみることも主目的にした。二子玉川と言っても、駅から徒歩20分から30分はかかる僻地だ。それでも、そこに住んでいた頃はよく友だちが遊びに来てくれた。ちょうど写真を始めた頃で、部屋を暗室にしていたので現像・プリントしに写真仲間が来た。それと、夜中に3、4人で多摩川の河原で『ホク』と自分たちで呼んでいた即興音楽をよくやった。そういう変わった高校生たちのたまり場になっていたのだ。

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二子玉川駅に到着。まだ昼前なので、花火見物客はそれほどいないようだ。多摩川沿いを上流に向かってかつて住んでいた地域へ向かう。

今回は2本のアトムレンズ=放射能レンズを持ち出した。今年3回の合同展に参加させてもらったPaperpoolで、この黄変したレンズをテーマにした写真展が企画されており、僕も参加表明している。俗に言うアトムレンズ(トリウムレンズ)とは、光の屈折率を上げるために放射性物質であるトリウムをガラス硝材に混ぜているレンズのこと。70年代初めくらいまでは結構あったのだが、その後は作られていない。健康被害があるレベルではないが、時代と共に放射性物質を使うことが忌避されたことと、レンズを高性能化する他の技術がどんどん出てきたためだとされている。

僕の手持ちのレンズで放射能を発しているのはキャノンFD 35mm F2 S.S.Cと、オリンパスZUIKO 50mm F1.4。Paperpoolさんに置いてあるガイガーカウンターで測定すると・・・

まずFD35

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そして、ズイコー50mm

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ズイコーの方は前玉を測定器に向けると反応し、FDは後玉で反応。ズイコーの方が数値が高かったが、これはレンズの黄変ぶりで予測できた。今生き残っているアトムレンズは経年変化でほとんどがはっきりと黄色く変色しているのだ。屈折率を上げることによる恩恵に加えて、今では白黒で撮った場合は逆にこの黄変がイエローフィルター的な役割を果たしてコントラストが上がるなんて言われているが、う〜ん、まあ理論的にはそういうことになるのかな?アトムレンズ=写りが良いとまで言うのは眉唾ものではあるが、カメラ談義的には面白い。

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ともかく、今回はその写真展の話があるので、テストを兼ねてこの2本を持ち出したわけだ。ここまでの写真では、トップの浴衣の人たちの写真とこの下↓の恰幅の良いおじさんがズイコー50mm、イタチの石像から路上のシトロエンまでの3枚がFD35mm。確かに古めのレンズの柔らかさと現代的なシャープさが共存したすごく質の高い描写だ。それが黄変のせいなのかは分からないが、トリウムを使ったことによる設計的な恩恵の影響は間違いなくあるだろう。

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今回はそれに加えて、ワイド端とテレ側も初実戦投入のレンズを使った。フィルム一眼レフ再開で色々と集めているうちに、ボディについてきたり欲しいレンズとセットで投げ売りしていた2本だ。ワイドの方がFDマウントのコシナ20mmF3.8、望遠はズイコー75-150mmF4。この下の鳥居とバスの写真などがコシナの20mmなのだが、無調整では出せないくらい甘い(下の写真はかなりシャープネスを上げて焼き込みなどもしている)。ネット上の評判も史上最低の20mmなどと散々なのだが、まあその通りかなと。ただ、問題は周辺部の流れと逆光耐性の弱さなので、それを味とすれば数千円から高くても8000円くらいで手に入る20mmなど他にないので、存在価値はあると思う。

75-150mmの方は、MF時代のズームに期待してはいけないという定説そのままという感じ。特にテレ端の開放付近は画面全体が甘く、アナログでもデジタルでも四つ切(A4)以上に伸ばしたくはない画質だ。2枚目の2人の傘のご婦人の写真などがそうだが、このブログサイズくらいが甘さを隠せる限度だろう。逆に言えばブログ掲載程度ならば十分。ズームは特に望遠域では便利なので画質と天秤にかける価値はある。

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駒沢大学のキャンパスの前にある砧本村バス停。この時点で昔住んでいたマンションは通過しているが、健在であった。ただ、老朽化が進んで補強工事中だったようだ。二子玉川駅前の発展ぶりとは対照的に、このあたりの23区の外れのエアポケットのような独特な雰囲気は変わらない。町並みもだいたい記憶通り。ただ、周辺の道路は苔むしていいて、空き家もちょこちょことあった。数十年の時間は、確実に流れていた。

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RolleiA26でちょっとノスタルジックに。

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多摩川の土手に出ると、花火大会の準備が着々と進んでいた。

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モワッとして晴れているのか曇っているのかはっきりしない天気であった。土手を降りて駅の方へ戻る。

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駅に戻ると浴衣女子でごったがえしていた。外国人も多い。かつては花火大会と言えば日本独特の夏の風物詩だったが、世界中の人が楽しんでいる今の方が自分には健全に見える。こういう文化を共有するグローバル化には大賛成だ。

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人でごった返す駅を通り抜けて用賀方面に戻る。

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このあたりから暗雲が立ち込め始め、一気に暗くなる。夕立ちの気配の中、家路を急ぐ人たちと一緒に歩調を速めた。

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ギリギリセーフで滝のようなゲリラ豪雨が始まる前に滞在先に避難することができた。もちろん、花火大会は中止。二子玉川まで出向いた人たちは、浴衣で外出しただけでも良い思い出となったことを願う。

【使用機材】
Olympus OM-4
G.Zuiko AUTO-W 28mm F3.5
G.Zuiko AUTO-S 50mm F1.4
Zuiko AUTO-ZOOM 75-150mm F4

Canon A-1
FD 35mm F2 S.S.C
Cosina 20mm F3.8 (Canon FD)

Rollei A26


    


# by hoq2 | 2017-10-23 15:29 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshotman 】「人」への回帰 千駄ヶ谷 ↔ 原宿 2017.7.14


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フィルムへ回帰したのが昨年の春。今年の春からは、さらに一眼レフに回帰した。最初の1年間は主にライカでフィルム撮影をしていたのだが、瞬発力の面では自分にとっては、使い慣れていてより直感的に操作できる一眼レフに分があると思い、少しずつ眠っている機材を整備したり昔使っていたカメラを買い直したりしてフィルム一眼レフ回帰の準備をしていった。レンズは最近はそうでもないが、フィルム一眼レフのボディは需要が少なく、少し頑張ってあちこち探せばタダみたいな値段で手に入る。中でも修理が困難なため需要が少ない電気式のカメラは元の相場が安いので、OH済のものか状態の良いものを探した。

もちろん、ライカ(35mmレンジファインダー機)を捨てたわけではなく、スッと空気感を切り取りたい気分の時にはライカ、一瞬の反射神経で通行人を絡めた街頭スナップを撮りたい時は一眼レフと使い分けている(習熟訓練や展覧会のテーマに沿うため、必ずしもこの使い分けに忠実にやってきたわけではないが)。この「通行人を絡めた街頭スナップ」は10代から30代にかけて好んで撮っていたテーマだが、世の中が過剰に個人情報云々言うようになって非常に撮りにくくなったこともあり(自分の側にも理由はある)、ベルリンで集大成の写真展と写真集出版をして区切りをつけてからは、ほとんど撮らなくなっていた。


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しかし、ネット社会が熟してきて、個人情報の扱いに関しても過剰反応がだいぶ収まってきたことや、街頭スナップを含むデジタル化以前の写真文化が見直されている社会情勢と共に、自分の中でもかつての「人」を撮るという情熱が復活してきた。ただ、最近の「人のいない情景」を撮る試みを通じて自分の写真も変わってきているので、以前とは少し趣きの違う新しい「通行人を絡めた街頭スナップ」を模索したいと思っている。

撮影する町も以前は山手線環内の都心が中心だったが、今は郊外住宅地や地方都市、田舎町もよく撮っている。だが、今回は原点に帰って千駄ヶ谷駅近くから歩いて原宿あたりの通行人で溢れているエリアを撮った。

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カメラはキャノンA-1とコンタックスAriaの2台体制。A-1はNFD28mmF2.8、FD55mmF1.2、NFD80-200mmF4の3本を交換しながら使用。Ariaはシャッターチャンス対応用とし、テッサー45mmF2.8を固定。どうしても超広角が欲しい時にディスタゴン18mmF4を随時使用する形とした。

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単純に二極化などできるわけがないのだが、大雑把に言って、この手のスナップは人そのものを撮る場合と情景の一部に人を入れ込む場合があると思う。僕はどちらかというと長年後者を志向してきたが、その傾向は年々高まってきている。よく「瞬間的に撮るのか、待って撮るのか」と聞かれるが、情景の一部に人を入れ込む場合は待って撮ることも多くなる。カメラを2台持って一台を瞬発力重視、もう一台をレンズ交換ありのじっくり撮る用にしているのも、「脊髄反射」と「待って撮る」の両方に対応するためだ。もちろん、実際の撮影はケース・バイ・ケースになるので、そこに拘りすぎてはいけない。

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今は山の中に住んでいるのでなおさらファッションには疎いのだが、街頭風景を彩る重要な要素として道行く人たちのファッションの傾向には一応目を配っているつもりだ。3年くらい前から80年代リバイバルのファッションが出てきて、今はすっかり長年続いた60年代リバイバルを駆逐したようだ。今は外国人の通行人も多いので、そこに差はあるのだが、日本人とアジア人はすっかり80'sが標準になっていることを、今回、「ものすごく頑張っている人たち」で溢れたこのあたりを久しぶりに歩いて実感した。景気が良くてキラキラしていた時代の、そして自分が写真を始めた頃のファッションである。活気があって青春チックで結構なことだ。

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個人的には60年代から70年代の文化が好きで80年代90年代はクソだと思っているが、今の80'sリバイバルファッションは何十年も停滞していた日本がようやく上を向き始めた表れでもある。どこへ行っても寂れて終った感漂っていた2010年代の日本の街頭風景にも、ようやく活気が戻ってきたのを感じる。人がいなくても人気(ひとけ)があるという80年代の東京の、あの他に類を見ない活気である。

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テニスボールおじさんの正体は想像がつかないが、90年代以降のファッションの流行は若者たちが作り上げているというより、おじさんたちの都合で回っているような気がする。80年代までは、その時代のオリジナルだったけれど、以後は戦後の10年ごとのファッションがローテーションで繰り返されているだけだ。なぜそうなるかというと、業界で発言力が強く決定権がある人たちが、自分たちが若かった頃のファッションを流行らせているからだろう。世代に関係なく、全く新しいものを作り出せる人間はごく一握りだ。自分の時代の感覚しか持ち合わせていない人が多いのだから、自ずとそうなる。その意味で、リバイバルの繰り返しにしないためには、「今」を生きている若者に任せる必要があるだろう。政治なんかよりファッションの世界こそ老害がひどいと思うのだが、いかがだろうか?

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ファッションに限らず、写真文化を含む文化全体に「流行」などというものがなくなるのが、成熟した社会だと思う。各々が自信を持って自分が向きたい方向を向けばいい。てんでバラバラに見えて、全体を見渡せば一つに見える。それが人類の等身大の姿である。竹下通りや渋谷あたりの通行人のファッションがてんでバラバラになる日が来て欲しいものであるが、既にわずかにその傾向は見えている。

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明治通りに出て、東郷神社を抜けて千駄ヶ谷に戻る。次に繁華街を歩く時は、もっと物理的にも心理的にも「人」に近づいて撮りたいと思う。

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【使用機材】
Canon A-1
New FD 28mm F2.8
FD 55mm F1.2
New FD 80-200mm F4

Contax Aria
Carl Zeiss Tessar 45mm F2.8 AEJ
Carl Zeiss Distagon 18mm F4 MMJ


     

# by hoq2 | 2017-10-21 17:25 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【Nagano Snapshot】茅野でチノン6 CS & CE3 Chinon一眼レフで白樺湖を撮る 2017.7.10

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2011年に東京から移住した長野県茅野市を、かつてこの町で製造していたチノンのカメラで撮っている。最初はチノン銘のレンズ(M42マウント)だけを揃えてマウントアダプターでデジタル撮影するにとどめていたが、コンパクトカメラの「ベラミ」を手に入れたのをきっかけに、チノンのボディにも興味を持ってしまった。





チノンの一眼レフは、M42スクリューマウントのものとペンタックスKマウントのものがある。欧米への輸出が主だったため、いずれも国内ではほとんど中古市場には出回っていない。イギリス、アメリカ、フランス、ドイツあたりでは1970〜80年代には結構ポピュラーだったようで、ニコン、キャノン、あるいは同マウントのペンタックスよりもさらに廉価版のカメラとして、複数のブランド名で同一機種が売られていた。

僕は、フィルム一眼レフでスナップを撮るにあたっては、「絞り優先AE、マニュアルフォーカス、手巻き」が最もしっくりくる。フィルムカメラがタダみたいな値段で手に入る今は、複数のマウントのシステムを揃えるという贅沢ができるわけだが、ボディ選びの基準は上記に当てはまる70年代後半から80年代前半の機種と、末永く修理しながら使えるフルメカニカルの機種の2台を最低限揃えることにしている。ニコンならF3+FM2、キャノンならA-1+FTb、コンタックスならRTS+S2、オリンパスならOM4+OM1といった具合だ。

で、チノンはもともとレンズをM42で揃えていたので、同マウントの「絞り優先AE、マニュアルフォーカス、手巻き」のCE-3 MEMOTRON と、フルメカニカルのCSをebayで揃えた。CE-3はスクリューマウントでAEを実現するため、瞬間絞り込み測光という珍しいシステムを採用している電気カメラ。CSはフルメカニカルで絞り込み測光の露出計を備えたキャノンFTに似たスペックのカメラだ。CE-3はフランスから、CSはイギリスからの茅野への里帰りである。

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CE-3は最初シャッターが固まっていたのだが、接点復活スプレーで回復。早速、我が家がある別荘地からほど近い白樺湖の湖岸をCSとの2台体制で歩いた。レンズはいずれもチノン純正。AE機のCE-3はシャッターチャンス対応用とし、標準55mmF1.7を固定。CSは28mmF2.8、35mmF2.8、135mmF2.8を交換しながら撮った。

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チノンのM42マウントのレンズには、フィルター径52mmで距離表示などの文字が緑色のタイプと55mmで黄色のタイプがあり、僕が所有しているのは、28mmと55mm1.7が緑、35mmと135mmが黄色だ。緑の方は誇らしげにmulti-coatedと書いてあり、黄色タイプはモノコートに見える。緑が新しいタイプなのだろう。

ただ、非常にややこしいことに、緑と黄色では絞りの回転方向が逆で、なおかつ、ピントリングの回転方向はまちまちである。これは非常に使いにくい。大手では当たり前の、システムとして統一する気が最初からなかったようだ。

・28mmF2.8(緑)・・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り
・55mmF1.7(緑)・・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り
・35mmF2.8(黄)・・・ピント=ニコン回り、絞り=キャノン・ライカ回り
・135mmF2.8(黄)・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=キャノン・ライカ回り


今回の撮影では使用していないのだが、このほかに55mmF1.4というレンズを持っている。これはデザインは黄色タイプに似ているが水色で「MULTI-COATED」の文字が銘板にプリントされている。あまり出回っていない緑タイプとも黄色タイプとも違う意匠のデザインである。で、回転方向はというと・・・緑タイプと一緒であった。

・55mmF1.4(水色)・・・ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り

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気になったのでうちにあるレンズで調べてみると、「ピント=キャノン・ライカ回り、絞り=ニコン回り」は、オリンパスOM(ズイコー)と同じであった。35mmF2.8(黄)の「ピント=ニコン回り、絞り=キャノン・ライカ回り」は所有レンズでは他になかった。同じ「緑」に分類した28mmと55mm1.7もピントリングのゴムの模様がひし形と四角で違ったり、28mmの方は絞り表示が切り込み窓の中で動くデザインになっている、「MULTI-COATED」の緑文字が大文字と小文字で違うなど、デザインに統一性がない。やはり、先に書いたように、チノン・システムとして統一性を持たせることは端から考えていないのである。そのあたりに、M42→Kと、小メーカーとしてユニバーサル・マウントに賭けたという事情が伺える。ただ、結局、ユニバーサル・マウントという考え方自体が大手に否定されて今日に至るわけで、このあたりの選択はいかにも消えてしまったメーカーらしいと言える。

写真の方に戻ろう。白樺湖はもともと農業用の溜池で、水もそれほどきれいではなく、周囲に遊園地があったりして「美しい高原の大自然」と言うには語弊がある。でも、標高1400mの高原の空気は爽やかであり、隣接する車山高原・霧ヶ峰あたりから八ヶ岳を望む景観は大自然の迫力がある。本当の大自然を相手にすると「風景写真」「ネイチャーフォト」になるが、白樺湖くらいの舞台が白黒で手持ちでスナップしていく限界点であろう。つまり、これよりも都会ならばスナップできるというのが僕の感覚だ。

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最近は特に、ケレン味で勝負するようなファッション性の高い街頭スナップよりも、こういう地味で淡々としたスナップが好きだ。その点で、チノンを選んだおかげで、夏の夕方の草むらやなだらかな車山の丘陵にまっすぐにレンズを向け、それを柔らかく捉えることができたと思う。昔の廉価版のレンズであり、先に書いたようなシステムとして甘さはあるものの、写りを見れば基本的な部分はしっかりとしたまともなレンズだ。自然相手にトイカメラのようないい加減な写りはたいていは好ましくないが、しっかりとした中に甘さの残る描写がなんともちょど良かったのだと思う。撮り手の意識としては「そこそこの機材で奇をてらわず丁寧にスナップする」を心がけた。

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ということで、今回は機材選択がハマった撮影行だったと思う。

【使用機材】
CHINON CE-3 MEMOTRON
AUTO CHINON 55mmF1.7

CHINON CS
CHINON 28mm F2.8
AUTO CHINON 35mm F2.8
AUTO CHINON 135mm F2.8


    

# by hoq2 | 2017-10-19 23:51 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)

【21st Century Snapshotman 】リアルと夢幻の間で 新井薬師 ー 哲学堂 (2017 7/6)

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今回は、毎年作っているカレンダーの撮影の帰りに、そのまま仕事機材でデジタル・カラーでスナップ。アクセントにローライA26による35mmスクエアのモノクロフィルム画像を混ぜてみた。

中野の北の新井薬師前あたりは、高校・大学と比較的近いエリアに通っていたこともあって、馴染みがないわけはない。でも、これまであらためてカメラを持って歩いたことはなかった。新井薬師のお寺の中まで入ったのも多分、今回が初めてだ。この辺りは70-80年代がピークの等身大の町というイメージがとても強い。白黒かネガカラーが似合う。でも、今になってデジタルカラーで撮るのも、ひねくれていてなかなか良いのではないかと思う。

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僕は東京東部のいわゆる下町を撮り歩くのが好きである。ただ、下町=庶民のリアルな生活の場だとすれば、上野・浅草といった町は、僕が街頭スナップをやり始めた1980年代後半には既に現役の下町ではなくなっていた。つまり、下町の現役時代を知らない。自分のリアルタイムと活気に満ちていた時代がかぶるのは、ここ中野あたりを含む新宿・渋谷・池袋をターミナル駅とする23区内の町ではないかと思う。

普通の人たちが普通に暮らしているという意味では、今もその構図はあまり変わっていないと思う(格差が広がる中で、渋谷の延長のエリアは上流階級の町になっている感はあるが)。しかし、そう遠くない将来、たとえば2020年を境に東京の構造はまたシャッフルされるのではないだろうか。

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こういうリアルな町を、生々しいカラーで撮るのはかなり難しいと思う。ただでさえ、日本人にとって身近な東京を日本人が撮るというだけでハードルが高い。だから、多くのストリート・フォトグラファーは白黒で町の生臭さを浄化している。そのあたりが、冒頭で書いたように馴染みがないわけではないのに、この町を撮り歩いたことがなかった理由かもしれない。

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普通の町だと書いてきたけれど、このエリアには哲学堂野方配水塔という前衛スポットがある。詳しくはwikiなどを見ていただきたいが、いずれも元は真面目な施設なのだけど、その役目を終えた今の時代に普通の町の中にいきなりあると珍妙である。そういうわけで、庶民の町で心癒された後は、前衛的な刺激を求めて哲学堂へ向かう。

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写真のトーンもハクチュームっぽくなってきた所で、20世紀初頭の要塞的な給水塔がなぜか幼稚園の背後に現われた。

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前半と後半では全く違う気分で歩けた。身近なようで新鮮な撮影行であった。

【使用機材】
Rollei A26

Canon EOS5D Mark IV
Carl Zeiss Distagon 28mm F2 ZE
Sigma 35mm F1.4 art
Sigma 50mm F1.4 art

Sony α7II
Sony FE 70-200mm F4 G OSS


       

# by hoq2 | 2017-09-27 23:00 | 写真(Street Snap) | Trackback | Comments(0)

【Nagano Snapshot】茅野でチノン5  チノンベラミとCHINON M42レンズでモノクロフィルム&デジタルカラー混ぜ撮り 2017 6/24


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2011年以来、住民票を長野県茅野市に置いている。6年間同じ所に住民票があるのは、住所不定ぎみの自分の人生の中では最長かもしれない。最近は長野県内の別の町にある親元にいることの方が多いのだが、御柱もしっかり見たし、茅野にかなり愛着を持っているのは確かである。







上のような取材的な撮影とは別に、茅野にいながら「茅野でチノン」という撮影行を細々と続けている。茅野市にかつてあったチノンというメーカー(今もブランドは別会社に引き継がれている)のレンズとカメラを使って茅野で街頭スナップを撮るという、ただそれだけの他愛もないシリーズである。チノンは国内ではどちらかというと8mmカメラで知られていて、スチルカメラ(特に一眼レフ)は輸出が主だったので、国産でありながら入手困難である。だから、まずはebayでおもにイギリスからM42マウントレンズを集めてNEX-7やα7IIにつけてデジタルで撮影することから始めた。今春からは、「馬車」で有名な80'sのコンパクトカメラ「ベラミ」やM42マウントの一眼レフボディ(CS2、CE3)も手に入れ、何回かそれらでモノクロフィルム撮影をしている。

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今回は、輸出仕様の馬車のないベラミでモノクロフィルム、M42マウントのAUTO CHINON 28mmF2.8、35mmF2.8、50mmF1.7、135mmF2.8 をα7IIにつけてデジタルカラーで撮ってみた。

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JR茅野駅の東の高台の昭和っぽい団地から、国道20号(甲州街道)へ降りる。街道沿いには、今も古い民家や土蔵が残る。成人するまで東京以外の日本の風景をそれほど知らなかった僕は、ある時期まで「日本はヨーロッパに比べて古い建物がほとんど残っていない」と思い込んでいた。しかし、日本の田舎には、意外と純和風の古い建築が残っていると、すっかり田舎の住人になった今は思う。貴重な文化財とまでは言えないまでも、しかし味があって残っていってほしいこういう田舎の街道筋の建物は、残念ながら今はほとんど空き家になっていてどんどん朽ちてきている。もったいない。写真を撮る者として、記録に残す義務があるのではないかと、少し焦り始めている。

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こうやって単純にカラーと白黒を交互に見せるのはダサいと思ったのだけど、この目まぐるしさが「古い街並みはやっぱり白黒がいいよね」とか、「昔のレンズの色は味があるよね」とか、そういうステレオタイプな感想を打ち砕くには効果的かもしれない。連続性のある風景の中で、カラーと白黒のどちらの世界にも入り込む暇を与える隙なく次のイメージがチカチカと出て来るのは、なかなか挑戦的で良いのではないか。もちろん、たまにやるから良いのであって、いつもいつもこういう姿勢で作品を見せるのは失礼だとは思う。

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もう一つ交互展示から見えてきたのは、チノン・ベラミというカメラのあなどれない実力であろう。80年代初頭の沈胴式・目測ピント固定焦点(35mm)レンズ付きのプログラムAEのプラスチック製コンパクトカメラだが、トイカメラと言うにはもっとちゃんとしている。もちろん、決して高級コンパクトカメラではないのだが、写りは一世を風靡したGR-1とかコンタックスTなどで撮った写真と並べても「言わなきゃ分からない」レベルだと思う。

しかし、今世間にウケているのはその機能面・性能面ではなく見た目である。今回持ち出した輸出仕様にはないのだが、国内仕様にはレンズドアの所になぜか東京IGIN的な馬車のレリーフがついており、それがダサかわいいと中古市場で高値をつけているのだ。僕は一応両方持っているのだが、デッドストックの新品で手に入れた輸出仕様の方を実用にしている。それは「馬車」に関係なく、性能面にも惚れ込んでいるというリスペクトの表明でもある。機能的にはほぼ同じLOMO LC-Aと共に、フィルム撮影時のサブカメラとして今後もどんどん使っていきたい。

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今回はM42マウントのチノンレンズという少々アヤシイレンズで撮っているとはいえ、α7IIという高画質デジタルカメラの画像と並べて遜色ないというのはすごいことである。カラー同士で比べるとまた違ってくるのかも知れないが、デジタルカラー撮影時に、ベラミにモノクロフィルムを詰めてそっとカバンに忍ばせておいて、ここぞという時にアクセントでモノクロを撮るという使い方も面白いのではないかと思う。

ベラミと他の目測ピントコンパクトカメラについての記事はこちら↓


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【使用機材】
Chinon Bellami

Sony α7II (M42-SonyE Mount adapter)
Auto Chinon 28mm F2.8
Auto Chinon 35mm F2.8
Auto Chinon 55mm F1.7
Auto Chinon 135mm F2.8


    

# by hoq2 | 2017-09-24 01:18 | 写真(Naganao snapshot) | Trackback | Comments(0)